「全面講和」を掲げた恐怖 ― 革命と粛清を恐れた戦後知識人
南原繁らが「全面講和」を唱えた背景には、共産革命と粛清への恐怖があった可能性を検証する。
32年テーゼ、占領下の闇商売、在日の利害、社会党への献金という現実を通じて、戦後日本の言論空間を縛った暗黙の恐怖と迎合の構造を明らかにする。
もう一点、南原さんたちが「全面講和」の旗を振った背景には、一種の恐怖心があったからだと思います.
2016-11-21.
以下は前章の続きである。.
渡部.
もう一点、南原さんたちが「全面講和」の旗を振った背景には、一種の恐怖心があったからだと思います。.
戦争に負けるはずのない日本が負けたくらいだから、そのうち革命が起こるかもしれない。.
そうなったら共産党政権は、コミンテルン(世界革命運動)が昭和7年に出した「32年テーゼ」に従って右派勢力を粛清するであろう。.
そうした粛清を怖れて、ものを書くような文化人たちは「テーゼ」から外れるようなことは書かなかったし、またそういう発言はしなくなった。.
そんな暗黙の縛りがあったのではないでしょうか。.
社会党が単独講和に反対したのは、いま申し上げた理由に加え、在日の人たちが反対していたからだと考えられます。.
ではなぜ在日の人たちが反対したかというと、これは日下さんもよく体験しておられると思いますが、占領下で彼らは闇商売のし放題だったからです。.
警察は闇商売をする日本人は取り締まったけれども、韓国・朝鮮人の闇には目をつぶっていたんです。.
私の郷里の鶴岡でもコメの闇商売は見られましたが、韓国・朝鮮人は大目に見られていました。.
ハイデガー哲学の著名な研究者である木田元さんなどもご家族を養うために担ぎ屋をやっていました。.
私との対談本『人生力が運を呼ぶ』(致知出版社)でもおっしゃっていましたが、闇屋が乗った汽車は超満員で、そこに警察が乗り込んで来る。ところが、韓国・朝鮮の闇屋が乗った車輛にはたった4、5人しか乗っていないのに調べなかったといいます。.
そうした利得があったとき、日本が独立を回復したらどうなりますか。.
日本の警察に主権が戻ります。.
すると、当時の言葉でいう「第三国人」を取り締まれるようになるんですね。.
だから彼らは日本が主権を回復することを怖れていたのです。.
そこで当時の社会党にものすごく巨額な献金をした、と。.
日下.
ははーあ、それは知らなかった。.
渡部.
当時の全面講和派というのは後の社会党のなかに脈々と巣食っていました。.
その反日思想がいまの民主党にも流れているという印象を受けます。.
いまは南シナ海の人工島造成問題とか慰安婦問題、あるいは尖閣問題が沸騰しておりますが、安倍政権下でほんとうによかったと思います。.
これがもし民主党政権下だったらと考えると、心底、ゾッとします。.
日下.
同感です。.