村上春樹の南京40万人記述は、国際情報戦の中で看過できないものだった
2017年6月28日の「世界中の人たちにとっても同様なのだが、彼等には、私が伝える。」では、私は、村上春樹の南京事件記述を、朝日新聞的反日言論、中国側プロパガンダ、そして国際的な情報戦の文脈の中で論じていた。
月刊誌『WiLL』に掲載された高山正之氏とケント・ギルバート氏の対談では、朝日新聞、NHK、慰安婦問題、いわゆる「女性国際戦犯法廷」、そして中国側の反日研究者の問題が取り上げられていた。
その中で、旧日本軍の慰安婦について「41万人」説を唱えた中国側研究者の存在にも言及されていた。
私はそこで、村上春樹が『騎士団長殺し』において南京事件の死者数として「40万人」という数字に触れたことを、この中国側プロパガンダの文脈と重ねて見ていた。
もちろん、小説中の登場人物の台詞であるという逃げ道はある。
しかし、世界的な知名度を持つ日本人作家が、そのような数字を作品中に置けば、中国側がそれを政治的に利用する可能性は十分にある。
実際に、中国側メディアや関連機関が村上春樹の姿勢を評価するような反応を示したことも、当時報じられていた。
私が問題にしたのは、村上春樹の文学的表現そのものだけではない。
世界的影響力を持つ日本人作家が、日本の近現代史について不正確な、あるいは極めて危険な数字を作品の中に流通させることの重大性である。
私は、彼がどこで何をしているのかを日本国民がほとんど知らないまま、世界的作家として持ち上げられていることにも、強い違和感を抱いていた。
世界中の高級リゾートやホテルに滞在して作品を書くというその在り方についても、私は奇異に感じていた。
その違和感は、南京事件40万人記述をめぐる騒動によって、単なる印象ではなく、国際情報戦の観点から考えるべき問題として浮かび上がった。
私はこの時点で、村上春樹という存在が、中国や韓国による反日プロパガンダに、結果として利用され得る危険を強く警戒していたのである。
その警戒は、決して荒唐無稽なものではなかった。
南京問題、慰安婦問題、朝日新聞、NHK、中国側研究者、国連・ユネスコ、そして村上春樹のような世界的知名度を持つ作家。
これらは、戦後日本の言論空間と国際的反日宣伝を考える上で、別々の問題ではなかった。
私は2017年6月の時点で、その構造を世界中の人々に伝える必要があると考えていたのである。
2011年
村上春樹評価をめぐる知性の欠如を批判。
2014年
「安酒」発言と朝日新聞的偽善を批判。
2016年1月
大江健三郎、村上春樹、内田樹らを、戦後日本の似非モラリストとして批判。
2016年11月
南京問題、ユネスコ、国連、朝日新聞、大江健三郎、村上春樹を、反日プロパガンダと似非モラリズムの構造として批判。
2017年3月
『騎士団長殺し』の南京事件40万人記述を批判。
2017年4月
加地伸行氏の講和条約論、日本の対中・対韓支援、永久謝罪論の虚偽を、世界向けに注釈。
2017年6月
南京40万人説、朝日新聞・NHK的反日言論、中国側プロパガンダ、情報戦の文脈で、村上春樹の危険性を批判。
こうして見れば、私の村上春樹批判は、単なる文学上の好き嫌いではなかったことが分かる。
それは、最初から、日本の文芸評価における知性の欠如を問うものだった。
やがてそれは、朝日新聞的偽善、戦後日本の似非モラリズム、南京問題、国連とユネスコの政治性、中国と韓国による反日プロパガンダ、そして情報戦の問題へと進んでいった。
村上春樹という存在は、そのすべてが交差する場所に立っていた。
だから私は、彼を批判してきたのである。
村上春樹一人を論じていたのではない。
村上春樹を通して、戦後日本の言論空間、文芸空間、歴史認識、そして文明の停滞を論じていたのである。