朝日の悪辣な意図――拉致問題を覆った慰安婦報道とCPI型対日プロパガンダ
高山正之氏と大高未貴氏が、北朝鮮による日本人拉致問題が顕在化した時期に、朝日新聞が吉田清治、植村隆、吉見義明らによる慰安婦報道を再燃させ、拉致問題を後景に追いやったと論じる対談。
モリ・カケ問題、「桜を見る会」、米国の広報委員会CPI、南京問題までを結び、政治目的を持った宣伝戦と日本の新聞の役割を問う。
2020-08-05
本稿について
本稿は、北朝鮮による日本人拉致問題が明らかになり始めた時期に、朝日新聞が慰安婦問題や堤岩里教会事件を再び大きく取り上げた意図について、高山正之氏と大高未貴氏が論じた対談である。
対談では、金賢姫の自白によって田口八重子さんや横田めぐみさんの名前が明らかになった後、吉田清治、植村隆、吉見義明らをめぐる慰安婦報道が再燃し、拉致問題が後方に追いやられていったと論じられている。
さらに、北朝鮮の核実験やミサイル発射、中国発の武漢ウイルス問題、日本の安全保障上の重大局面において、朝日新聞がモリ・カケ問題や「桜を見る会」を集中的に報道したことが批判されている。
後半では、米国の第一次世界大戦参戦を支えた広報委員会CPIの宣伝工作、その上海における活動、エドガー・スノー、マーサ・ゲルホーン、パール・バック、蔣介石、南京問題をめぐる対日宣伝戦へと議論が及ぶ。
以下、2020年8月5日に発信した本文を、原文の主張と対談形式に忠実に掲載する。
朝日の悪辣な意図
髙山 やっぱり「私がラス・カサスです」という日本人が、たくさんいるんだね(笑)。
しかも各界に存在している。
特に朝日は完全に中国・朝鮮の犬となり果てている。
1987年、大韓航空機爆破事件があった。
実行犯の一人、金賢姫をバーレーン大使館の職員が捕まえたものの、即座に韓国に引き渡してしまった。
金賢姫が自白する中で、田口八重子さんや横田めぐみさんの名前が出てきた。
大高 北朝鮮による拉致の実態が顕在化しました。
髙山 騒ぎが広がる中、90年代に入って朝日が何をしたかというと、植村隆による慰安婦問題を持ち出した。
吉田清治を復活させ、吉見義明の軍の関与説を引っ張り出し、その間に堤岩里教会事件まで取り上げた。
こうした反日的な記事の連打で、拉致問題がいつの間にか後方に追いやられてしまった。
大高 松井やより氏と本多勝一氏はいみじくも「かつて日本は東アジアで20万人の女性を強制連行したのだから、拉致問題のことは言えないでしょう」と、同じような趣旨の発言をしています。
慰安婦強制連行をデッチ上げて、拉致問題と相対化する目論見は、当時の左翼雑誌に顕著に見られます。
たとえば「米下院『従軍慰安婦』決議とアジア連帯会議とのつながり」と題された記事に、「日本が拉致被害者と家族たちの解決だけを叫べば叫ぶほど、更に世界各国から『従軍慰安婦』たちの声を真剣に聞き、謝罪と補償を求める要求が高まってくるだろうことは、理の当然だ」(『マスコミ市民』2007年7月号)とあります。
髙山 意図的な工作だね。
当時、朝日のトップは中江利忠で、彼が拉致問題を潰す意図で、吉田清治の慰安婦強制連行のスピンオフものを持ち出させた。
2014年、朝日は吉田清治に関する記事を謝罪・訂正したけど、すでに退陣していた中江は詫びの言葉を述べている。
内心、よほど忸怩たるものがあったんだろう。
80年代初め、吉田清治のウソ記事を出して、10年後の90年代に入って再び取り上げたのはなぜか。
大高 堤岩里教会事件だって、もともとは70年代に報じられていたのに、なぜか91年、朝日は再び取り上げています。
