公娼=性奴隷なのか――慰安婦問題のすり替えと、現在進行形の朝鮮半島女性の性的被害
2019年8月6日発信。
前章に続き、月刊誌WiLL掲載の大高未貴による論考を紹介する。
中国東北部における脱北女性への人権侵害だけでなく、韓国国内の売春産業、キーセン観光、日本キリスト教婦人矯風会、挺対協、松井やより氏らの活動を取り上げ、売春問題が慰安婦問題へとすり替えられていった過程を検証する。
また、朝日新聞の慰安婦報道検証記事、吉田清治証言の取り消し、日韓合意後も海外で拡散され続けた慰安婦問題の歪曲報道を批判する。
2019-08-06
中国東北部における脱北女性への人権侵害のみならず、韓国国内でも強姦被害は日本の約40倍とも指摘され、韓国の女性家族部発表(最初はひた隠ししていたが、
以下は前章の続きである。
公娼=性奴隷?
中国東北部における脱北女性への人権侵害のみならず、韓国国内でも強姦被害は日本の約40倍とも指摘され、韓国の女性家族部発表(最初はひた隠ししていたが、『ハンギョレ21』がスクープ。
情報を開示した)によれば、2010年時点での売春産業の規模は最大8.71兆ウォン(約6,300億円)、実に韓国GDPの約5%を占めているという。
その6年前には盧武鉉政権が性売買特別法を制定したにもかかわらずだ。
「私たちから職業の自由の権利を奪うな!」と性風俗に従事している韓国人女性たちがデモした事例もあるが、風俗取り締りをしてもこれだけ盛んな産業だったのだから、2004年以前の状態は推して知るべしだ。
そもそも、慰安婦問題の原点は、韓国が外貨稼ぎのための国策として、自国の女性に売春を奨励していたキーセン観光に単を発する。
92年、ソウルで開催された第1回アジア連帯会議に参加し、挺対協や松井氏らと一緒に慰安婦問題の火付け役を担った日本キリスト教婦人矯風会の高橋喜久江氏は、こう述べている。
「“日本男性は経済的優越をかさにして、自らの欲望を満足させるために、韓国女性を性の奴隷としている”という韓国教会女性連合会のアピールが出されたのは1973年7月のことだった。
それから私たちの運動が始まったのである」(『売春問題に取り組む』明石書店)
また、高橋氏は「韓国は貿易収支の赤字を、さきにはベトナム特需―青年の生命―で補い、いまは若い女性の肉体であがなっているといわれる。
ベトナム特需は1億7千万ドル、観光収入は2億7千万ドルだから前者を上回る収入源である」と憤り、韓国教会女性連合会と連携して、羽田やソウルの空港で「キーセン観光反対」のビラまきなどを行っていたという。
その後、済州島で挺対協の初代代表尹貞玉氏と出会い、1990年12月、矯風会が尹貞玉氏を日本に招聘し、協力関係を構築している。
松井氏らが最初に事務所を置いていたのも矯風会だった。
活動家たちが売春から過去の慰安婦問題へと問題をすり替えるには、さほど時間を要さなかった。
売春であれば韓国・北朝鮮の国内問題でしかないが、慰安婦問題に転嫁すれば日本糾弾の外交カードとして利用できると踏んだのであろう。
2013年、前述したバウラックが開催した慰安婦に関するシンポジウムに参加したときのことだ。
中央大学の吉見義明教授がパネリストとして参加していたので、最後にこんな質問を投げかけてみた。
「吉見先生の理論で言えば公娼=性奴隷ということになります。
ならば現在日本で性産業に従事している韓国女性は6万人と言われていますが、彼女たちも気の毒な性奴隷なのでバウラックの方で救済活動などもしていただけないでしょうか?」
すると、吉見教授は「大きな問題ですので余力があれば……」と消えるような声で答えた。
この質問に会場はざわめき、失笑する人もいたが、私は本気だった。
檀上で慰安婦問題を現在の価値観で裁こうとするパネラーたちに“七十年前の出来事で、多くの当事者(日本人と慰安婦)が鬼籍に入ってしまって真相究明が難しい事例より、現在進行形で脅かされている朝鮮半島の女性達の性的被害の解決に向けて議論すべきでしょう。
あなたたちの活動は結果、目の前の悲劇を隠蔽することにつながりやしないか”と問い
かけたかったからだ。
翌2014年8月5日、朝日新聞は「慰安婦問題の本質 直視を」「慰安婦問題どう伝えたか 読者の疑問に答えます」と題する検証記事を掲載した。
80年代から朝日で執拗に報道されてきた記事について、各界から疑問や批判がわき起こり、ついに白旗を掲げざるを得なくなったのだ。
とはいえ、吉田清治氏の虚偽証言のみを取り消しただけの検証記事は、慰安婦とはまったく関係のない、ボスニア紛争の強姦事件まで持ち出し、慰安婦問題の焦点を「強制連行」から「女性の人権」にすり替えただけの口クでもない内容だった。
案の定、朝日新聞の謝罪報道から2年たっても、慰安婦問題は海外では解決どころか、さらなる悪化の一途を辿っていた。
つい先日、再三にわたる日本の忠告も無視して一方的に解散された慰安婦財団設立のきっかけをつくった2015年の日韓合意締結後も、アメリカでは在米韓国人、中国系の活動家らによって反日ロビー活動に拍車がかかり、史実にそぐわない慰安婦問題の記述がカリフォルニア州の高校教科書に掲載される動きも加速している。
日韓合意を受けて世界で報道された内容も一部紹介したい。
「いわゆる慰安婦制度は、計画的に組織された何十万という若いアジア女性の性奴隷化である。
最初は通常の売春だったものが、女性の性搾取を目的とした巨大な産業に成長した。
ホロコーストに匹敵する強姦、人身売買、監禁、拷問のシステムであった」(米「Counterpunch」2015年12月31日)
「1日に40人の男とセックスさせられた。
ついに日本がおぞましい慰安婦制度について謝罪した。
生存者のチョン・オクサン氏は、朝鮮半島北部のハンヨン県の自宅から警官によって誘拐された時、まだ13歳だった。
多くの被害者は14歳から18だったが、その理由は軍が処女を欲していたからだ。
誘拐に抵抗した家族は殺されたケースがあった」(英「The sun」2015年12月30日)
この稿続く。