朝日新聞は「発狂状態」だ――「社運を賭けた総力戦」と報道の二重基準
2017-7-31
日本国民のみならず世界中の人たちも購読すべき論文である。
朝日新聞は「発狂状態」だ
阿比留瑠比 産経新聞論説委員兼政治部編集委員
3段組み10ページに渡る論文からの続きである。
社運を賭けた総力戦
こうした朝日新聞の報道姿勢については、『気分は形而上』『天国ニョーボ』などの作品で知られ、鋭い時事問題へのコメントで注目されている漫画家の須賀原洋行氏が、五月十八日の時点で、自身のツイッターでこう呟いていた。
「朝日新聞の姿勢は気味が悪いの一言に尽きる。安倍政権にダメージを与えるためには、何の犯罪性もないことを様々な手段を駆使して『世の中が許せないこと』に仕立て上げる。結果的に、獣医師が増えることで既得権益が減ることを嫌う日本獣医師会とも共闘してしまう。本来は朝日の批判対象だろうに」
まさしく同感である。
文科省が法律ですらないただの「告示」で、半世紀以上も獣医学部新設を門前払いしてきたことは正しいのか。
獣医師会が政治家に多額の献金を行い、獣医学部新設を阻んできたことは、日本社会にとって良いことだったのか。
省庁の既得権益という岩盤に穴を開ける国家戦略特区の目的と意義をどう評価するのか……。
肝心の論点はほとんど無視され、ただただ、安倍政権は加計学園と関係が深いとの印象ばかりを流布し続ける。
安倍首相にすれば、危険で不気味なストーカーに、ずっとつきまとわれている気分だろう。
民進党を離党した長島昭久元防衛副大臣も、五月十九日付の自身のツイッターにこう書き込んでいた。
「一昨日暴露された加計学園をめぐる文科省の内部文書の真贋については予断をもって語ることはできませんが、昨日たまたま話した朝日新聞のある幹部の表情には、社運を賭けて安倍政権に対し総力戦を挑むような鬼気迫るものがありました」
結局、須賀原氏が指摘し、長島氏が明かしたとおり、何の犯罪性もないことを、朝日新聞が「社運を賭けて」「総力戦」で無理やり大きな問題であるかのようにでっち上げているのが実情ではないのか。
もちろん、それに追随する他の新聞やテレビのワイドショーも、同じく罪深いのは言うまでもない。
このまま具体的な証拠も明確なファクト(事実)も示さないまま、ただ「怪しい」「疑わしい」「疑念は晴れない」というばかりの報道が続けば、マスメディアはいよいよ信用を失っていくことだろう。
インターネットで少し情報を集めれば、新聞やテレビが分からないふりをしている真相に簡単に辿り着く。
現在のマスメディアの大半は、朝日新聞に引きずられて自殺行為に走っているように見える。
「行政が歪められた」?
そもそも首相の職務について規定する憲法第七十二条は、次のように定めている。
「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する」
つまり、当たり前のことだが、行政府の長である首相は、もともと行政機関を「指揮監督」するものなのである。
そして、官僚機構による「岩盤規制」改革の突破口として国家戦略特区を提案した日本経済再生本部の本部長は首相であり、国家戦略特区諮問会議の議長も首相である。
にもかかわらず、行政手続きに首相の意向が働いたとしたらけしからんだとか、「行政が歪められた」(前川喜平前文部科学事務次官)などとの批判が出ること自体、意味が分からないし、理解に苦しむ。
安倍首相自身は、三月初旬に周囲から加計学園問題について訊かれ、あっさりとこう述べていた。
「全然問題はない。自治体による学校法人への土地の無償提供なんて25例もあるしね」
自身が加計学園に何らかの便宜を図ったり、官僚に指示したりした覚えが全くなかったから、まさか理事長が長年の友人だったというだけで「疑惑」が作り上げられるとは思っていなかったのだろう。
安倍首相は、五月末頃には周囲にこうこぼしていた。
「私が文科省に指示するんだったら、役人じゃなく大臣に言うよ」「前川氏は次官だったんだから、内閣府の審議官にどう言われたとか言わずに、私に会いに来られるわけだから。『行政を歪めた』つて、歪めたのは獣医師会だろう」
もっともな話である。
もちろん、安倍首相と理事長の間に違法な金銭の授受などがあったとすれば話は別である。
だが、疑惑を追及する側の民進党の玉木雄一郎衆院議員も、テレビ番組で「違法性はない」と認めているのである。
「面従腹背の資質」?
