『複合汚染』が危険な理由――有吉佐和子、朝日新聞、エセ科学が広げた環境思想
2019年8月15日発信。
武田邦彦氏の論文をもとに、有吉佐和子の『複合汚染』を「環境汚染を警告した名著」ではなく、科学的根拠に乏しいエセ科学的作品として批判する。
合成洗剤、食品添加物、火薬、環境問題をめぐる記述、朝日新聞による連載、レイチェル・カーソン『沈黙の春』との比較を通じて、リベラル陣営が科学的誤りを社会に広げた構造を論じる。
2019-08-15
「環境汚染を警告した名著」との評判もあって、著者は「科学書」であると思って読み始めたのだが、その「エセ科学」ぶりにはびっくりした。
『複合汚染』が危険なワケ、と題して2018-08-14に発信した章である。
以下は前章の続きである。
『複合汚染』が危険なワケ
著者が有吉佐和子の『複合汚染』を読んだのは、朝日新聞で連載されていた1975年ではなく、環境問題が改めてクローズアップされた2000年代になってからだった。
この作品は、水俣病や四日市ぜんそくなどで揺れた時代に大きな話題となった。
「環境汚染を警告した名著」との評判もあって、著者は「科学書」であると思って読み始めたのだが、その「エセ科学」ぶりにはびっくりした。
石鹸は良いが合成洗剤は悪い影響がある、食品添加物は危険だ、火薬などが戦争を起こす…。
「科学的」「客観的」「総合的」「俯瞰的」であるかのような文体であり、かつ、一般の人が理解できるよう平易にも書かれているが、自然科学者である著者から見れば、また、博士論文審査などの基準から言えば、彼女の作品は科学的手法とは程遠く、根拠のない妄想を単に整理したものにすぎないという印象であった。
つまり不合格、落第である。
著者は多摩美術大学でデザインを、3つの大学で工学を教えたが、学生には常々、「腕が良くなったり、技術力がついたりしたら、決して倫理に悖ることをしてはいけない」と伝えていた。
その人物に力量があれば、煽情的なデザインを駆使して人々を戦争や反社会的活動に導くことや、残虐な兵器を作ることが可能になる。
故に教師は、そのような若者に対しては技術とともに、気高い倫理や人格を求めなければならない。
その意味から、有吉佐和子の『複合汚染』は危険である。
一般の人を引きつける平易に書く技術、もしくは、科学的であるかのように見せる技術が駆使されているからだ。
学問的にいかに間違っていようとも、「ベストセラーになりさえすればよいのだ」と作者が考えていたように著者は感じる。
そんな彼女に力を与えたのがこれを連載した朝日新聞(朝日情報操作会社と呼ぶのが適当だと思うが)である。
慰安婦報道、南京虐殺報道、温暖化による海面上昇報道などを踏まえて考えると、事実をねじ曲げてでも読者を自社の論調に染めようとしていたように思えてならない。
環境問題で左派に注目された女流の著書には他にレイチェル・カーソンの『沈黙の春』などがある。
カーソンは「虫がいなくなった」のを「鳥がいなくなった」と錯覚してDDTなどを糾弾し、結果的に多くのマラリア患者の命を奪ったとされる。
『複合汚染』、『沈黙の春』のいずれも中世の魔女狩り論理を現代に持ち込んだような作品であるが、頭の回らないリベラルが自らの陣営に有利になるようにこれらを利用し、多くの犠牲者を出してしまった。
有吉は朝日新聞と共謀し、科学的な誤りを日本に蔓延させてしまった黒幕の一人である。