週刊ポストが報じた韓国経済の急所|日本の輸出管理強化が半導体産業に与えた衝撃

2019年7月24日発信。
週刊ポスト今週号の記事をもとに、日本政府による韓国向け輸出管理強化が韓国経済、とりわけ半導体産業に与えた衝撃を紹介する。
レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミドの3品目、サムスン、SKハイニックス、LG、文在寅政権の対応、韓国株式市場の急落、韓国GDPへの影響を通じて、テレビ局が報じない日韓問題の実態を論じる。

2019-07-24
「原因とされたのはもちろん日本の輸出管理強化です。
わずか3品目の管理強化がここまで韓国経済に打撃を与えたことに、市場関係者は驚愕しました」(韓国株式市場関係者)。
以下は週刊ポスト今週号からである。
読者はNHKを始めとしたテレビ局が、これらの事実を全く報道していない事を再認識するはずである。
見出し以外の文中協調は私。
「日韓断交」で韓国経済は大崩壊。
これまで“隣人”の傍若無人ぶりに振り回され続けてきた日本政府が、“力-ド”を切った。
今回の輸出規制発動が、今後の韓国を危機的状況に追い込む切り札となることを、日本側は用意周到にシミュレーションしていた。
文在寅大統領は感情的な発言を続けているが、韓国経済への影響は非常に大きい。
文在寅との会合をキャンセル。
「結局は日本経済に、より大きな被害が生じることを警告し ておく」。
こんな高圧的な言葉を日本に向けて発したのは、韓国の文在寅大統領。
7月15日、ソウルの大統領府で開かれた会議での発言である。
発端となったのは、日本政府が7月4日に実施した対韓輸出の新たな方針だ。
半導体やディスプレイの製造に必要な感光材(レジスト)、エッチングガス(フッ化水素)、ディスプレイ用樹脂材料(フッ化ポリイミド)という3品目について、従来の簡略な手続きを改め、個別に輸出許可申請を求めて輸出審査を行なう方針に切り替えるという内容だった。
実際に韓国経済への影響はどうなのだろうか。
元在韓国特命全権大使で外交経済評論家の武藤正敏氏が指摘する。
「文大統領の強気に見える発言は、実際にはかなり動揺していることの表われです。
というのも、これまで日韓関係がいくら悪化しても何も手を打とうとしなかった文大統領が、今回は即座に側近であるユ・ミョンヒ通商交渉本部長を米国に派遣し、問題の仲裁を要請しました。
韓国財界の動揺はさらに激しく、サムスンのイ・ジェヨン副会長は、文大統領が主宰する財界人との会合を欠席までして来日し、日本側との調整に乗り出した。
サムスンだけでなく、情報通信事業を軸に据えるSKやLGといった大手財閥企業も代替の半導体素材を調達すべく、右往左往しています」。
措置開始後の7月8日、韓国の株式市場で800超の銘柄が暴落した。
とりわけ目立ったのは半導体業界で、サムスン電子、LG、SKハイニックスなどが軒並み値を下げた。
「原因とされたのはもちろん日本の輸出管理強化です。
わずか3品目の管理強化がここまで韓国経済に打撃を与えたことに、市場関係者は驚愕しました」(韓国株式市場関係者)。
振り返れば17年5月に文在寅政権が発足して以降、韓国政府は北朝鮮との融和を進める一方で、日本を挑発する姿勢をとってきた。
「最終的かつ不可逆的な解決」のはずの慰安婦合意を反故にして、日韓基本条約で解決済みの徴用工問題を蒸し返すーさらに国会議長が「天皇は戦争犯罪者の主犯の息子」「本当に申し訳なかったと一言いえば、(慰安婦問題は)すっかり解消されるだろう」と発言し、ソウルの市議会が日本商品の不買条例を発議するなど、反日キャンペーンはとどまるところを知らず、日韓関係は戦後最悪レベルに落ち込んだ。
それでも日本政府は「大人の対応」を見せ、表立った反発を避けてきた。
しかしその裏で、“反撃”のチャンスを虎視眈々と狙っていた。
官邸スタッフが打ち明ける。
「今回の規制輸出強化は突如出てきたプランではない。
官邸の極秘指示を受けた霞が関は昨年12月ごろから各省の担当部門がシミュレーションを繰り返し、どのような措置が最も効果的かを慎重に練り上げていました」。
韓国のGDPは2・2%減少。
対策を探る中で、経産省が目をつけたのが韓国経済の「最大の弱点」だった。
「韓国は国内総生産(GDP)の約40%を輸出が占める輸出立国で、輸出のうち20%を半導体が占めます。
韓国は『IT先進国』と言われますが、実際に成長して利益を上げているのは半導体くらいで、その他の分野の成長はほぼ横ばいと言われます。
世界の半導体市場でサムスン電子とSKハイニックスのシェアは50%を超え、ディスプレイのシェアはLGディスプレイとサムスン電子が30%を占める。
それゆえ半導体が停滞すれば、テレビもスマホも作れなくなり、韓国経済は致命的な打撃を受けかねません」(武藤氏)。
韓国経済の命運を握る半導体の製造に欠かせないのが、先に日本が輸出管理を強化した3品目だ。
「韓国はレジスト、フッ化ポリイミドの9割強、フッ化水素の4割強を日本から調達しています。
繊細な半導体に使える高純度の製品の製造は日本のメーカーのお家芸で、これらの製品は海外市場でも日本企業のシェアが大きい。
日本以外からの調達は難しく、輸出管理の強化によって韓国企業に大きなプレッシャーをかけられます」(半導体業界関係者)。
韓国半導体の屋台骨を支える3品目の供給をストップすれば韓国経済はパニックに陥り、日本に歩み寄らざるを得ないーこれこそ、オール霞が関が編み出した極秘シナリオだった。
文在寅政権は今回の措置について、「徴用工問題の取り扱いへの報復措置だ」と反発し、「WTO(世界貿易機関)に提訴する」と息巻いている。
だが武藤氏は、「今回の日本の措置には正当性がある」と指摘する。
「そもそも今回の措置は『輸出規制強化』と言われていますが、正確には輸出手続きの優遇措置をなくす取り決めであり、現時点でも通常の手続きに従えば、3品目の輸出は可能です。
また3品目の輸出管理を強化する理由として政府が説明したのは、戦闘機やレーダーなどの兵器転用も可能なこれらの製品について、貿易管理上の不適切な事案が見つかったということ。
こうした『不適切な事案』に輸出管理を導入することがWTO協定に違反しないことは明らかであり、文在寅大統領の批判は国際的には通用しません」。
韓国経済研究院のチョ・ギョンヨプ選任研究委員の試算によると、今回の措置で韓国内の半導体素材が30%不足した場合、韓国のGDPが2・2%減少する一方で、日本のGDPはその「50分の1」の0・04%の減少にとどまる。
韓国内の調査でも、韓国側が大きなダメージを受けるのに対して、日本の被害は軽微とみているのだ。
この稿続く。

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