トップになる人にとっては『無私』ということが、いちばん大事だと思う。…続き。
ーマニフェスト問題では「堅持」を掲げる小沢氏と「見直し」を主張する菅首相らとの対立になっています。
「私が首相の時も小沢さんとの『二重権力』と言われましたが、私自身は一度も感じたことはありません。コメ市場の部分開放も小沢さんとは意見が違ったが、私の判断で決めさせてもらった。小沢さんは、武村正義さんを官房長官からはずすべきだと何度も言ったが、私は受け入れなかった。だれが何と言おうと、首相は自分の判断で決めればよいのです」
-そういえば、菅・小沢対決 となった昨年の民主党代表選で、細川さんは小沢さんを支持していましたね。
「トップになる人にとっては『無私』ということが、いちばん大事だと思う。つまり、物欲しそうであるか、ないか。小沢さんは、首相になりたいわけでもないし、そのポストにしがみつこうという気持ちもない」
「小沢さんについては、虚像が独り歩きしていると思う。実際は大変ナイーブな人で、説明もしないし、弁解もしない。だから誤解を受けやすい。しかし、それが彼の哲学なのでしょう」
―小沢さん、菅さん、鳩山さん(由紀夫前首相)という世代を超える政治家が出てきてもよさそうなものですが。
「小選挙区になって人材がいなくなったという人もいますが、そうは思いません。米国も英国も小選挙区だけれど、政治の人材がいなくなったという話は聞かない。吉田茂さんくらいから後は平和だったし、経済も順調だったから、政治のリーダーシップが必要とされなかった」
「リーダーは時代が呼び出すものです。そういう意味では今回の大震災のようなことがあって、強い指導者が求められるかもしれません。冒頭に引用したカーカップも、日本が再出発できるかどうかについて『かつてない強力な指導者が出てこなければ日本は立ち直れないだろう』と書いています」
今朝の朝日新聞13面から。