中国の「声東撃西」――東シナ海を囮に、南シナ海へ核ミサイル潜水艦基地を築く狙い

中国にとって東シナ海は、南シナ海支配を進めるための囮にすぎないのか。
石平氏と黄文雄氏の対談を基に、東シナ海で騒ぎを起こして世界の耳目を引きつける「声東撃西」の戦略と、南シナ海に核ミサイル発射能力を持つ潜水艦基地を築こうとする中国の狙いを明らかにする。

2020-06-27
中国の「声東撃西」――東シナ海を囮に、南シナ海へ核ミサイル潜水艦基地を築く狙い
「だから、南シナ海の海底に核ミサイルを発射するための潜水艦の海底基地をつくろうとしている」と題して、2015年11月23日に発信した章を、段落の修正等を行って再発信する。
以下は、『これから始まる中国の本当の悪夢』と題して、石平さんと黄文雄さんが対談し、2015年9月30日に徳間書店から出版した本の、p77~p78からである。
*~*の文章と文中強調は私である。
なぜ中国は南シナ海支配を急ぐのか

いずれにせよ、新シルクロード構想も、そのバックボーンとなるAIIBも失敗に終わるということは、われわれの一致した結論ですね。
そこで次に、中国の海洋進出についての話に移りたいと思いますが、ここ数年、中国の南シナ海支配が非常に大きな問題になってきています。
もちろん、東シナ海の尖閣諸島周辺でも領海侵犯は繰り返されていますし、ガス油田の開発を一方的に進めていることも大きなニュースになりました。
中国にとって南シナ海と東シナ海のどちらが大事かというと、南シナ海ですね。
逆に、どちらのほうが扱いやすいかというと、東シナ海なのです。
南シナ海で何かすれば、アメリカはもちろん、フィリピンやベトナムも反発する。
東シナ海は日本だけだからやりやすい。
しかも、戦略的にも南シナ海のほうが中国にとって重要なのです。
というのも、これは軍事専門家に聞いた話ですが、ここに潜水艦の基地をつくり、海底から核ミサイルが発射できるようにする狙いがあるというのです。
中国本土には200~300発の核ミサイルがあるとされていますが、アメリカがこれを叩けば、10分ですべて破壊できるとも言われています。
そうなると、報復行動がとれない。
だから、南シナ海の海底に、核ミサイルを発射するための潜水艦の海底基地をつくろうとしている。
一方、南シナ海にしても東シナ海にしても、中国は海底資源の掘削を行っていますが、エネルギー開発の専門論文などを読むと、断層が多くて採算が合うようなものではない。
要するに、ダミーなんです。
とくに東シナ海のほうは、南シナ海での支配力を強めるうえでの囮で、騒ぎを起こして、世界の耳目を東シナ海に引きつけておきたいと思っている。
中国語で言えば、「声東撃西」(東に声して西を撃つ)ですね。
中原、中国のいちばん最初の主役である夏人は、マレー・ポリネシア系という説が最有力ですが、4000年来、モンゴル人の大元帝国以外は、断続的に海禁、すなわち領民が私的に海外渡航したり、海外貿易をしたりするのを規制してきた国です。
海をずっと忌避してきた国が、急に海に出る野望を抱いたものだから、その世界戦略は空想や妄想だらけで、迷走するばかりです。
*先般、テレビ朝日の『報道ステーション』を観ていた時、あの、いかにも二流の、朝日新聞を読んで育ち、受験勉強がちょっとだけできたけれど、実社会で働く胆力と気力はなく、大学教授となって国民の税金で飯を食いながら、テレビに出演しては、結構毛だらけな出演料を頂いています、の典型である中島が、実に呆れた解説をした場面を、私は即座に思い出した。
この男、と言うよりも、もはや愚かな若造と言うべきだろう、は、地図を逆さまにして南シナ海を中国側から見れば、海に接している面積は中国のほうが圧倒的に広い、などという、信じがたいコメントを発していたのである。
これに、例によって古館はうなずいていたのだが、一体、この放送局は、どこの国の放送局なのだと呆れ果てた、慧眼の士は少なくなかったはずだ。*
『これから始まる中国の本当の悪夢――習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱』
石平
徳間書店

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