米中貿易戦争は安全保障政策である――トランプ政権が狙う技術流出阻止と中国共産党体制の弱体化

2019年8月15日発信。
トランプ政権の米中貿易戦争を、単なる中間選挙向けの人気取り政策ではなく、安全保障政策として捉える論考。
エコノミスト安達誠司氏の分析を紹介し、レーガン政権の対日貿易政策との比較を通じて、米国ハイテク技術の中国流出阻止、中国市場の開放、中国経済の対米依存、中国共産党一党独裁体制の弱体化という戦略的意図を論じる。

2019-08-15
つまり、トランプはハイテク技術の流出を阻止して技術的経済的優位を確保するとともに、中国共産党の一党独裁体制を弱体化しようとしている、というのだ
中国共産党の一党独裁体制を弱体化しようとしている、というのだ。
と題して2018-08-14に発信した章である。
以下は前章の続きである。
●米中貿易戦争は安全保障政策
トランプ政権の貿易戦争について、日本では、中間選挙向けの一時的な人気取り政策だと見なす向きが強いが果たしてそうだろうか。
エコノミストの安達誠司氏は、(トランプ大統領は、かつてレーガン政権が日本に対して実施した貿易政策を中国に対して行っているのではないか)としてこう指摘する(6月28日付現代ビジネスオンライン)。
《当時(1980年代)の日本も、アメリカの高競争力産業を奪い、アメリカの経済覇権を揺るがしていた。
「強いアメリカを取り戻す」と宣言して大統領選に勝ったレーガンがそれに対して対抗措置をとるのはある意味当然であった。
そして、同様のことがトランプ大統領にも当てはまる。
トランプ大統領は、まもなく中国企業の米国ハイテク企業への投資を禁じる措置を講じるといわれている。
これは、米国のハイテク企業の技術が、出資を通じて中国へ流出することを防止する政策であり、ハイテク産業におけるアメリカの優位性を維持しようとするものである。
レーガン大統領との比較から対中貿易政策の目的を考えてみると、
①中国の国内市場を開放させ、アメリカ製品(及び特許を含むサービス)の購入を通じて経済の対米依存度を高めたまま高齢化による低成長時代を迎えさせること。
②中国国民が「自由な資本主義社会」をより深く知ることによって、現在の中国共産党一党独裁体制の基盤を弱体化させること、ではないかと思う》
つまり、トランプはハイテク技術の流出を阻止して技術的経済的優位を確保するとともに、中国共産党の一党独裁体制を弱体化しようとしている、というのだ。
この稿続く。

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