囲いの中に咲く「ひ弱な花」では国家を守れない――中国共産党の侵略と「国恥」の物語、日本が独立国として立つために

新型コロナウイルスの世界的流行は、日本が善意と相互信頼に支えられながら、国家としての強制力、防衛力、危機対応能力を欠いている現実を露呈させた。
櫻井よしこ氏の論文を通して、中国共産党の香港弾圧、尖閣諸島への侵入、「国恥」を利用した歴史認識、領土拡張のための虚偽の物語を検証し、日本が独立国として備えるべき覚悟を問う。

2020-07-05
中国湖北省武漢市由来の新型コロナウイルス、いわゆる武漢ウイルスは、世界各国に国難をもたらし、各国がまとっていた建前を剝がし取り、その正体を暴いた。
中国然り、米国然り。
日本も同様である。
以下は、今日の産経新聞一面に「日本の正体はひ弱な花」と題して掲載された、櫻井よしこさんの論文である。
寝ぼけ眼で読み始めた読者も、瞬時に目を覚ましたはずである。
櫻井よしこさんは、最澄が定義した「国宝」である。
それも、至上の国宝であることを本論は実証している。
彼女も女性である。
NHKでキャスターと称し、自虐史観と似非モラリズムを振りまき、放送法違反としか思えない報道を繰り返している人間たちも女性である。
朝日新聞で、到底看過できない醜悪な論説を書いて生計を立てている者たちも女性である。
蓮舫、辻元清美、福島瑞穂、石垣のりこ等の政治家たちも女性である。
何事も一緒くたにはできない。
だからこそ、似非モラリズムとポリティカル・コレクトネスによって語られる平等論は、何事かのためにする議論なのである。
上記の女性たちと櫻井よしこさんを同列に、機械的に平等に扱うことほど愚かな所業はない。
そのような態度をこそ、傲慢、あるいは無知というのである。
彼女の本論を、日本国民全員は一文一文、永久に心にとどめなければならない。
私は、自らを今を生きる空海であり信長であると、何度も言及してきた。
彼女は今を生きる最澄であり、国の宝である。
それも珠玉の宝である。
数多の男たちの腑抜けさと、数多の女性たちの駄目さを、いやというほど明らかにした論文である。
なぜかは知らぬが親中性向を持つ人々も、日本国民として一字一句を心に刻んで読まなければならない論文である。
【櫻井よしこ氏「日本の正体はひ弱な花」】
中国湖北省武漢市由来の新型コロナウイルス、武漢ウイルスは世界各国に国難をもたらし、各国がまとっていた建前を剝がし取り、その正体を暴いた。
中国然り、米国然り。
日本も同様だ。
武漢ウイルスで明らかにされた日本の姿は、囲いの中で咲くひ弱な花だ。
囲いなしでは、間違いなく嵐に打たれて倒れてしまう。
「花」は十七条の憲法以来、日本人に伝わる利他の心の結晶である。
上下の差を超えて皆で合議し、信じ合うことで、日本人はウイルスの第1波を乗り切った。
ウイルスは、日本国の真の姿も暴き出した。
わが国は善意にあふれる人々の集合体ではあっても、真っ当な国家ではないという厳しい事実だ。
国難に対処する緊急事態宣言には、おおむね強制力も命令権もない。
国家はひたすら要請する。
これでは、外国の侵略の前では無力である。
尖閣諸島、沖縄県石垣市周辺海域では、中国海軍の一翼となった海警局の武装艦群が、日々侵入を続ける。
国土も国民も、日本国は他国と同じように自力で守らなければならない。
そのためには憲法を改正し、法律を整え、軍事力を強化しなければならない。
心身を鍛えて国を守り、国民を守り、価値観を守る。
その当たり前の努力を通して、独立国としての国の形を造らずして、どうするのか。
中国共産党の暴虐体質によって、国際関係はギシギシと音を立てている。
民主主義、人権、人道、法の支配を旨とする日本を含む国々にとって、最大の脅威が中国なのは明らかだ。
侵略する中国に対し、日本国は、本来の穏やかではあるが勇気と強さを備えた日本に立ち戻らなければならない。
これから直面する国際情勢は、間違いなく非常に厳しくなる。
中国は、よりあからさまに、より巧妙に、侵略の手を伸ばしてくる。
6月30日、中国は香港に国家安全維持法を導入することを決めたが、彼らの強硬姿勢は、弱い者に対する常套手段だ。
民主化運動に身を投じてきた周庭、アグネス・チョウ氏は、「生きてさえいれば、希望がある」と発信した。
