それ以後、国家としては謝罪すべきではない

2017年4月4日の「それ以後、国家としては謝罪すべきではない。」では、私の批判は、村上春樹や内田樹のような戦後的文化人が、国家間の基本的なルールを理解していないという問題へ進んでいた。
私は、大阪大学名誉教授で中国哲学史の専門家である加地伸行氏の論文を紹介した。
加地氏が明快に説いていたのは、現代国家における講和条約の意味である。
戦争が終わり、講和条約を結んだ後は、国家として、戦争時に関する不平不満や謝罪要求を公的に発言しない。
これが、憎しみの連鎖を断ち切るために現代国家が生み出した知恵である。
日本はサンフランシスコ講和条約を結び、中華民国とは講和条約を結び、中華人民共和国とは日中平和友好条約を結び、韓国とは日韓基本条約を結んだ。
日韓基本条約においては、両国およびその国民の間の請求権などが、完全かつ最終的に解決されたことが確認されている。
したがって、それ以後、日本国家としては謝罪してはならない。
この基本を理解していなければ、国際化など語る資格はない。
外国語を話せるかどうか以前に、国家と国家の関係を律する法と条約の意味を理解しなければならないのである。
村上春樹が、日本人は朝鮮半島人に永久に謝らなければならないという趣旨の発言をした時、私はその稚拙さを強く批判した。
それは道徳的な発言に見えて、実は国家間のルールを理解しない、きわめて幼稚な発言であった。
内田樹についても同じである。
朝日新聞的な似非モラリズムに立脚する文化人たちは、謝罪を善だと錯覚している。
しかし、国家間において、講和条約や基本条約の後に謝罪を繰り返すことは、平和を深めるのではなく、むしろ憎悪と不安定を再生産する。
ここに、村上春樹や内田樹ら戦後的文化人の決定的な欠陥がある。
彼らは、歴史を知らない。
条約を知らない。
国家を知らない。
それでいて、道徳の名を借りて日本を裁こうとする。
私はそのことを、2017年4月の時点で、加地伸行氏の論文を踏まえて明確に批判していたのである。

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