主体思想の指南書通りに進む日本のアイヌ政策
2019年11月4日発信。
大高未貴氏の論考の続きとして、アイヌ協会への主体思想関係者の関与、北海道議会での小野寺まさる氏の追及、尾上健一氏の著書『自主の道』に示された日本「自主化」戦略を取り上げる。
アイヌ民族の復権、労働運動、沖縄自治を柱とする主体思想の戦略と、アイヌ新法、北海道旧土人保護法廃止、アイヌ代表の国会進出などの現実が重なることを指摘し、日本のアイヌ政策が1987年の主体思想指南書通りに進んでいる危険性を論じる。
2019-11-04
驚くべきことに、1987年に書かれた主体思想の指南書(『自主の道』)通りに日本のアイヌ政策が進行しているのだ。
以下は前章の続きである。
平和運動の名のもとに。
かねて、アイヌ協会には主体思想関係者が入り込んでいると、一部の有識者たちから指摘されてきた。
小野寺氏も2011年12月に道議会で追及している。
小野寺。
「札幌で主体思想について、アイヌ協会の関係者が講座を開いているという認識でおりますが、詳しい内容をお聞かせください」
アイヌ政策推進室参事。
「正確な情報は得ておりませんが、ある資料によると9月29日に札幌で開催されたと承知しております」
小野寺。
「その主催した団体の名前を教えてください」
アイヌ政策推進室室長。
「インターネットの資料によりますと、その資料の下の方の記載では『日本キムイルソン主義研究会』という名称が記載されています」
という言質をとっている。
また、主体思想に詳しい篠原常一郎氏が「アイヌ政策の根幹はこの本に書かれています」と教えてくれた、尾上健一氏の著書『自主の道』(五月書房)には驚愕の実態が記されていた。
日本を「自主化する」、つまり、主体思想化するための戦略として多くの課題が示されているが、そのトップスリーを紹介する。
「民族と民衆の自主権を実現するための闘争で定義される重要なものは、第一にアイヌ民族の復権を実現すること、第二に、労働者階級の闘争を発展させること、第三に、沖縄の自治、自立を達成すること(以下略)」
「ここで日本を自主化するたたかいとアイヌ運動との連携を整理するならば、第一にアイヌの民族的自主権を確立するための闘争は日本を自主化するたたかいの重要な構成部分であるということです。
いいかえるならば日本を自主化するためのたたかいは少数民族であるアイヌ民族の自主権を確立するための闘争をぬきにしては考えられないということです」
さらに、同著には。
「アイヌ問題の解決は日本を自主化する重要な動力である。
アイヌ民族の自主権を実現するためには、それを条文化した憲法の改正、ないしは新しい法律の制定が不可避となる。
[北海道旧土人保護法]は廃棄されなければならない。
国会にアイヌの代表が進出しなければならない」ともある。
実際に2019年4月19日、アイヌ民族を法律上初めて、「先住民族」と位置づけたアイヌ新法が参議院本会議で可決され成立。
「北海道旧土人保護法」は1997年アイヌ文化振興法施行に伴い、鈴木宗男氏が旗振り役をして廃止に。
アイヌの代表である萱野茂氏は1994年から98年まで参議院議員を務めている。
驚くべきことに、1987年に書かれた主体思想の指南書(『自主の道』)通りに日本のアイヌ政策が進行しているのだ。
また、アイヌを「先住民族」にするため、当然のことながら北海道における歴史改竄も着々と進んでいる。
ちなみに前述した東京・亀有のアイヌイベントについてだが、単なる日本の地方都市の伝統文化紹介といったものとは次元が異なることを指摘しておく。
尾上氏が一貫して主張していることは、自治区云々の前にアイヌ舞踊やアイヌ語の普及など文化攻略を重視すべきだという点である。
例えば主体思想の雑誌『自主の道119号』(2013年12月)には「アイヌ民族の伝統・文化を受け継いで生きる」という記事もある。
別記事では、埼玉県比企郡で教職員組合と自治労、主体思想関係者が連携し、’平和運動’の名のもとに、アイヌ民族を取り上げ、アイヌ伝統楽器講習会やトークショーなどを開催したことにも触れている。
当時はこのイベントを開催するにあたり、宣伝などの苦労話も書かれているが、今年に入ってからは日本政府の予算もつき、一部は電通がPRを担っているのだから、主体思想関係者の笑いは止まらないであろう。
この稿続く。