米中貿易戦争は中国共産党政権最大の危機となる|改革派の不満と習近平政権の綱渡り

2019年7月15日発信。
産経新聞の記事をもとに、米中貿易戦争が中国共産党政権に与える深刻な影響を取り上げる。
トランプ政権の制裁関税、国有企業優遇、民間企業の不安、改革派経済学者の不満、そして習近平指導部の権力集中を通じて、中国がここ数十年で最大級の危機に直面していることを論じる。

2019-07-15
米国との対立のエスカレートは、中国にとってここ数十年で最大の危機となるだろう。
まだ顕著に表れてはいないが影響は相当大きなものになる。
以下は今日の産経新聞6ページに掲載された記からである。
見出し以外の文中強調は私。
中国、綱渡りの政権運営。
貿易戦争。
改革派から不満噴出。
【北京=西見由章】トランプ米政権の制裁関税攻勢に対し、中国の習近平指導部が一歩も引かない構えを見せているのは、圧力に屈する形での譲歩は習氏の政治的求心力を揺るがしかねないためだ。
一方で、貿易摩擦の深刻化を受けて改革派の経済学者からは現指導部への不満が噴出。
米国による「外圧」が国内の経済政策に路線対立を生みつつあり、習指導部は当面“綱渡り”の政権運営を強いられそうだ。
中国の国有企業による市場の独占・寡占や補助金などの優遇策を米側が問題視するのを尻目に、習指導部は国有企業の“肥大化”を推進してきた。
中国メディアによると、今年だけで既に上場企業約20社に国有資本が入るなど、民間企業を吸収合併する動きが強まっている。
「中国の私営企業は公有経済の発展を助ける任務を既に果たした。
徐々に退場すべきだ」。
金融のエキスパートを名乗る人物が今月、インターネットで発表した文書が瞬く間に拡散し、波紋を広げた。
党機関紙の人民日報は「国による民営経済発展への支持は一貫している」と火消しに走ったが、国内総生産(GDP)の6割超を占める民間企業の先行き不透明感が騒動の背景にある。
今月16日、北京の釣魚台迎賓館で著名経済学者らによる討論会の20周年イベントが開かれ、朱鎔基元首湘のブレーンを務めた呉敬燵氏ら改革派の重鎮が多数出席した。
一部メディアによると、習氏の腹心、劉鶴副首相も列席した中で、国有企業の優遇政策や経済自由化の停滞に対する批判が相次いだとされる。
習指導部は「改革開放の推進」を唱える一方、権力の引き締めも余儀なくされている。
北京の政治研究者は「米国との対立のエスカレートは、中国にとってここ数十年で最大の危機となるだろう。
まだ顕著に表れてはいないが影響は相当大きなものになる」と分析。
「(習指導部は)政治権力のさらなる集中と強化を図り、求心力を高めようとするだろう」と指摘した。
トランプ米大統領の側近だったバノン前首席戦略官は香港紙サウスチャイナ・モーニング・ボスト(22日付)の単独インタビューで、米国が貿易戦争に勝つと確信していると言及。
多数の中国高官が「あらゆる手段を尽くして自らの資金をサンフランシスコやロサンゼルス、マンハッタンの不動産購入に充てていた」と暴露し「自国経済に対する信頼の深刻な欠如」の表れと主張した。
(1面参照)

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