大阪駅が塗り替えた関西の商業地図――JR大阪三越伊勢丹とルクア、開業1カ月の明暗

2011-6-11
JR大阪駅に直結するJR大阪三越伊勢丹とルクア開業から1ヵ月。
利便性の良さから来店客数は2店で1千万人を超え関西の商業地図を塗り替えつつある。
JR大阪三越伊勢丹の伊藤達哉店長とルクアを運営するJR西日本SC開発の中山健俊社長に開業の手応えと今後の展望を聞いた。
ルクア運営・JR西日本SC開発中山 健俊社長
「JR増発で広域から集客」
ーー開業1ヵ月の売上高は41億円。年商目標250億円に向けて好調な出足を切った。
「大阪駅自体が観光名所となり、540万人の来店につながった。低層階が駅の通路として利用されやすい構造上、数字は多めに出ているが、年間では3千万人を超えるだろう。ファッション衣料に加え、品ぞろえを厚くした雑貨が売り上げの3割強を占めた」
ーー20~30代女性を主要顧客に想定していた。
「約10万人を獲得したポイントカード会員でみると女性が83%。39歳以下は全体の8割で想定通りだ。(大阪府)吹田、(兵庫県)尼崎、西宮など近隣市在住者が上位を占めたが、堺市や奈良市の多さは想像以上。増発されたJRの直通快速の効果は大きく、広域から集客できている」
ーー若い世代に狙いを定める他店との差別化のポイントは。
「駅を出ることなく必要な物が手に入る利便性に加え、心理面でも買い物のしやすさを高める。市場調査で『買い物で彼を待たせるのが嫌』という女性の声が目立ったのを受けて、’大半のフロアは性別で区切らずに男女で楽しめる構成にした」「ファッションビルはテナント単位で販促をするが、全館統一のテーマを設けて頻繁に入れ替えていく。季節物やギフトを『買ってみたい』と思わせる商業施設としての鮮度を保つのが大切だ」
JR大阪三越伊勢丹 伊藤 達哉店長
「2回目以降の来店が勝負」

ーー開業1ヵ月の売上高45億円の評価は。
「社内計画には届かなかった。『イセタンメンズ』やレストランは好調だったが、近隣店と競合が激しい婦人服や、商品で差別化しにくい化粧品は伸び悩んだ。同じ商品ならいつもの店で買う。ブランドの枠を越えた自主編集売り場を3割設けたのも、阪急、阪神、大丸に続く梅田4番目の百貨店として個性が必要だから。店内を見て『違う雰囲気だな』と感じてもらえればまずは成功だ」
ーー480万人が来店して観光名所化した。
「特定のブランド品を目当てに30分で買い物を終える便利な店でなく、目指したのは2~3時間過ごせる空間だ。各階で異なる喫茶や、美術館級の作品に触れるフロア、メンズエステまで家族全員で楽しめる。開業時の混雑が一服し、滞在時間が長めに取れる次の来店以降で評価を高めたい」 「固定客の目安のクレジットカード会員は40~50代を中心に開業前に5万人、1ヵ月で1万5000人上乗せした。阪神間と北摂地域で半分以上を占めたが、(大阪府)豊中や池田市など阪急沿線はまだ少ない。(運営会社が同じ)京都伊勢丹への影響は小さかった」
ーー数字を伸ばすため売り場手直しはあるか。
「季節を先取りするファッションに強みがある店なので、5月だけでは判断しにくい。検証を続け、修正していく」

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