髙山 その前後で植村の記事がある。
朝日は確信犯的に政治的に動いて、宮澤喜一という愚かな首相を取り込んで、拉致事件を葬り去ろうとした。
そして、拉致疑惑が言えないよう、近隣諸国条項をつくらせた。
近隣諸国条項とは、日本国の教科用図書検定基準に定められている「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という規定のことだ。
もはや朝日はエージェントだと言える。
韓国・北朝鮮のみならず、中国にも通じていて、この3国の都合の悪い情報が流れると、必ず打ち消す記事を出してくる。
北朝鮮が核実験やミサイル発射を始めたとき、朝日はモリ・カケ問題を持ち出し、2年にわたって大騒ぎした。
核を持った北朝鮮と韓国が緩い連邦政府をつくったら、日本は踏ん張ることが難しくなる。
安全保障問題が発生して、すわ大事という局面でありながら、朝日はモリ・カケ問題一色にした。
大高 タイミングが良すぎますよ。
髙山 さらに今回の武漢ウイルス問題でも、中国人をシャットアウトして、中国依存の経済体制から脱するべき時に、朝日は「桜を見る会」を盛んに報じた。
大高 昭恵夫人の花見疑惑なんかより、もっと大事なニュースがたくさんあった。
髙山 安倍政権のもと、日本国民が一致団結すべきときに、近畿財務局の役人の遺書が出てきて、これまたモリ・カケ問題を再燃させようとしている。
彼が自殺した原因は、盛んに書き立てた朝日新聞などマスコミのせいだろう。
大高 朝日は、とにかく乱射すればいいという感じです。
不発に終わることが多いですが……。
髙山 アメリカは1917年、第一次世界大戦に参戦する理由として、ドイツのUボートに沈められたルシタニア号沈没事件(1915年)を持ち出した。
でも、それは2年前の話だ(笑)。
このときは、米国政府の広報委員会(CPI)とジャーナリズムが一体となって、参戦を正当化するために世論操作した。
CPIの当初の目的は、第一次世界大戦にアメリカも参戦すべきだと、新聞・雑誌を使ってプロパガンダ工作をするためだった。
ムードを盛り上げて、アメリカは参戦し、ドイツに勝利する。
大高 CPIはそこで役目が終わったのですが、あえて潰さず、上海委員会をつくります。
そこを中心に、『中国の赤い星』を書いたエドガー・スノーや、『老人と海』のヘミングウェイの3番目の妻、マーサ・ゲルホーンもCPIに参加し、蔣介石を持ち上げ、日本を叩こうとした。
『大地』を書いたパール・バックにノーベル文学賞を与えたのも、すべてCPIの指揮だったとか。
髙山 そういう反日の波の頂点で、第二次上海事変、つまり日中戦争を蔣介石にやらせた。
その1937年から3年間、全米で日本と中国の好感度調査を行っている。
中国に対してはパール・バックの本もある。
常に好感度が70%以上。
ところが日本は1%(笑)。
日本側が蔣介石軍を何とかやっつけると、今度はドイツが出てきて、日本は蔣介石と休戦協定を結べと言い出す。
日本は、そういう欧米諸国の日本叩きの意図を察していたから、トラウトマン工作は蹴って南京を攻めた。
CPIがそこで動いて、南京大虐殺をつくらせた。
南京大虐殺はシカゴ・トリビューンが最初に流し、マギーやベイツら宣教師が、神を畏れぬ大虐殺目撃のウソをかたっていく。
コミンテルンなどの出る幕がないほど、米国は狡猾だった。
大高 中国の宣伝機関も、CPIに倣っているところが大きいかもしれません。
髙山 日本の新聞はそういうところをもっと勉強しなければいけないのに、むしろCPIに率先協力する。
まるで反日国家への奉仕団みたいに見える。