「中国危機」を招く米中貿易合意と韓国の愚――脱日本に走る韓国、脱中国に向かう台湾
2020年1月26日発信。産経新聞掲載の田村秀男氏の論考を紹介し、米中「第1段階」貿易協定が中国経済に与える危機的影響と、韓国の「親中国・脱日本」路線の愚かさを論じる。戦前の日本統治下における韓国・台湾の経済成長、英国領インドとの比較、李朝朝鮮の停滞、台湾の「脱中国」成長を通じて、韓国と台湾の進路の違いを明らかにする。
2020-01-26
われわれ戦後世代は教育のおかげで植民地=搾取というネガティブなイメージを植え付けられてきたのだが、
以下は今日の産経新聞からである。
「中国危機」招く米中貿易合意
「脱日本」…韓国の愚
編集委員 田村秀男
米中両国は「第1段階」の貿易協定に署名したが、中国経済好転のメドは立たない。
同国金融危機の元凶になりかねないのに韓国は「親中国、脱日本」に躍起となっている。
「脱共産党中国」の台湾とは対照的だ。
面妖な、韓国と台湾はなぜこうも方向が違うのか、中国不安のわけは後回しにして考えてみる。
韓国も台湾も戦前は日本の一部だった。
われわれ戦後世代は教育のおかげで植民地=搾取というネガティブなイメージを植え付けられてきたのだが、客観的な経済データをチェックすれば、それは行き過ぎた自虐史観でしかないことがわかる。
グラフは日本、韓国、台湾と’英国領だったインドの戦前の実質経済成長率比較である。
主要な世界各地の経済史データを収録しているオランダの「グロニンゲン大学成長開発センタ」ウェブサイトからダウンロードした。
韓国分の出どころの大半は李栄薫元ソウル大学教授が理事長を務めるソウルの落星台経済研究所である。
単年ごとの凸凹をならすために、各年までの5年間の年率平均値を筆者の手で算出した。
一目瞭然、日本の植民地時代の韓国と台湾の経済成長率は大半の期間、日本と同じかまたはそれ以上の水準を保っている。
インドの場合は逆に停滞したままである。
現代経済学の泰斗である故宇沢弘文さんは、英国のインド支配について「人類の長い歴史のなかでも、もっとも残忍、冷酷で陰惨をきわめたものの一つであった」と断じた。
英国はインドを守るという名目で軍事費の大半をインド政府に負担させ、任期中に一度はインドに赴任する国家公務員の年金をインド人に払わせた。
さらに、インドに対する貿易赤字分はロンドンに留め置き、英ポンドとインド・ルピーの為替レートを操作して、事実上帳消しにした。
日本はそれに引き換え、韓国や台湾の近代化投資に重点を置き、経済を成長させた。
台湾が’清朝から日本に割譲されたのは1895年、「日韓併合」は1910年で、上記データは1911年から採録されている。
日本領に組み込まれる前の朝鮮半島は李王朝が支配していた。
当時、半島を訪問した英国の旅行作家、イザペラ・バードは『朝鮮紀行』で「日本が改革に着手したとき、朝鮮には階層が2つしかなかった。盗む側と盗まれる側である。そして盗む側には官界をなす膨大な数の人間が含まれる。朝鮮中のだれもが貧しさは自分の最良の防衛手段であり、自分とその家族の衣食を賄う以上のものを持てば、貪欲で腐敗した官僚に奪われることを知っている」と書いた。
これでは成長するはずがない。
日本外務省の敗戦時資料によると、李朝の215年間で耕地面積は4割減、人口は151年間で2割も減ったと歴史書の『李朝実録』をもとに報告している。
要するに韓国は併合前にマイナス成長が100年以上続いていたと推察できるではないか。
その韓国は宗主国だった日本を恨み続けて、かつての進貢先の中国にすり寄る。
他方で、台湾の世論多数は親日的で戦前の日本による台湾開発投資を高く評価する。
冒頭の論点に戻す。
韓国の2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は2%で、リーマン・ショツクで失速した09年以来、10年ぶりの低水準となった。
米中貿易戦争と中国経済減速のあおりである。
対中輸出がGDPの1割と極めて高い韓国のもろさが露呈した。
その韓国政府は今年、「脱日本を加速…素材・部品・装備に、2兆1000億ウォン(約2千億円)投入する」(22日付の中央日報日本語電子版)という。
日本が対韓輸出管理を通常の対象国並みにした半導体製造用のフッ化水素などについてだが、日本が長年かけて築き上げてきた高度な部品や材料の技術にたったそれだけで追いつくはずはないだろうに。
台湾のほうは「脱中国」の波に乗って実質成長率が加速中で、19年10月~12月期は前期に比べ年率で7%近くになった。
米国の半導体などでの対中貿易強硬策を受けて、企業が生産拠点を台湾に回帰させている。
どちらの選択が正しいのか。
回答は米中の第1段階合意にある。
中国側が米国からの輸入を積み増すことで、米国の年間対中赤字は17年の3372億㌦から1200億㌦余り減り、2100億㌦程度となる。
中国側統計でみると、対米貿易黒字は19年で約3千億㌦。
18年には500億㌦だった全体の国際収支黒字の6倍だ。
対米黒字が1200億㌦減ると中国は赤字国に転落する。
ドルによって支えられる中国金融経済システムは崩壊の危機にさらされるだろう。
だろう。