わしは或る新聞を長いこと愛読してきたのじゃが。　うむ。　それは主に読書欄等やスポーツの伝え方においてじゃろう。　御意。この新聞が道鏡の様な男達…政治部上りが各社とも出世コースらしいことも知ったわけじゃが…が支配階級として、いてじゃ、　うむ。　あろうことか、この民主主義踏みにじり男で無節操の極み、稀代の嘘つきでその場しのぎだけの男、自分の人気取りや己の野望、保身しか考えていない男達の集まりを作り上げ、あろうことか、その男の女御まで持ち上げたような者がおるのじゃ。　うむむ、たまらんのぉ。おまけにじゃ、この男が、己の権力維持のために保守党の重鎮に擦り寄って、大御心なぞとまで言ったと。　ほんまの雑兵じゃのぉ。芥川殿、あれらの者は心が腐るのみ、さぁ、忘れようぞ、今日は休日。神もわしらを祝福してくれておるぞ。専務さんと一緒にわしらのゆかりの場所…秀吉殿、ねね殿、わしの妻たちの場所に参ろうぞ。お主なら、他の誰よりも、わしらのことを偲んで下さるのじゃから。わしも京都で待っておりまする。