朝日新聞「慰安婦」報道検証を問う――植村記者のソウル取材経緯と「強制連行」から「強制性」への変遷
朝日新聞の慰安婦報道検証をめぐり、門田隆将、櫻井よしこ、阿比留瑠比が、植村記者のソウル取材の経緯、「強制連行」をめぐる報道、そして「強制性」へと変化した表現について論じた記録を原文と英訳で掲載する。
2020年8月18日
本稿は、朝日新聞による慰安婦報道の検証をめぐって交わされた門田隆将、櫻井よしこ、阿比留瑠比の発言を記録したものである。
論点の一つは、当時大阪社会部に所属していた植村記者が、なぜ海外出張によってソウル取材を担当することになったのかという取材経緯である。
もう一つは、慰安婦問題をめぐる朝日新聞の表現が、「強制連行」を前提とする記述から、「強制連行はあったのだろう」、「強制連行の有無は問題ではない」、そして「強制性」へと変化していったのではないか、という指摘である。
以下、原文をそのまま掲載する。
本文
朝日社説でも次々と表現が変わってきた「強制連行」
門田 特集ではもともとの情報はソウル支局長だった、とありますが、なぜわざわざ大阪社会部の植村氏が海外出張までしてソウル取材となったのか。これも疑問です。国内出張とは訳が違いますからね。義母と特別の関係がなかったという話を信じろ、というのはなかなか無理がありますね。
櫻井 それは私も疑問を感じています。特ダネですよね。記者の感覚からすれば、ソウル支局長の特ダネを他の部の記者に譲るなど、およそあり得ない話だと思うのです。植村氏について特集記事では植村氏が「義母との縁戚関係を利用して特別の情報を得たことはありませんでした」とありますが、氏の書いた記事が義母の主張に有利に作用したことは確かです。そう思えば、ではなぜ彼が「親から売られた」という情報を書かなかったのか、なぜ挺身隊と結びつけた記事を書いたのか、という疑問がさらに強く浮上します。こうした点については特集では全く説明がありません。
門田 強制連行が問題の根幹だということを朝日もわかっているのでしょう。強制連行があるのか、ないのか。ここが「性奴隷=Sex Slaves」の一番の核心です。「性奴隷」という以上、女性が嫌がっているところを無理やり連れていったり、閉じ込めたり、あるいは強姦によって、意に沿わない性交渉を強いた─といったことが不可欠なはずです。強制連行がなければとても「性奴隷」などとはいえないからです。もし、そこが崩れてしまえば今度は「では朝日新聞の今までの報道は何だったのか」となってしまう。強制連行がなかった、となると、朝日新聞は本当に吹っ飛ぶと思うのです。だから、ここを必死に守ろうとして「強制性はあった」と未だに旗を降ろしていないのだと思います。
特集記事は植村氏自身やソウル支局長の生証言が少なすぎます。しかし、逆にそうしたまとめ方からは何とか事態を収束させたい、切り抜けたいという朝日の意図がにじみ出ているように思えます。
阿比留 朝日の社説をみると、平成四年頃は強制連行を自明の前提条件として取り扱ってきました。ところがだんだん強制連行が怪しくなると「強制連行はあったのだろう」という書き方に後退した。やがて「強制連行の有無は問題ではない」と書き始め、ついには強制連行という言葉自体を最近は使わなくなりました。
櫻井 強制性となりましたね。
阿比留 これは明らかに誤魔化しです。そして朝日の読者に対する愚弄でもあると思います。本当の事を伝えようとしない。国民も大きな迷惑を被っていますが本当に不誠実な対応だと思います。