中国という独裁国家との交渉は民主主義国家を不利にする――二種類の政治家と脱・中国の必然
月刊誌WiLL掲載の高山正之氏と小川榮太郎氏の対談を引き、中国依存のサプライチェーン、親中財界、田中角栄型と中曽根康弘型の政治家、安倍外交の限界、そして脱・中国の必要性を論じる。
2020-06-08
しかし大前提として、中国は独裁国家なんです。
外交の約束など破り放題だし、自国民への説明責任など皆無。
交渉においては、圧倒的に民主主義国家が不利なわけです。
私が言及している月刊誌は日本人のみならず世界中の人たちが必読である。
何しろ本稿の様な本物の記事が満載されているにもかかわらず、たったの950円なのだから。
以下は、武漢ウイルス戦犯国 中国をテロ国家に指定しろ、と題して月刊誌WiLL今月号に掲載されている、高山正之と小川榮太郎の対談特集の続きである。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである。
小川榮太郎は朝日新聞を至極当然に批判した著作に対して、あろうことか、言論機関である朝日新聞から多額の損害賠償請求訴訟、即ち嫌がらせ裁判を受けて、大きな経済的損失を受けながら、全くひるむことなく論文を書き続けている。
大阪大学文学部卒業者の中では誉の一人である。
二種類の政治家。
高山
日本経済は中国にサプライチェーンの大部分を握られ、自動車業界を筆頭にコロナの被害が大きい。
にもかかわらず、危機感が足りないんじゃないか。
野党とメディアには期待してないけど、政府と自民党はサプライチェーンの見直しを議論しなきゃダメだ。
小川
ここ数十年、中国から膨大な量のカネが流れ、財界・メディアに親中派が浸透し尽くしています。
田中角栄以来、自民党と財界が結託して中国に膨大な量のカネを流し込んできた。
国を売った規模でいえば、旧社会党や旧民主党、共産党の比じゃない。
高山
安倍政権下でも、中国との太いパイプは健在ということか。
小川
安倍総理はバランサーだから、徹底的にアメリカと組んで中国とのパイプを破壊するという方向にはいかない。
高山
安倍政権は、習近平を国賓で来日させようとしていた。
よりによって世界中の嫌われ者を呼ぼうなんて、どうかしていると思っていた。
小川
ええ。
田中角栄タイプと中曽根康弘タイプ、二種類の政治家がいます。
カネで動くのが前者で、小沢一郎、二階俊博も含まれる。
ある意味、彼らの言動はわかりやすい。
安倍総理は後者に属しますが、実はこれが危険なんです。
外交センスに自信があるから、うまくいけば中国をコントロールできると思ってしまう。
しかし大前提として、中国は独裁国家なんです。
外交の約束など破り放題だし、自国民への説明責任など皆無。
交渉においては、圧倒的に民主主義国家が不利なわけです。
安倍外交は民主主義国や中庸な国家とは成功していますが、敵性全体主義国相手だと全部失敗した。
北方領土問題や拉致問題は進展していない。
その延長線上に、対中外交の落とし穴があると考えています。
高山
なるほど。
ただ、習近平の来日はコロナでご破算になってよかった。
延期と発表されているけど、事実上の中止になるのじゃないか。
小川
100%不可能です。
中国発のコロナ騒動がまだまだ続く。
中国が発表通り5000人しか死んでいないのに、世界で50万人死者が出たら、これは完全な加害国家。
そんななか、天皇陛下がにこやかに習近平と握手などできるわけがない。
高山
一帯一路に胸躍らせていた財界の連中も、少しは考え直しているんだろうか。
小川
世界各国が、中国抜きで経済を回す方向に動いていくでしょう。
しかし日本人は、中国が弱り目で泣き付いてくると、意気に感じるという阿呆鳥ですからね。
高山
2012年、尖閣の国有化を受けて、中国で日系企業の打ち壊し運動が起こった。
あの光景を見てもなお、まだ中国に進出したがる企業があること自体が驚きだったけど。
小川
カネになれば何でもいいんです。
政治家が日中友好を説くと、保守派を中心に反感を買う。
他方、財界は国民が見えないところで静かに蜜月関係を築いています。
高山
今回ばかりは、日本企業も実害を被って痛い目に遭ったはずだ。
小川
まずは政府が脱・中国の音頭をとって、財界を無理にでも従わせなければなりません。
「世界が同時感染するとお互い大変なので、いったんグローバリズムは中断しましょう」と。
これはどう見ても世界のコンセンサスになるんだから。
コロナ禍以前、安倍総理は各国首脳の中でもトランプ大統領に次いで、中国に厳しい物言いをしてきました。
尖閣について、日中会談で「安倍政権の決意と覚悟を見誤るな」と繰り返し言っている。
軍事には軍事で対抗するという意味ですね。
一国のリーダーのセリフとしては非常に重いんですよ。
香港デモをめぐっても、日中首脳会談で憂慮を表明した上、いきなりウイグルに言及し、習近平が目を白黒させたこともあった。
コロナを機に戦略的互恵関係を真に国益本位に捉え直すのは安倍総理の責務です。
この稿続く。