中野りな、その全ての演奏が超弩級の天才であることを証明していた――第6位という結果と、直言への決意

私は、最近、非常に後悔したことがあった。
それは、中野りなが参加しセミファイナルまで進んでいた時のインディアナポリス国際音楽祭と、以下の事態以降の、その最終結果についてである。
ライブでリリースしてくれていた見事な映像と音質での演奏を聴いた私は、中野りなの、言わば圧勝を確信した。
即座に、栄冠は彼女のものだと本欄に書いた。
この時、日本勢は、渡辺紗蘭もセミファイナルに進出していた。
彼女がトップバッターで演奏。そのライブは日本時間の深夜だった。
その日、私は大フィルの演奏会に参列。
歴史的な名演だった。
その幸福感に満たされ帰宅して、彼女の演奏を聴いた。
その時、私に予想外の思いが訪れた。
彼女も優勝を目指して頑張っている。
もし、彼女が本欄の読者だったなら…栄冠が輝くのは中野りなであると確信し断定して書いている私の論文を読んだら、どう思うだろうか?
いかん、
折角のやる気をくじくようなことになってはいかん。
もう遅いかもしれないが、とにかく、あの論文は書き直そう。
私は、中野りなと渡辺紗蘭の日本勢のワンツーフィニッシュを期待する、と言うような調子に書き換えた。
本欄として登場して程なく、世界から爆発的なフォロワーの嵐に見舞われた事は既述の通りである。
サイトパワーで、FC2での本欄は、大きな影響力があるという、2のレベルを大幅に超えていただけではなく、世界で34位にランクインしていた。
当時の私は、毎年、欠かさず、グラミー賞を生中継で観ていた。
その年、殆どの人たちが、彼らがグラミー賞を取るとは、全く予想していなかった。
本欄だけだったはずである。
今年のグラミー賞はArcade Fireだ、と、彼らが素晴らしい地平に到達した事…ジョン・レノンの領域に来ているぞ、と、親友たちに語り掛ける文体で書いた。
ビートルズ、ローリングストーンズ、ポリス、U2、Coldplay、そしてArcade Fireなんだと。

私は、今回の非常な後悔に鑑みて、今後は、似非モラリストのような言説は一切しないようにしたい。直言する。
21世紀に、登場した、新しい、とても若い世代で、世界最高の、超弩級の天才ヴァイオリニスト…何故か全て女性である事も日本の真の伝統である…が3人もいる事。
21歳の中野りな、19歳の村田夏帆、15歳のHimari …この3人は、それぞれが、とても素晴らしい、それでいて、それぞれの響きを持った、超弩級の天才たちである。
彼女達の前の世代にも綺羅星の如くに、素晴らしい女性ヴァイオリニスト達がひしめいている。
その前の世代は、もはや世界の大家の一員たちとして、ひしめいている。
100%完全な人間が一人もいない様に、
日本と並んで「文明のターンテーブル」が回っている国であり、最低でも後170年、日本と共に、世界をリードして行かなければならない米国も、全く完全ではない。
その欠点の一つが、今回のインディアナポリス国際音楽祭の結果に、如実に現出していた。
そもそも、米国において、日本人社会は、中国、韓国勢に比して、圧倒的に少数のはずだ。
それだけではなく、声の大きさが格段に違う。
ただ、彼らにも良心はある。
しかも、それは、あれほど明瞭な差だったのだから。
彼らは中野りなを、あろうことか6位にした。
だがファイナル進出者の全てが、真に、その技量が問われると言っても過言ではないオーケストラとの協奏曲の演奏。
中野りなのバルトークは歴史的な名演だった。
彼女が超弩級の天才である事を如実に証明した演奏だった。
審査委員達は、申し訳の為に、中野りなに、最高賞を与えた。
私の耳が伊達じゃない事は真摯な読者はご存じのはずである。
優勝者のチャイコフスキー協奏曲…あれは秀才の演奏である。
彼女と同等、或いはそれ以上に、同曲の演奏が出来る、女性ヴァイオリニストは、日本には多数いると言っても全く過言ではない。
その理由は、本欄が何度も言及して来た通り。
この稿続く。

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