なんと哀切な言葉か。
日本、英国、フランス、ドイツなど27カ国は、この言葉の背景にある中国の弾圧の実態を正確に受け止め、6月30日、国連人権理事会における「強い懸念」の共同声明発出につなげた。
しかし、同じ会合で53カ国が中国支持を表明した。
中国マネーの力である。
経済力、軍事力、情報戦。
あらゆる手段を用いる中国に対して、日本政府は国際社会において明確に抗議した。
だが、奇妙なことに国内では、態度がはっきりしない。
自民党も公明党も、どうしたのだ。
この期に及んで、習近平国家主席の訪日中止さえ明言できずにいる。
わが国は、囲いの中で国際秩序の恩恵を受けてきた。
今、恩返しをするときだ。
日本を日本たらしめてきた価値観を守ることによって、国際社会に貢献するときだ。
中国におもねれば見返りがあるなどと考えるのは、間違いだ。
どの国も、とりわけ日本は、中国に潰されないよう、厳しい闘いを覚悟しなければならない。
その理由は、中国共産党が国民に幼い頃から教えてきた「勿忘国恥」、国恥を忘れることなかれ、という価値観にある。
「国恥」は、1840年に勃発した第1次アヘン戦争に始まり、第2次アヘン戦争、1856年から1860年、日清戦争、1894年から1895年、義和団事件、1900年、満州事変、1931年を経て、日中戦争、1937年から1945年に至る約100年の歴史を指す。
汪錚、ワン・ジョン著、伊藤真訳『中国の歴史認識はどう作られたのか』、東洋経済新報社によれば、これが中国のいう「恥辱の一世紀」である。
「恥辱の一世紀」を構成する6回の戦争のうち、日本が関わった戦争は4度に上る。
習近平国家主席が願ってやまない「中国の夢」の実現は、「恥辱の一世紀」の恨みを晴らすことでもある。
中華人民共和国建国100年までに中華民族が「世界の諸民族の中にそびえ立つ」ためには、彼らが奪われたと記憶する領土の回復と、失われた栄光の復活が欠かせない。
だが、他国の領土を奪うには、それが元々中国のものであるのに、不当に奪われていたという物語が必要だ。
その物語の一つが、東北工程と呼ばれるものだ。
現在の北朝鮮は、かつての高句麗と領土が重なり、高句麗はかつて中国の地方政府の一つだった。
したがって、北朝鮮は中国の一部だという物語である。
南シナ海も同様だ。
2016年のアジア安全保障会議で、人民解放軍副参謀長は、同海は2000年前から中国領だったと主張し、失笑を買った。
だが中国は、国際社会の批判など歯牙にも掛けず、本記事執筆中も、中国海軍がパラセル諸島周辺海域で大規模軍事演習を続行している。
彼らがオーストラリアに仕掛けた物語は、2003年10月、オーストラリア議会における胡錦濤国家主席の演説から始まる。
「1420年代には、明朝の遠征艦隊がオーストラリアにたどり着いた。その後の数世紀、中国人は海を越えて航海し、オーストラリアに住み着いた」
そう主張したのである。
明代に中国艦隊がオーストラリア近くまで航海した事実はない。
だが2年後、駐オーストラリア中国大使は、「オーストラリアは中国の世界航海の地図に常に記されていた」と語った。
中国共産党中央宣伝部は、提督鄭和が、18世紀にオーストラリアを踏査したキャプテン・クックより数世紀も早くオーストラリアに到達していたと宣伝した。
嘘は次第に本格化した。
ついに2016年、李肇星元外相がオーストラリア国立大学で、「豪州を発見した」のは「元朝時代、13世紀から14世紀の中国の探検家だ」と講演した。
クライブ・ハミルトン著、奥山真司訳、山岡鉄秀監訳『目に見えぬ侵略』、飛鳥新社に記されている。
同じ年の4月、李元外相は第1回日中韓公共外交フォーラム開催中に、「日本は中国固有の領土、尖閣諸島を中国に返すべきだ」と語っている。
日本に対しても、失地回復の意図を持って「物語」を語っているのだ。
オーストラリアは今、中国の真の意図に気づき、猛然と闘っている。
香港も台湾も苦しんでいる。
日本よ、独立国の気概を持って、米国と共に闘え。
この岐路で、選択を間違えてはならない。
力を整備して、日本の価値観を掲げ、闘うのだ。

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