V-22オスプレイの意味を問う――高山正之が論じる報道、人質救出、離島防衛

2024-02-17
再発信!V-22が危険だと思わせるための作り話である。
以下は、本日発売された週刊新潮の後半に掲載されている高山正之氏の連載コラムからである。
本論文も、彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
読書家である親しい友人が電話をくれて、彼と私は魂の双子だと言った。
私は即座に同意した。
日本国民のみならず世界中の人達が必読である。
平壌を叩け。
日本は、中国、ロシア、北朝鮮など、知性を疑いたくなる国々に囲まれている。
米軍は自衛隊とともに、傍若無人に振る舞うこれらの国々を警戒している。
そうした任務に就いていた米軍のV-22オスプレイが、屋久島への緊急着陸の際に墜落し、搭乗していた8人が亡くなった。
痛ましい事故だったが、それを伝えるNHKのニュースには悲しくなった。
亡くなった人々の捜索に同型機が加わるのを見て、「住民から不安の声が上がった」と伝えた。
危険な飛行機なのだ。
「こちらに落ちてこないか」という意味である。
朝日新聞も、普天間の「50歳の女性」に「いつかここに落ちてくるのではないかと怖い」と言わせた。
そんな「住民」はいない。
V-22が危険だと思わせるための作り話である。
確かに、沖縄の人々は米軍を好まない。
先の戦争では、島民の3人に1人が亡くなった。
宜野湾ではイペリットが散布され、今も未処理の毒ガス弾が見つかっている。
だが、米軍の将兵が殉職すれば、気の毒に思い、手を合わせる。
安倍首相の死を喜んだ東京都立大学の宮台真司のような振る舞いはしない。
沖縄の人々は日本人だからである。
ところが朝日は、住民の話を作り上げたうえに、「制御不能のまま飛び回った」と、まるで致命的な欠陥があるかのように報じた。
モリカケの時と同じである。
証拠もなく、思い込みで疑惑を作り出す。
それで安倍政権を倒したという自信があるのだ。
米軍が同型機の飛行を全面的に停止すると、朝日はそれをV-22への弔鐘と受け止め、狂喜した。
人民解放軍による日本侵攻は、離島から始まるだろう。
多くの人員や物資を積んで高速で飛行でき、しかも垂直離着陸のできる機体は、V-22のほかにない。
習近平は、それをなくしたい。
朝日は、その意向に沿って記事を書いている。
ただし、朝日が抱くV-22は「危険」というイメージには、ある程度の根拠がある。
性能を欲張りすぎているのだ。
分かりやすく言えば、ヘリコプターの機動性と高速輸送機の能力を、無理に一つにまとめている。
この欲張りすぎの理由は、実は半世紀前のテヘラン米大使館占拠事件にある。
ホメイニ師の下に集まったイスラム狂信者たちが米大使館を襲い、館員ら52人を人質に取った。
戦争になりかねないが、その前に人質を救出しなければならない。
カーターはヘリコプターを中心とする救出作戦を承認したが、ヘリは航続距離が短く、速度も遅い。
人質を救出しても、燃料が尽きて国外に脱出できない。
それを補うために、
①イラン中部の砂漠に臨時の中継基地を設け、ヘリに給油してテヘランに入る。
②別働隊がテヘラン近郊のイラン空軍基地を制圧し、救出機を送り込む。
③ヘリ部隊が大使館を急襲して人質を救出し、その空軍基地へ飛んで国外へ脱出する。
複雑な計画だった。
ところが、最初の中継基地が砂嵐に襲われ、通りかかったバスにヘリを目撃されて、作戦は中止された。
撤収時にヘリが墜落し、兵士8人が亡くなった。
人質がようやく解放されたのは1年後で、米国は世界に恥をさらした。
この屈辱を踏まえて、人質解放の年にオスプレイの開発が始まった。
「ローターを90度傾けて垂直離着陸でき、32人を乗せて時速565キロで3400キロを飛べる」というものだった。
量産化までに13年を要し、開発費は人間を月に送り込んだアポロ計画を上回った。
[提示英文の「Apollo Bandai Ghost」は意味が崩れているため、文脈から「アポロ計画」と復元した。]
オスプレイの開発は、「高速、軽量、高い運動性能、20ミリ機銃2門」を要求された零戦と似ていた。
零戦は試験飛行で操縦士2人を失いながらも3年で完成したが、米国版はいまだ完成の域に達していない。
いま、V-22の乗員たちは、その事故率の高さを知っている。
それでも、テヘランの恥をそそぐため、試験飛行士として日々飛び続けている。
この人質救出機の完全版ができれば、めぐみさんの救出も夢ではなくなる。
朝日とNHKは、習近平の顔色をうかがうのではなく、日本人としてV-22の意味を考えるべきである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください