フェミニスト団体が運営する国際NGO――沖縄基地問題を「少数民族対国家権力」に単純化する危うさ
2019年9月17日発信。
婦人国際平和自由連盟(Women’s International League for Peace and Freedom)と秋林こずえ教授の活動を取り上げ、国連ジュネーヴ本部でのロビー活動、国連人権理事会や国連軍縮会議への関与、沖縄基地問題への主張を論じる。
フェミニスト平和論、SEALDs、辺野古基地反対運動、沖縄をめぐる「少数民族対国家権力」という単純化の問題を批判的に検証する。
2019-09-17
専従の事務局長と専従のスタッフが運営を管理し、国連ジュネーヴ本部でのロビー活動を行い、主に国連人権理事会や国連軍縮会議を監視。
以下は前章の続きである。
フェミニスト団体が運営
「Women‘s International League for Peace and Freedom」(婦人国際平和自由連盟)というアメリカの団体は、その日本支部のホームページによると、1915年(大正4年)、第一次世界大戦の最中に、武器のない平和な世界を希求する欧米諸国の女性たちが中立国のオランダ・ハーグに集まり結成した世界で最初の女性の平和団体で、1946年にはすでにノーベル平和賞を受賞しており、スイスのジュネーヴに国際本部を置く。
専従の事務局長と専従のスタッフが運営を管理し、国連ジュネーヴ本部でのロビー活動を行い、主に国連人権理事会や国連軍縮会議を監視する本格的なNGOである。
この団体のビジョンは「全ての人への平等と正義、そして、暴力と軍事衝突のない世界」を目指すこととあるが、団体が唱える「変革理論(Theory of Change)」というダイアグラムを見ると、最終ゴールは「フェミニストの平和(Feminist Peace)になっている。
このことから、実態はフェミニスト団体であることが推察できる。
そして、この団体の国際会長に、2015年から日本女性が選ばれている。
同志社大学の秋林こずえ教授だ。
私はネット上に投稿されている、2016年9月に米国アメリカン大学で開催された秋林教授の講演を聴いた。
「19世紀まで独立王国だった沖縄は、近代化された日本に併合された。
少数民族ゆえに政治力がないため、米軍基地が集中している」
「危険な普天間基地は米国では安全基準を満たせず、許可されえない。
滑走路と学校が隣接している。
だから事故が発生する」
「政府は1996年に普天間基地を5~7年以内に移設することを発表したが、2016年のいまも実現していない」
秋林教授は2015年11月13日に、神戸市中央区のJR元町駅前でSEALDs KANSAIが開催した「辺野古新基地建設に反対する全国一斉緊急行動」にも参加している。
誰でも、基地なぞなくて済めばそれに越したことはないと思う。
しかし、莫大なコストをかけて基地が沖縄に存在しているのにはもちろん相応の理由がある。
それは考えず、また、不法行為で基地の移転を妨害している極左活動家の批判はせずに、弱者の少数民族対横暴な国家権力という構造に単純化してしまう。
隣国の覇権主義の脅威も思考の範囲に入らない。
北朝鮮を非難せずに日本政府を非難するのと同じ構図がここにもある。
まさに、SEALDsのメンタリティだということだ。