従来のMIC概念が通用しない理由とは――高山正之氏が語る旅行鳩の絶滅と武漢コロナ、生物兵器論

高山正之氏の週刊新潮連載「旅行鳩の教訓」を紹介。白犀や旅行鳩の絶滅、最小阻止濃度(MIC)の概念、新型コロナウイルスをめぐる生物兵器説、日本社会の変化について述べられた内容を取り上げ、その主張を紹介する。

2020年6月11日
従来のMIC概念が通用しないのは自然発生じゃない、たった1匹でも生き永らえ増殖するよう工夫された生物兵器だと米国は考えている。
以下は本日発売された『週刊新潮』の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
今回も彼は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
彼は今を生きる梅棹忠夫の一人であると私が言ったら、草葉の陰で梅棹忠夫も心から同意するだろう。
見出し以外の文中強調は私。
「旅行鳩の教訓」
例えばアフリカの白犀は明日には消え果てる運命にある。
絶滅種という。
何で絶滅するのか。
支那人がやたら金持ちになって、漢方の薬になる犀の角が欲しいと言った。
カネはいくらかかってもいい。
密猟者は喜んで犀をどんどん撃ち殺し、角を取って支那人に売った。
支那人が貧しかった1980年代には千頭もいた白犀が、今は2頭になった。
2頭ともメスだから絶滅は約束されている。
民度の低い支那人を豊かにしてやった日本にも責任はあるが、それは措く。
同じように民度の低い米国人も取り返しのつかない過ちを犯した。
旅行鳩を完璧に絶滅させたことだ。
彼らがメイフラワー号で新大陸に着いたころ、驚くなかれ50億羽の大型の旅行鳩が空を覆っていた。
この鳩は五大湖周辺で営巣し、冬場はメキシコ湾岸のルイジアナ辺りに下る。
不幸にも両方とも米国人のテリトリーの中だった。
19世紀初め、オハイオに住んだ鳥類学者J・オーデュボンが「南に飛ぶ旅行鳩が空を覆い、それは三日三晩続いた」と書いている。
米国人はそれを銃で撃ち、あるいは営巣する群れを棒で殴り殺し、肉を食い、羽は毟って羽根布団にした。
50億羽もいる。
どんなに獲っても減るわけはないと思っていたら、100年も経たないうちにその姿が見えなくなった。
米国人は「獲っても30億羽くらい、絶滅させるほどじゃない」と言い訳した。
でも同じころ地に満ちていた6000万頭のバイソンを殺しまくり、900頭に減らした実績がある。
支那人より酷いとか陰口されたものだが、ここにきて「米国人は全部獲って食ったわけではない」という学説が『ニューヨーク・タイムズ』に紹介された。
カリフォルニア大サンタクルス校のベス・シャピロ教授によると、旅行鳩は2万年前から密度の濃い集団で生活し、同じパターンで南北に渡りを繰り返してきた。
種の存続を脅かす敵もいなかったため、抱卵も年に1個だけだった。
そこに米国人が登場して絶え間なく銃で撃ち、営巣地を壊した。
結果、密度の濃い集団に初めて僅かな隙間ができた。
他の種にとっては些細な隙間だが、2万年間慣れた密度が薄れたことが大きなストレスとなって、ある限界点を過ぎた途端、加速度的に種を消滅に導いたと結論している。
学術用語で言うと、白犀では1000頭が種を維持していくミニマムの「遺伝子プール」になるが、旅行鳩では20億羽辺りがミニマムで、それを割り込んだらひたすら絶滅に向かうというわけだ。
言い訳としてはよくできている。
この「種を存続できる限界」点は、黴菌やウイルスにも実はある。
最小阻止濃度(MIC)と言う。
シャーレに入れた武漢コロナに、例えばアビガンを加える。
そうしたらMICを下回った。
厳密にはシャーレにはまだ2、3匹生きていたとしても、その濃度では繁殖できない。
死滅する。
いい薬です、となるわけだ。
ところが武漢コロナに限って、普通は死滅するはずの「2、3匹残った状態」でも繁殖し始める。
コロナが治ってやっと退院できても、すぐ再発する例が多いのはそういう理由からだ。
従来のMIC概念が通用しないのは自然発生じゃない、たった1匹でも生き永らえ増殖するよう工夫された生物兵器だと米国は考えている。
白犀を絶滅させても、ウイルスは丈夫に育てる。
いかにも習近平らしい。
ところで旅行鳩の哀しい運命は、日本人に何かを問うているように見える。
日本人も同じ2万年、日本列島で密な集団社会を営んできた。
外敵もなく、思いやりと伝統に生きてきた。
そこに米国人がきて、日本人の伝統と生き方を否定し、欲と身勝手と相手を罵ることを教え込んだ。
朝日新聞論説主幹・根本清樹お勧めの人生観だ。
今の人口減も、伝統を失った日本人が絶滅へ歩み出した証に見えないか。

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