見捨てられた武漢市民――習近平の武漢訪問に合わせて作られた「感染終息」という情報戦

武漢封鎖によって病院へ行くことさえ困難になり、十分な治療を受けられないまま自宅や臨時施設で命を落とした市民たち。
中国共産党政権は臨時病院を一斉に閉鎖し、新規感染者数をゼロと発表することで、習近平の武漢訪問に合わせて感染が終息したかのように演出した。
石平氏と竹内久美子氏が、その情報隠蔽と宣伝工作の実態を語る。

2020-06-25
見捨てられた武漢市民――習近平の武漢訪問に合わせて作られた「感染終息」という情報戦
見捨てられた武漢市民
竹内
流行の震源地である武漢政府は、さすがに何か独自の対策を施してもよさそうなものですが、そのあたりはどうなんですか。
石平
病院に対して「治療を頑張れ」と言うだけ。
マスクや防護服の供給すらしていません。
1月20日、中央政府が対策本部を設立すると、初めて武漢以外の地域から医療チームが派遣され、武漢市内を封鎖し、市民の移動を制限したのです。
竹内
今、武漢市内がどういう状況なのかも気になります。
聞いた話によると、体調を崩して病院に行くと、もし武漢ウイルスだと診断されたら、隔離されるかして社会的に抹殺されてしまう。
そのため、市民の多くは、風邪をひいても家にとどまっているとか。
石平
中国政府の発表によれば、武漢市のウイルスによる死者数は3,800人程度。
ですが、恐らく90%以上の人々が病院に行かず、自宅で亡くなっています。
武漢封鎖の後、市内の公共交通機関はすべてストップしました。
自家用車の使用すらダメです。
近所に病院がありませんから、車が使えなければ、高齢者や病人は病院に行くこともままならない。
竹内
行けたとしても満杯。
石平
それで、体育館など、武漢市内の大型施設を10カ所以上改造して、1万人以上収容できる臨時病院として使用したのです。
でも、何も治療を施していないことが判明しました。
感染者と共に、感染の疑いがある人も入れられてしまう。
だから、感染者以外の人間も、そこで死亡しています。
竹内
もはや収容所と変わりませんね。
石平
3月10日、習近平は武漢を訪問していますが、武漢政府は2月末までに臨時病院をすべて閉鎖した。
竹内
終息したかのように装ったんですね。
石平
じゃあ、患者はどうなったのか――ハッキリ言って、行方知れずです。
表向きは回復して、退院したと。
でも、おかしな話です。
政府が決めた期限に、すべての患者が治りますか。
竹内
これも、すさまじい情報戦の一環なんですね。
強引に終息したようにして体面を取り繕い、習近平を武漢に迎えた。
石平
それに加えて、新規感染者数はゼロだと言い始めました。
しかも、各地方一斉に。
竹内
あり得ませんね(笑)。
石平
熱や咳で病院に来た患者に対しては、武漢ウイルスと診断しない。
「ただの肺炎である」とカルテに書く。
竹内
でも、隠しきれない部分が出てきませんか。
石平
今は、新規感染者がある程度の人数に達したら報じる、というやり方です。
そのやり方に不満を感じているのか、李克強は3月23日、対策本部の会議で、「現在、中国の大半の地域で感染者数ゼロの報告が数日続いている。だが、感染の統計データは速やかかつ偽りがなく正確でなければならず、感染者数ゼロを報告するための隠蔽や報告漏れは決してあってはならない」と述べています。
ところが、人民日報は、この李首相の発言を一切無視。
ですが、国務院がHPでこの発言を掲載したため、公になった。
習近平政権の落ち度だったと言えます。
この稿続く。

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