北方領土奪取は国家犯罪である――ロシア大使への再反論とシベリア抑留の残虐非道

2019年8月13日発信。
産経新聞の斎藤勉論説顧問によるロシア大使への再反論を紹介し、北方領土奪取、シベリア抑留、カチンの森事件を通じて、スターリン体制下の国家犯罪と戦後未解決の歴史問題を論じる。

2019-08-13
大使ご指摘の「死の工場」といえば、シベリア抑留の残虐非道はどう説明されるのか。
戦後、日本の支配地域から「ダモイ(帰国する)」とだまされて
産経新聞を購読している人たちは皆、今朝の産経は特に輝いて見えたはずである。
黒は黒、白は白、と真実のみを主張して…
ロシアを相手にして一歩も引かないどころか、論説顧問がロシアの駐日大使と繰り広げている論争について、論説顧問の見解は事実を開示している事を、社としても更に言及している見事なジャーナリスト魂が現れていたからである。
本紙論説顧問「北方領土」で露大使に再反論
降伏後に占領 国家犯罪
ロシアのガルージン駐日大使は7日までに、産経新聞の斎藤勉論説顧問が北方領土問題に関して行った講演内容に対し、SNS(会員制交流サイト)を使って反論した。
斎藤氏は講演で、日本のポツダム宣言受諾後にソ連が北方四島を強奪した経緯を語った。
大使は反論で「1945年に対日参戦したソ連を非難するのか。完全に合法的に行われた南クリール獲得を『犯罪』と呼ぶのか」などと指摘した。
これに対し、本紙は斎藤氏の再反論を掲載する。
=2面に「主張」と「北方領土の日」
1月24日の「九州正論懇話会」での私の発言について、ロシアのガルージン駐日大使から同大使館のフェイスブックとツイッターで、名指しの「反論」を頂戴した。
ロシア外務省の「ジャパンースクールの俊英」と誉れ高い大使閣下の反論だが、失礼ながらまともな反論とは言い難い。
北方領土(ロシアでは南クリールと呼称)「獲得」について、冒頭から「完全に合法的に行われた」と聞き覚えのない表現。
何かその目新しい証拠でも出てきたのか、と思ったが、それはなし。
「獲得」を国家「犯罪」と断じられたことがご不快らしい。
私はとうの昔から北方領土奪取と、これとセットで断行されたシベリア抑留、北朝鮮による拉致事件を戦後未解決の「国家犯罪」と主張してきたので、いまさら大使の「反論」とは不徳の致すところだ。
スターリンの直接指令でソ連軍は1945年8月、日ソ中立条約を一方的に破って対日参戦し、日本が降伏後に丸腰の4島に侵攻して占領した。
これが「犯罪」でなくて何なのか。
国家犯罪はおろか「領土不拡大」を明記した「大西洋憲章」に違反する「国際犯罪」でもある。
大使は日本がユダヤ人ホロコースト(大虐殺)を行ったナチスドイツと同盟国だったことを私への反論の唯一の材料として持ち出しておられる。
この関連付けが全く理解しかねる。
ヒトラーは「最も罪深い犯罪者」だが、スターリンは違うと言いたいのか。
「同盟国」ゆえに日本もナチスと同じ犯罪者だというのか。
逆にお聞きしたい。
日本はいつ、どこで、いかなる「ホロコースト」をしたというのか。
大使ご指摘の「死の工場」といえば、シベリア抑留の残虐非道はどう説明されるのか。
戦後、日本の支配地域から「ダモイ(帰国する)」とだまされて60万人もの日本人が酷寒の地へ拉致され、奴隷労働同然に酷使されて6万人(数字はいずれも未確定)もが無念の死を遂げた。
実は私の亡き父親も辛酸を嘗めた抑留者である。
第二次大戦中、ロシア西部でポーランド将校ら2万人余が虐殺される「カチンの森事件」が起きた。
スターリンは一貫して「ナチスドイツの仕業」と世界に大ウソをつき続けたが、ポーランド政府の粘り強い真相解明の国際的訴えかけでゴルバチョフ時代、ついに「スターリンの犯罪」と認めさせた。
ガルージン閣下にもぜひ、幅広く世界の歴史教科書をお読みいただくことをおすすめしたい。

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