文明国の掟から外れた韓国――GSOMIAをめぐる文在寅政権の条約軽視
2019年11月27日発信。
産経新聞に掲載された榊原智論説副委員長の論文をもとに、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をめぐる韓国政府の説明が、条約を尊重する文明国の原則から逸脱していることを論じる。
日ソ中立条約を破って日本へ侵攻したソ連の例と比較しながら、韓国政府が「いつでも効力を終了できる」と主張する姿勢の危うさを指摘し、日韓関係の前途多難を示す。
2019-11-27
ソ連(現ロシア)がつくづく信用できない国だという印象を日本国民に刻みつけたのは、先の大戦末期のソ連による、日ソ中立条約破りの対日侵攻だった。
以下は昨日の産経新聞に、文明国の掟から外れた韓国 、と題して掲載された論説副委員長 榊原智の論文からである。
「韓国はいつでもGSOMIAの効力を終了できるという前提で、8月23日の終了通知の効力を停止させることにした」
韓国大統領府の金有根国家安保室第1次長の記者会見での発言だ。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効を寸前で回避させたことについての韓国政府の公式説明である。
失効回避は安全保障上、歓迎できるが、この韓国政府の説明を知って筆者は頭がくらくらした。
韓国政府、少なくとも文在寅政権が相変わらず、外国との条約を尊重するつもりがないことを隠そうともしていないからだ。
「いつでも効力を終了できる」ことなどあり得ない。
日韓閧の条約であるGSOMIA第21条の第3項には「この協定は、1年間効力を有し、一方の締約国政府から他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を90日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される」とある。
実際に秘密軍事情報のやり取りをする、しないは両政府の判断次第だ。
だが、GSOMIAの枠組み自体は有効期間の満了時でなくては、なくすことはできない。
今回も21条第3項の規定から1年間の自動延長となったのだ。
ソ連(現ロシア)がつくづく信用できない国だという印象を日本国民に刻みつけたのは、先の大戦末期のソ連による、日ソ中立条約破りの対日侵攻だった。
昭和16(1941)年4月締結の同条約第3条は、有効期間を5年間とし、期間満了1年前に「廃棄」を通告しなければ自動延長すると定めていた。
ソ連は20(45)年4月に1年後の不延長すなわち「廃棄」を日本に通告した。
条約は翌年4月まで有効だったのに、ソ連は20(45)年8月に条約を破棄したと強弁を弄して後ろから斬り掛かってきた。
文明国のルールから外れた野蛮な振る舞いである。
韓国政府が「いつでもGSOMIAの効力を停止できる」と叫ぶのは、虚勢または国内世論対策なのだろうが、ソ連のような条約破りをする可能性があると公言したに等しい。
外交上の駆け引きは条約を順守しつつ行うのが文明国だ。
それに反する姿勢をとって恥じぬ韓国はまるで前近代の国のようである。
日韓関係は前途多難だ。