最大の保護主義国は中国である――日本のメディアは中国宣伝部のために仕事をしているのか

2019年8月5日発信。
月刊誌正論掲載の石平、楊海英、矢板明夫による対談を紹介し、G20大阪サミットをめぐる日本メディアの米中貿易戦争報道を批判する。
中国こそ最大の保護主義国であり、自由貿易を唱えながら知的財産の窃取、技術移転の強制、資本規制、一帯一路による債務支配を行っていると論じる。
また、NHK報道への疑問、蔡英文総統へのインタビューでの「習さん」発言、中国共産党宣伝部に同調する日本メディアの実態についても批判する。

2019-08-05
先日の大阪で開かれたG20をめぐって、日本のメディアはあたかもアメリカが保護主義貿易の悪者であるかのように報道していました。
しかし最大の保護主義国は、実は中国でしょう。
以下は月刊誌正論今月号に「ヤクザ国家(中国)に対抗せよ」反共三人組。
石 平、楊 海英、矢板明夫と題して掲載された対談特集からである。
この章を日本国民と世界中に発信する前に、先日、watch 9の有馬が、台湾の蔡英文総統にインタビューしているシーンを観ていた時の事を書く。
私はながら見していたから一瞬、聴き間違いかと思ったのだが、有馬は蔡総統に中国について質問をした際に、最初は「習さん…」と言ったのである。
凡そ、今、台湾が置かれている状況で、台湾の総統に対して「習さん」というNHKのアナウンサーとは一体何者なのだろうか。
私は、NHKの報道部の連中は…特に、この有馬たちはNHK労働組合の代表の様な顔をして頻繁に中国大使館関係者や中国の情報部関係者達と会い、彼らの指導を受けているに違いない事を、彼の「習さん」で確信した。
二度目の時は、さすがに「習国家主席…」と発言していたが。
楊 
先日の大阪で開かれたG20をめぐって、日本のメディアはあたかもアメリカが保護主義貿易の悪者であるかのように報道していました。
しかし最大の保護主義国は、実は中国でしょう。
中国の貿易はとうてい自由貿易とはいえないと思うのですが、いかがですか。
石 
まったくその通りで、中国がやっているのは自由貿易でも何でもありません。
情報にしろ金融の分野にしろ一番、世界に対して市場を開放せず自由貿易を拒んでいるのが中国です。
ではなぜ中国が自由貿易を声高に叫んでいるのか。
中国語には「『あいつが泥棒だ』と叫んでる奴が本当の泥棒だ」という意味のことわざがありますが、まさにそれを実行しているのです。
保護主義をやっている中国は自らに矛先が向かないよう、逆にアメリカに保護主義のレッテルを貼って、自分は自由貿易だと自称している、という構図です。
楊 
日本のマスコミはそれにまんまとだまされているわけですね。
石 
中国共産党宣伝部に完全にだまされているのか、あるいはだまされたフリをしているのか。
ともかく、日本の一部の新聞やテレビの報道・論説を見ていると、もう本当に中国宣伝部のために仕事をしているんじゃないかと思えてきます。
おそらく、中国宣伝部は喜んでいますよ。
給料ももらわずに仕事をしてくれるのですから。 
実際はアメリカが本当の自由貿易を守るために中国に制裁関税を掛けているところで、アメリカは制裁関税第四弾の発動を見送りましたが、それは決して貿易戦争の収束を意味するわけではありません。
今までに掛けた二千五百億ドル分の関税はまだ生きています。
アメリカとしては今いきなり第四弾の関税を掛けたら国民生活への影響が大きいという国内事情もあって、時間稼ぎのために先送りしたような面もあるのです。
美辞麗句にだまされてはいけない。
矢板 
たしかに日本のマスコミの中には、米中貿易戦争を仕掛けたアメリカが加害者で中国が被害者であるかのような報道がありますよね。
よく考えてみればアメリカは、ルールを作って、そのルールを守りましょうと言っているだけなのです。
一方、中国はルールを作っても全然、守ろうとしません。
典型的なのは、中国に進出している日本企業が今、自由にお金を外に持ち出せないことです。
これは深刻な問題で、多くの企業が仕方なく中国国内で再投資をさせられているのです。
いくら稼いでも、そのお金を中国国内での事業拡大に使うしかない。
それに関して企業は中国に対して全く文句を言えないし、日本政府もまた何もできません。
実は米中貿易戦争の結果として中国がきちんとルールを守るようになれば、恩恵を受けるのは日本企業なんですね。
本当は日本のためにもやってくれているのに、そういう視点がメディアには欠けています。
楊 
外国の企業なり個人が中国で正当なルートで手に入れた金ですら持ち出せない、これの何が自由貿易なのかと思わされますね。
石 
簡単にいえば今の「米中貿易戦争」は、世界の警察であるアメリカが皆の利益を守るために泥棒をなんとかしなければ、と頑張っているわけですが、この泥棒が逆に「警察こそが泥棒」だと言っているようなものです。
問題は、警察を応援してしかるべき一般市民が、ともすれば警察を悪者扱いし、泥棒のほうに同情していることです。 
本来ならば中国がWTO(世界貿易機関)のルールを守っていれば、アメリカが中国に貿易戦争を仕掛ける必要など何もなかったのです。
今、アメリカが中国との交渉の中で求めていることは要するに、知的財産権や技術を盗むな、あるいは技術の強制移転をやめろということ。
つまり中国が泥棒行為をやめれば済むだけの話なのです。
ただ面倒なのは、その泥棒が国連の常任理事国だったりすることです。
審判団に泥棒が入っているような話です。
楊 
中国という国はいつも世界で一番美しい言葉を使って一番ダーティーな仕事をしますからね。
それは中国国内でも同様で、人民が必要以上に豊かになれないようにあらゆる手段で共産党が抑えているんですね。
だから、中国では例えばIT企業なども共産党にとって必要なものは意図的に育てますが、一般の人民を豊かにするかといえば、しません。
農民から土地を取り上げますし、農民が自由に動くことすら制限しています。
そして共産党員がずっと既得利益者であり、ブルジョアなのです。
「それはおかしい」と北京大学や清華大学の学生たちが「マルクス研究会」とかつくって原点に戻ろうとしたら逮捕されてしまう。
石 
今のお話に関連して、仮にマルクスが現在の中国で生きていたとしたら、確実に習近平によって逮捕されてしまうでしょう。
魯迅も、仮にもし今の中国にいたとしたら、とっくに死刑ですね。 
『ナニワ金融道』の世界。
楊 
国内では共産党が人民を搾取するブルジョア人になっている。
そして共産党は世界を制覇したい。
コソ泥からパイレーツ(海賊)になった中国は今、海では一路、陸上では一帯というふうに、陸上と海を両方制覇したいわけです。
その一帯一路がなぜ周辺国の反発を受けているかといえば、中国としては最初から不平等条約を押しつけて不平等貿易をしたいからに他なりません。 
でも中国自身は、何も悪いことをしてるとは思っていないのです。
むしろ、中国は自分に正義があると信じている。
だから私が常々言っている通り、中国の言う「中日友好」とは「日本は中国の言うことを聞け」ということなんですよ。
そして中国が言う「民族団結」とは、諸民族は漢族の言うことを聞けということなのです。

