中国政府は初期段階で何を隠したのか――検体廃棄命令と「人から人」感染の虚偽報告
武漢で原因不明の肺炎が公表される前、民間機関はSARSに似た新型コロナウイルスを検出していた。だが中国政府は検体の廃棄または指定機関への送付を命じ、検査結果の独自公表を禁じた。さらに医療従事者の感染も虚偽報告され、「人から人」感染の警告が遅れた実態を伝える。
2020-03-02
中国政府は初期段階で何を隠したのか――検体廃棄命令と「人から人」感染の虚偽報告
以下は二月二十八日に産経新聞に掲載された記事からである。
中国、発生初期に隠蔽。
「人から人」感染も虚偽報告。
地元誌報道。
【北京=西見由章】
中国メディアは二十八日までに、湖北省武漢市当局が「原因不明の肺炎」の発生を公表した昨年末より前に、武漢の病院から検体の提供を受けた民間機関が、「重症急性呼吸器症候群、すなわちSARSに似た新型コロナウイルス」を検出していたと報じた。
中国政府は、関係機関に調査結果などを公表しないよう通知を出した。
中国誌「財新」電子版によると、広東省広州の遺伝子研究機関が十二月下旬に武漢の患者から採取した検体の遺伝子情報を解析したところ、SARSに似たウイルスを検出した。
同二十七日に政府系機関の中国医学科学院にデータを提供した。
他の複数の民間・公的機関も、一月二日ごろまでに解析を終えたという。
しかし中国政府は一月三日、検体を調査した各機関に対し、すぐに廃棄するか、指定機関に送るよう通知した。
検査結果は「特殊な公共資源」だとして、独自公表を禁止したのである。
当局は九日になってようやく、「専門家チームが新型コロナウイルスを七日夜までに検出した」と発表した。
一方、「財経」電子版によると、一月八日から武漢に派遣された専門家チームの一人が、「当時、各病院は調査に対して医療従事者の感染者はいないと虚偽報告した」と証言した。
このため、「人から人」感染の発生を警告することができなかったという。
その後、中国政府の専門家グループトップが「人から人」感染を認めたのは、一月二十日だった。
この記事が示していることは、あまりにも重大である。
武漢で原因不明の肺炎が公表される前に、既にSARSに似た新型ウイルスが検出されていた。
複数の機関が解析を終えていた。
にもかかわらず、中国政府は、それを世界に知らせるどころか、検体を廃棄するか指定機関に送れ、と命じたのである。
検査結果は「特殊な公共資源」だとして、独自公表を禁じたのである。
これを隠蔽と言わずして、何と言うのか。
さらに、医療従事者の感染者はいないと虚偽報告されたため、「人から人」感染の警告が遅れた。
中国政府の専門家グループトップが、それを認めたのは一月二十日である。
その間に何が起きたか。
ウイルスは武漢から中国全土へ、そして世界へと広がっていったのである。
これは単なる初動の遅れではない。
国家による情報統制と隠蔽が、世界規模の災厄を招いたという問題である。
朝日新聞やNHK等の日本メディアは、この事実をこそ徹底的に報じなければならない。
中国政府が何を知り、いつ知り、何を隠し、何を公表させなかったのか。
その一点こそが、今回の新型肺炎問題の核心である。
にもかかわらず、日本国内では、相も変わらず安倍政権批判に矮小化する報道が横行している。
日本の検査体制がどうの、韓国の検査体制が進んでいるだのと、底の浅い議論に国民を誘導している。
だが、世界が問うべきは、そこではない。
発生源である中国が、初期段階で何を隠したのか。
その隠蔽によって、どれほど多くの人命と経済が失われたのか。
その責任を、誰が、どのように取るのか。
これこそが問われなければならないのである。
中国政府は一月三日、検体を調査した各機関に対し、すぐに廃棄するか指定機関に送るよう通知した。
検査結果は「特殊な公共資源」だとして、独自公表を禁止した。
この一文に、今回の問題の本質が凝縮されている。
情報を公共資源だと言いながら、実際には国民にも世界にも知らせない。
国家が情報を独占し、都合の悪い真実を封じ込める。
その結果、世界中の人々が被害を受ける。
これこそが、中国共産党独裁体制の本質なのである。