石角完爾「日本よ、核を持て!」続々編――非情な国際社会と核抑止の現実

2019年12月2日発信。
月刊誌WiLLに掲載された石角完爾氏の論文「日本よ、核を持て!」の続きとして、第二次世界大戦以後の国際秩序における核兵器の決定的役割を論じる。
核分裂を兵器化した国々が戦争と戦後秩序を制し、核保有国同士の全面戦争が起きていない現実を踏まえ、核抑止の効力を指摘する。
また、ウクライナの核放棄とロシアによるクリミア占領を例に、核を持たない国家が大国に侵攻される危険を示し、日本が戦後80年の暫定的平和に現を抜かしていれば、長期的には生き残れないと警告する。

2019-12-02
たった戦後80年というヤルタ協定的暫定平和状況に現を抜かし…のみに終始していれば生き残れると思ったら大間違いです。
以下は前章の続きである。
非情な国際社会。
第二次世界大戦では「核分裂が武器になる」ことに気づいた国々が戦争を制しました。
逆も然りで、それに気づきながらも核分裂を武器にすることができなかった国々が敗れ去っていったのです。
核分裂が莫大なエネルギーを瞬時に生み出すことにいち早く目を付けながらも実用化に至らなかったヒトラーは敗北。
ナチスの核開発を知ったチャーチルと、彼の入れ知恵で本格的な実用化に取り組んだルーズベルトが世界大戦を制し、その両国は現在も世界の覇権を握り続けています。
世界大戦以降の核保有の現状を見ても、無理矢理核保有を達成したインド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルを除き戦勝国だけが保有を許され、敗戦国には原則的に認めていないのが実情です。
また、核を持たなければ核保有国にいとも容易く通常兵力で攻め込まれるという現実も、2014年に起きたロシアによるウクライナ侵攻を見れば明らかでしょう。
ウクライナがソ連崩壊に伴う核放棄を行わなければ、ロシアにクリミア半島を占領されるようなことはなかった。
ロシアに限らず、アメリカ、フランス、イギリスなどの核保有戦勝国は大戦後も世界各地で戦争を行っているものの、いずれも相手は核を持たない国ばかり。
そして核保有国同士が戦火を交えたことも、インドとパキスタンによる国境付近での小競り合いを除けば一度としてありません。
この事実だけでも、核抑止の効力は認めざるを得ないでしょう。
中には「スイスはどうなんだ」と反論される場合もありますが、アルプスの小国と日本とではジオポリティカル(地政学的)な、特に北方四島を占有し北海道まで来ようとしたロシアから見た戦略的価値は雲泥の違いでしょう。
「武力を持たなければ、いずれは滅ぼされてしまう」-何によって滅ぼされるかは各時代や国を取り巻く環境で異なります。
しかし、最新最強の武力を持っていなければ、常に他国から攻められる可能性は否定できません。
いずれにせよ、21世紀において核兵器を持たなければ、日本は長い歴史のスパンではいずれ滅ぼされる運命にあるということです。
たった戦後80年というヤルタ協定的暫定平和状況に現を抜かし、やれ円高だ、やれ財政出動だと経済活動と訪問援助ばら撒き外交のみに終始していれば生き残れると思ったら大間違いです。
いつの時代も、平和な時代が長続きした試しはないのですから。
国際社会において、自国のリスクを冒してまで他国を守ろうとする国など存在しません。
しかも、それが戦略的価値のない日本本土“少子化の滅びゆく国”であればなおさらです。
この稿続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください