世界に躍り出た日本と宣伝戦――欧米の嫉妬、GHQのWGIP、そして骨抜きにされた日本民族

世界に躍り出た近代日本が欧米諸国の警戒と宣伝戦の対象となり、敗戦後にはGHQのWGIPによって日本人の歴史認識と民族的自信が変えられていったと論じる、高山正之氏と大高未貴氏の対談。近代海戦の革新、ラス・カサス方式、家永三郎、東史郎、吉田清治、岡崎嘉平太らをめぐる議論を収録する。

2020-08-05
本稿について
本稿は、世界に躍り出た近代日本が、欧米諸国の警戒と宣伝戦の対象となり、敗戦後にはGHQのWGIPによって、自国の歴史と民族に対する日本人の認識が大きく変えられていった、という問題をめぐる対談である。
近代海戦において日本が示した革新的な戦法、日本の軍事技術に対して欧米諸国が抱いた脅威、敗戦後に実施されたWGIP、そして日本を残虐な国家として描く歴史認識が、どのように形成されていったのかが語られている。
さらに、スペイン帝国に対するラス・カサスの役割になぞらえながら、家永三郎、東史郎、吉田清治、岡崎嘉平太、美土路昌一、広岡知男らの言動と、戦後日本の「自虐」の構造が論じられている。
以下、2020年8月5日に発信した本文を、原文の主張と対談形式を保って掲載する。
骨抜きにされた日本民族
大高 恐ろしい結末です。
過去の自己批判書を、うまく利用した。
髙山 日本だって同じことだ。
新興国として日本が世界に躍り出たとき、欧米諸国から嫉妬を買った。
それで先のクリールマンのような報じられ方につながる。
こういった宣伝戦を彼らはいつも心掛けている。
大高 敗戦後の日本では、GHQのWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)によって洗脳活動が行われたことが明らかになっています。
しかも7年も続きました。
髙山 それで、あれだけ強かった日本民族が骨抜きにされてしまった。
欧米諸国が2千年間守ってきた海戦の方法があった。
接近して副砲を撃って、船腹に舳先をぶち込む。
だから舳先には衝角がついていた。
ところが、日本は日清・日露戦争でまったく違うやり方を示した。
相手の船に一度も接することなく、破壊力のある主砲を利用して次から次へと撃沈していった。
しかも日露戦争では特殊火薬によって、1万8千トン級の鉄鋼艦が燃えて沈没していった。
あり得ない現象だった。
大高 そういう日本に世界は脅威を感じたんですね。
髙山 ギリシャ時代から連綿と続いていた衝角戦法から、日本は主砲による戦艦につくりかえていった。
それに倣って英国が最初につくったのが「ドレッドノート」。
いわゆる弩級戦艦。
それよりも威力があって大型なのが超弩級戦艦。
第2次大戦の頃、「プリンス・オブ・ウェールズ」は3万トンクラスで、超超弩級戦艦と呼ばれた。
もはや敵はいないはずだったが、日本が英米と決戦したとき、この超超弩級戦艦を日本は航空機によって撃沈してしまった。
日本は常に欧米の一歩も二歩も前にあった。
「戦争の1年は平時の10年」と言われるけど、日本の航空技術に英米が追いつくのに3年もかかった。
つまり、日本は30年先を行っていたわけだ。
大高 それほど革新的な戦法だった。
髙山 だから、かつてのスペイン帝国と同じく、この強い日本をどうにか降伏させた後、この国の再興を防ぐには何がいいか。
それはラス・カサス方式で、日本を残虐な民に仕立てて士気を打ち砕くことにした。
それでGHQの「WGIP」が実行された。
日本は非民主的で、遅れた国家であり、これからは個人主義的で、残酷野蛮な民族から脱する必要があると。
その際に日本人の中で誰かラス・カサスの役割を担ってくれないかと探した。
家永三郎や東史郎がその役割を担ったと言える(笑)。
大高 家永氏はかの吉田清治氏の証言を評価した歴史家です。
東氏は南京事件の証言のとき、上官の元陸軍第16師団歩兵第20連隊伍長が「中国人を郵便袋の中に入れ、ガソリンをかけて火をつけ、手榴弾を袋のひもに結びつけて沼の中にほうり込んだ」と。
郵便袋に人1人入ることなんてできないのに(笑)。
私は東氏が所属していた中帰連(中国帰還者連絡会)の集会に参加したことがあります。
印象的だったのは、途中から私が参加すると、一斉にメンバーの人たちがマスクをし始めた。
ウイルスのご時世でもないのにマスクを常時携帯しているだなんて、よほどやましい活動をしているという自覚があったからではないでしょうか(笑)。
もう1人、名前を挙げるとしたら吉田清治ですね。
髙山 平凡で取り柄もない人間が自虐の波に乗れば、朝日新聞が取り上げてくれる。
それで「我こそは日本のラス・カサス」という輩が雲霞のごとく出現してきた。
その中の1人が「日本は中国に迷惑をかけた」と唱え続けた日銀マン、岡崎嘉平太だ。
岡崎は朝日社長の美土路昌一(みどろますいち)に引き立てられて全日空社長になるが、その見返りに自虐に徹して親中反日になることを求められた。
岡崎は生涯、日中友好を謳った。
日中国交正常化の際に、田中角栄が中国を訪問する二日前、周恩来は岡崎を呼んで食事会を開いた。
周恩来は岡崎に「中国には『水を飲むときには、その井戸を掘ってくれた人を忘れない』という言葉があります」「まもなく田中総理は中国に来られ、国交は正常化します。しかしその井戸を掘ったのは岡崎さん、あなたです」と言った。
こういう人誑しに周恩来は長けていた。
岡崎は「ヒトラーはユダヤ人に対して虐殺行為をした。それと同じく日本軍は中国大陸でやった。だから、我々は贖罪をしなければならない」と言って歩いた。
大高 中国政府に量産される〝反日謝罪男〟のメカニズムの一端が解明できて興味深いです!
髙山 その岡崎の背後にいたのが美土路だった。
そして、美土路の子分が広岡知男だ。
大高 やっぱり朝日(笑)。
広岡氏も「反日謝罪男」の1人です。
髙山 こういった前提で大高さんの本を読むと「そういうことか」と、より深く理解ができる。

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