次期中国トップの 笑顔は本物か

February 15, 2012
マスカティン(米アイオワ州)

今年秋の共産党人会で巾岡のトップに就任すると目されてい る習近平国家副主席が先週、初めてアメリカを公式訪問した(関連記事19ページ)。

首都ワシントンの次に向かったのはアイオワ州マスカテイン。河北省正定県の共産党委員会書記だった85年に、農業技術視察で訪れた町だ。

中国の片田舎の青年が、27年後に次期国家主席として自分たちの町に帰ってくるとは、当時誰も予想していなかっただろう。

農業州アイオワの素朴な歓迎を習はいたく気に入っていたらしく、ホストファミリーや夕食を振る舞った家族と再会したときには「私にとってあなたがたはアメリカそのもの」と、リラックスした様子で語り掛けた。

文化人革命時代に農村に下放され、農民と苫楽を共にした習は農業に格別の思いがあるのかもしれない。

アメリカ産大豆43億ドル分の購人決定も、貿易摩擦解消だけが目的ではないだろう。

ただ、彼を迎えたのは懐かしい友人ばかりではない。

オバマ人統領は習との会談でろくに目線も合わさず人権問題に注文を付け、在米チベット人は共産党政権の少数民族弾圧を行く先々で非難した。