一帯一路の話は結局、ヤミ金融というか金融ヤクザのやり方ですよ。
大阪が舞台の『ナニワ金融道』というマンガがありますが、そこによく出てくる高利貸みたいなもので、返せないような高いお金をわざと貸し付けた末に全てを奪ってしまうのです。
会社も奪い、場合によってはお嬢さままでも奪ってしまう。
要するに、習近平のやっていることは金融ヤクザそのもの。
中国は先進国に対しては泥棒をして技術を盗み、第三世界の弱小国に対してはヤクザの顔を持っているわけです。
そして国民に対してはもう完全に独裁。
さらに少数民族に対してはヒトラーなんですよ。
矢板 
警察であるトランプ大統領がヤクザを取り締まろうとすると、今度は法律を武器に「ヤクザにも人権がある」と言い出すんですよね。
石 
自分たちが人権を一番侵害しているのに、警察が来るときだけは「俺には人権があるぞ」と。
楊 
そこで左巻きの人権派弁護士が出てきて、ヤクザの人権を守ろうとするわけですね。
石 
そうそう、「警察が悪い」と。
実際、日本の社会もそうなっているでしょう。
何かあったときに被害者の人権よりも加害者の人権を守るということは日本でもよくありますが、そういう風潮が中国共産党を増長させてきたのです。
楊 
普段は暴れているヤクザが、いざというときには「私は被害者です。私の人権を守って」と言い出す。
すると必ず人権派弁護士が出てきて「警察が悪い」となるんですね。
この稿続く。

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