朝日新聞のネタ元だとも言われる前川氏をめぐっては、読売新聞が五月二十二日付朝刊の社会面で「前川前次官 出会い系バー通い」「文科省在職中、平日夜」と報じたことも、朝日新聞をはじめ左派系メディアの安倍政権叩きに利用された。
首相官邸が、読売新聞に情報を流して記事を書かせたというストーリーが公然と囁かれ、安倍政権の危険性の傍証とされているのである。
筆者は、読売新聞がどういうルートで情報を入手し、どんな取材を経て記事にしたかは分からない。
ただ、読売新聞が知り得た情報をもとに「売春や援助交際の交渉の場になっている東京都新宿区歌舞伎町の出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことが関係者への取材でわかった。教育行政のトップとして不適切な行動」と書いたのは当然だと考える。
教育行政のトップが風俗店に通い詰め、女性を連れ出して小遣いを渡すというのは異常であり、ニュースバリューは十分にある。
まして、文科省の違法な天下り問題で引責辞任したあとに安倍政権批判を始めた「時の人」なのだから、なおさらである。
朝日新聞は、菅義偉官房長官が前川氏の天下り問題への対応を批判すると、「前川氏に対する激しい人格攻撃」(五月二十六日付社説)と反論したが、風俗店通いは一切問題視していない。
「私って、座右の銘が『面従腹背』なんですよ。役人の心得として面従腹背の技術、資質は持つ必要がある」
前川氏が、六月一日のテレビ朝日番組でこう言い放ったのには心底呆れた。
将来を担う児童・生徒らに学問の意義や道徳を学ばせる教育行政のトップが風俗店愛好者であるうえに、面と向かっては相手の意見に従いながら陰に回って不平や非難を言うことを旨とする、と主張している。
たしかに、現役次官時代は安倍首相にも官邸高官らにも異を唱えずに、数千万円の高額退職金をもらって辞めたあとに批判を開始するやり方は面従腹背を地で行っているが、テレビで得々としゃべるような話だろうか。
百歩譲って、官僚に面従腹背の技術がいるとして、「面従腹背の資質」とは何が言いたいのか。
資質とは持って生まれた天性のことだが、生まれつき面従腹背を身につけた官僚など信用できようはずもない。
『噂の真相』が一面トップ
前川氏は当初、風俗店通いの理由について「女子の貧困の実態調査」などと誰も信じない噴飯ものの言い訳をしていた。
七月十日の国会の閉会中審査でようやく、「調査は言い過ぎだった」と訂正したが、あほらしい限りである。
嘘つきでもあるということだろう。
にもかかわらず、朝日新聞は全く問題視せず、逆に前川氏の言うことならば何でも正しいかのように引用し、それを根拠に安倍政権を叩いている。
安倍首相にダメージを与えるためには、利用できるものは何でも利用するし、事の真贋は二の次なのだ。
朝日新聞は、前川氏の件はプライベートの女性問題であり、公器たる新聞が取り上げる話ではないし、菅氏らが記者会見で言及するのもいかがなものかと言うかもしれない。
だが、筆者はこうした態度を見ていて、平成十一年四月九日付の朝日新聞朝刊一面トップ記事を思い出した。
記事の見出しは、「東京高検 則定検事長に『女性問題』」だった。
一面トップで、個人的な女性問題を取り上げているのである。
しかも、記事の中身は朝日新聞自身が取材したものではなく、ゴシップ誌とされていた『噂の真相』に依拠したものだった。
記事にはこうある。
「『噂の真相』(五月号)によると、二十八歳のこの女性は、六年前に勤めていた東京・銀座の高級クラブで、当時法務省の官房長だった則定氏と知り合い、交際が始まった」
この記事を読んだ際に、「ああ、朝日新聞は新聞じゃないんだな」と強く感じたのを覚えている。
朝日新聞と則定氏にどんな確執があったのかは承知していないが、朝日新聞は気に入らない相手を貶めるためなら、自社で取材もせずに『噂の真相』の引用を一面トップに据えるのか、と空恐ろしくなった。
他紙で、「『噂の真相』によると」などと臆面もなく書いた記事は見たことがない。
いろいろと批判されている前述の読売新聞記事は、少なくとも自社できちんと取材しており、比較の対象にならないぐらいまともである。
大新聞としての矜持をかなぐり捨て、取材・報道のプロとしての意地もなく、恥も外聞もなく、ただただ敵と見定めた相手を倒そうとする朝日新聞の姿勢は、現在の闇雲な安倍政権叩きと通底している。
この稿続く。