脱原発は日本をより安全にするのか――ジョン・ハムレが問う国際監視の責任と政府への信頼回復

2024/03/20

ジョン・ハムレ 米戦略国際問題研究所所長
John Hamre 50年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大博士。クリントン政権で国防次官、国防副長官。00年より現職
…前章続き。
文中黒字化と強調は私。
現時点では、この役割を国際原子力機関(IAEA)が担っている。
そして、IAEAで主導的な役割を果たしてきたのは日本と米国である。
両国は、無謀で無責任な原子力利用に乗り出す国をIAEAが確実に取り締まれるよう努力してきた。
もし日本が原子力発電を断念したら、再び推進に転じた米国の原子力政策も打ち切られる可能性がある。
ドイツ、イタリアも脱原発の路線を打ち出した。
責任能力に乏しい国の商用原子力開発には国際的な監視体制が必要だが、日米両国が原子力発電をやめたら、そうした仕組みを形成し主導できる国がなくなってしまう。
日米両国が原子力発電から撤退し、両国の安全思想にくみしない国々が原子力システムの運営責任を担う事態となれば、日本も米国も今よりはるかに安全でなくなるだろう。
日本の人々が原子力産業から手を引きたいと考えるのは理解できる。
だが脱原発は、長い目で見て日本をより安全にするとはいいがたく、大きなリスクを長期的に抱え込む状況につながるだろう。
このジレンマを脱する簡単な方法はない。
唯一現実的な解決策は、原子力産業の監督・管理能力に関して、政府に対する国民の信頼を取り戻すことだ。
長く困難な道のりであるが、それ以外に道はない。
このプロセスをどのように始めるべきかについて、本稿では4つの提言をしたい。
…以下続く。

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