中国のハニートラップ、マネートラップに屈しない政治家――安倍晋三という国家指導者の人柄とNHK報道への根源的疑問

中国によるハニートラップ、マネートラップ、宣伝工作が各国の政治家や世論に影響を及ぼしていると指摘される中、安倍晋三首相が示した対中姿勢と政治家としての人柄を論じる。バイデン氏をめぐる中国との関係、二階俊博氏の親中姿勢、NHK「ニュースウオッチ9」の反トランプ・反安倍報道と世論調査の設問に対する疑問を記録した2020年7月9日の論考。

2020-07-09
中国のハニートラップ、マネートラップに屈しない政治家――安倍晋三という国家指導者の人柄とNHK報道への根源的疑問
以下は、「トランプの敵――そのおぞましい素顔」と題して月刊誌『WiLL』に掲載された、渡辺惣樹氏の論文を紹介するに当たって記した文章である。
渡辺惣樹氏は、日米近現代史を長年にわたって研究してきた、世界有数の研究者の一人である。
本論文は、日本国民のみならず、世界中の人々が読むべき論考である。
NHKなどの報道番組だけを視聴し、朝日新聞などの論調だけに接している人々には、決して知ることのできない事実と論点が記されているからである。
バイデン氏が米国副大統領だった時代、中国は東シナ海上空に一方的な防空識別圏を設定した。
日本にとっても、断じて看過することのできない重大な問題だった。
米国政府の立場を中国側に伝えるため、バイデン副大統領は、ビジネスマンである息子を伴って北京を訪れた。
その後、バイデン氏の息子が関係する事業に中国側から巨額の資金が流れたとする疑惑が、米国内で繰り返し報じられることになった。
そして、バイデン副大統領は中国の防空識別圏を撤回させることなく帰国した。
この一連の経緯について十分な検証を行わず、バイデン氏に好意的な報道を続けるNHK「ニュースウオッチ9」の関係者の判断を、私は到底理解することができなかった。
同番組が繰り返す反トランプ報道を目にするたび、私は苦々しい思いを抱いていた。
とうとう私は、「ニュースウオッチ9」をほとんど視聴しなくなった。
その報道姿勢の異常さに、これ以上耐えることができなくなったからである。
NHK報道の問題を象徴するものの一つが、安倍首相に関する世論調査の設問だった。
安倍首相を支持しない理由として、NHKが毎回のように上位に掲げていたのが、「首相の人柄が信用できない」という項目である。
私は、この設問そのものに強い作為を感じていた。
悪夢そのものだった民主党政権の時代、日本の国力も、国際社会における存在感も、これ以上ないほどに低下した。
円高とデフレが極まり、不景気の中で、若者たちは厳しい就職環境に置かれていた。
第二次安倍政権が誕生し、日本はようやく、「文明のターンテーブルが回っている国」として、なすべきことを始めた。
その成果の大きさを、イチローもよく認識していたことを、先般の報道は伝えていた。
歴代でも最も安定した政権の一つだった安倍政権を支えるうえで、二階俊博氏が一定の役割を果たしたことは事実である。
その点について、私は二階氏を評価してきた。
しかし、中国に対する二階氏の姿勢については、到底評価することができない。
二階氏は、日本政界を代表する親中派政治家として知られてきた。
しかし、中国側にいくら融和的な態度を示したとしても、それによって中国が尖閣諸島周辺での活動を停止するわけではない。
そのことは、中国公船の行動を見れば明らかである。
中国が国家的な影響力工作として、ハニートラップ、マネートラップ、人的関係、経済的利益、宣伝工作などを利用しているとの指摘は、国際社会で繰り返されてきた。
そのような中国側の働きかけに決して屈しない、数少ない日本の政治家を代表する存在が安倍首相だったことは、論を待たない。
政治家としての人柄という点でも、安倍首相は最高水準の人物だったと私は確信している。
一方で、「首相の人柄が信用できない」という設問を繰り返し提示したNHK報道部の人々は、自分たち自身が外国政府によるハニートラップ、マネートラップ、経済的圧力、あるいはプロパガンダ工作の影響を受けていないと、胸を張って断言できるのだろうか。
もちろん、具体的な証拠もなく、特定の職員を外国の工作員と断定することはできない。
しかし、その報道が結果としてどの国を利し、どの国の主張を補強しているのかについては、厳しく検証されなければならない。
NHKの報道姿勢を見続けてきた私には、少なくとも一部の報道関係者が、中国側の宣伝工作に無自覚なまま加担しているのではないかという、深刻な疑念がある。
報道記者の使命は、特定の政治的立場へ国民を誘導することではない。
事実を調査し、権力を監視し、異なる立場を公平に伝え、国民が自ら判断するための材料を提供することである。
その基本を失った記者は、報道記者として失格である。
そのような人々が、安倍首相に対する世論調査の中に、毎回のように「首相の人柄が信用できない」という項目を入れてきた。
私は、NHK報道部を支配している人々に問いたい。
日本国民から信用を失っているのは、本当に安倍首相だったのか。
それとも、自らの政治的な意図を報道に持ち込み、世論を誘導しようとする報道関係者の側ではなかったのか。
公共放送の職員として日本でも最高水準の給与を受け取りながら、国民に公平で正確な情報を提供する責務を果たさないのであれば、その存在は厳しく問われなければならない。
二階俊博氏が、中国側のさまざまな働きかけに絶対に影響されない政治家であると信じる日本国民が、果たしてどれだけいるだろうか。
一方、安倍首相は、中国の圧力や利益供与に左右されることなく、日本の国益と自由主義陣営の秩序を守ろうとした。
政治家の人柄とは、テレビ局が世論調査の設問によって印象づけるものではない。
国家的な危機や外国からの圧力を前にしたとき、その人物が何を守り、何を拒み、どのような決断を下したかによって判断されるべきものである。
その意味において、安倍晋三という政治家の人柄が、最高水準のものだったことは明らかなのである。
冒頭に紹介した渡辺惣樹氏の論文は、次章に掲載する。

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