米国はなぜ国連人権理事会を離脱したのか。「政治的偏向のはきだめ」と断じた当然の決断。
2018年6月、米国は国連人権理事会を「政治的偏向のはきだめ」と厳しく批判して離脱した。
人権侵害国家の加盟を容認しながら、イスラエルに対しては常設議題として執拗に非難を続ける理事会の矛盾と偽善を示す象徴的事件である。
本稿は、ヘイリー米国連大使とポンペオ国務長官の発表を軸に、国連人権理事会の本質と米国離脱の理由を考えるものである。
2019-03-07
米、国連人権理事会を離脱。
「政治的偏向のはきだめ」と。
2018年06月20日。
国連人権理事会からの離脱を発表するヘイリー米国連大使とポンペオ国務長官の報道に、私は当然のことだと思った。
ニッキー・ヘイリー米国連大使は19日、米国が国連人権理事会を離脱したと発表した。
同理事会は「政治的偏見のはきだめ」だと批判している。
ヘイリー大使は、「偽善と自己満足」に満ちた組織が「人権を物笑いの種にしている」と述べた。
国連人権理事会とは何か。
国連は2006年に人権理事会を設立した。
だが、人権侵害の疑いのある国にも加盟を許していることで、以前から強い批判を浴びていた。
47カ国が理事国として選出され、3年の任期を務める。
理事会は年3回開かれ、普遍的・定期的レビュー(UPR)と呼ばれるプロセスで、全ての国連加盟国の人権への取り組みを評価する。
また、人権侵害があったとする報告に対し、独立した専門家を派遣したり、委員会を設置することもできる。
これまでにシリア、北朝鮮、ブルンジ、ミャンマー、南スーダンに対して、こうした措置が取られてきた。
なぜ米国は離脱したのか。
米国は長年、人権理事会を批判してきた末に離脱を決定した。
米国は2006年の理事会創設当時も加入を拒否していた。
理事会の前身である人権委員会と同様に、人権侵害の疑いのある国にも加盟を許していたためである。
加入したのはオバマ政権時代の2009年で、2012年に理事国に再選された。
しかし2013年には、中国、ロシア、サウジアラビア、アルジェリア、ベトナムといった国々が選ばれ、理事会は人権団体から非難を浴びた。
さらに、理事会から不当な批判を受けたとして、イスラエルがレビューをボイコットしている。
ヘイリー米国連大使は昨年、反政府デモで何十人もの死者が出ているベネズエラに何の措置も取られていない状況で、イスラエルに対する非難決議が採択されたことは「受け入れがたい」と述べていた。
イスラエルは理事会で唯一、常設課題とされている国であり、パレスチナへの対応が定期的に調査される。
ヘイリー氏は人権理事会への痛烈な批判をした後、「この離脱で我々の人権への貢献が後退することはないことを明言しておく」と話した。
後略。