高山正之氏「日本警世」が問う朝日新聞の「原爆6千発分」論説――植民地統治、韓国の技術史、軽水炉とプルトニウムをめぐって
高山正之氏の「日本警世」を紹介する。欧米植民地と日本統治下の朝鮮の比較、韓国の技術史と重大事故、北朝鮮の黒鉛減速炉、軽水炉、核燃料サイクルを論じ、朝日新聞が報じた「原爆6千発分のプルトニウム」という表現を厳しく批判する。
2020年8月14日。
以下は、月刊誌『THEMIS』に掲載された、高山正之氏の連載コラム「日本警世」からの引用である。
題名は「『原発6千発分』と煽る朝日新聞論説主幹の嘘、反原発の活動家と同じで知性もなく日本の悪口を書く」。
本稿で高山氏は、欧米の植民地統治と日本統治下の朝鮮を対比しながら、技術移転、韓国における重大事故、原子力技術、北朝鮮の黒鉛減速炉、軽水炉、核燃料サイクル、そして朝日新聞が報じた「原爆6千発分のプルトニウム」という表現へと論を進めている。
民族や個人に対する極めて厳しい表現を含むが、以下では高山氏自身の論旨と表現を資料として原文に忠実に収録する。
引用
以下は、月刊誌テ―ミス今月号に、「原発6千発分」と煽る朝日新聞論説主幹の嘘、反原発の活動家と同じで知性もなく日本の悪口を書く、と題して、掲載された高山正之の連載コラム「日本警世」からである。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである。
この論文も日本国民全員のみならず世界中の人たちが必読である。
日帝支配で成長した南北朝鮮
松本厚治著『韓国反日主義の起源』は日本や朝鮮だけでなく、欧米の研究者の文献も渉猟引用して、実に興味深い。
例えば欧米の植民地についてのプリンストン大のA・コーリ教授の考察だ。
「植民地とは支配国が経済的利益を得るために構築した体制であって、だから収奪産品を運ぶ鉄道や港湾と、白人の生活環境は十分に整備される」
実際、仏印のダラト、マレーのフレーサーヒルなどを訪ねると冷涼な高原にテニスコートなどを備えた白人の美しい街が作られている。
下界の蒸し暑さと汚穢の臭さが嘘みたいな別天地だった。
対して下界の原住民の生活環境はまず一切改善されない。
むしろ原住民が「白分たちで技術を得て、工業化を試みれば例外なく阻止された」同)
この部分は鉄道事故の多いパキスタンに技術指導に行った国鉄の京谷好泰の話を思い出させる。
京谷はJRのリニア新幹線の生みの親として知られる。
彼は白い手袋でふんぞり返るインテリ幹部に「進んで油まみれになってこそ事故を減らせる」ことを教え込んだ。
ラホールの操車場の一隅には教え子が建てた京谷の胸像が今も残る。
そんな教え子の一人が祖父の話を京谷に語った。
研究熱心な祖父は仲間と一緒に英国製の機関車を整備する傍ら、仕組みを研究し、10年かかって本物の5分のIサイズの機関車を作りあげた。
それを英国人の前で走らせると、彼らは「よくやった」と褒めるどころか顔をしかめ、やがてそれに関わった技術者すべてを別件の罪名で処刑した。
「植民地の民が白人の技術や知恵を身につけることは大罪だった」
「植民地人は愚鈍でいることを強いられた]と。
松本氏のいう「例外なく阻止された」とはそういう非道を指している。
その意味で南北朝鮮人は彼らのいう日帝支配の間、支配国から十分な知識と技術指導を受けることができた。
いい加減で技術と縁遠い民族
「かつて欧米植民地だった国で当時の朝鮮並みの水準に達した国は今なお存在しないのではないか」というコーリ教授の言葉を文在寅も噛みしめるといい。
しかし民族性なのか、そんな恵まれた環境にありながら朝鮮人はパキスタン人ほどの研究熱心さを持っていなかった。
日本人は建築技術も熱心に教えた。
日本人はみな京谷好泰だった。
しかし、94年10月、韓国人の教え子がソウルの漢江に架けた聖水大橋の中央部が橋桁ごと崩落した。
バスや乗用車が30㍍下の川に落ちて32人が死んだ。
それから半年後にはソウルに建てた百貨店「三豊」が崩壊し、502人が死んだ。
室町時代、李氏朝鮮の世宗が通信使を送ってきて揚水用水車をどう作るか教えを乞うてきた。
彼らは国に戻って作ってみたが、汲み上げる水がみな漏れてしまう。
木と木を隙間なく組む緻密さがない。
彼らはもう2回、木組みを教わりにきたが水車はついに完成しなかった。
彼らのいい加減さは室町から今に至るまで何の進歩もなかったことがソウルの二つの事故で証明された。
凡そ技術には縁遠い民族なのだろう。
もっとも彼らは「日帝支配は技術も奪った」と嘘を吐く。
そんな国が水車より難しく込み入った発電用原子炉を作るといい出した。
こちらは地理的に風下に位置する。
できればやめてほしいと思った。
彼らも彼らで自力ではまともに作れないことは認識していたようだ。
で、韓国はスウェーデン系のABBとの合弁で、聖水大橋が落ちたころ、加圧水型軽水炉を完成させた。
それがかなり安全と思っていいのは加圧水型の老舗ウェスティングハウス(WH)から知財ドロで訴えられたからだ。
中身はWHとほぼそっくり同じということだ。
根本清樹は文在寅と似ている
一方、北朝鮮も自力は無理と知っていて、ソ連から5kwの実験炉を作って貰った。
ただこれが黒鉛減速炉だった。
これは発電用というより核兵器用プルトニウム(Pu)239の製造炉として知られている。
長崎原爆もハンフォードの同型炉から作られている。
案の定、北朝鮮はそれで核兵器を作り始めたから世界は困った。
米日が協議し、黒鉛炉を止めさせ、代わりに韓国製の軽水炉を2基を作ってやることにした。
いわゆるKEDOだ。
何で軽水炉かというと、その使用済み燃料にもプルトニウムは含まれるが、核爆発連鎖を起こさない240が多い。
239だけを分離するのは至難の業だ。
つまり軽水炉からは核兵器は作れないのだ。
もし作れるなら北朝鮮に2基の軽水炉を呉れてやるわけもない。
しかし世間には質の悪い者もいる。
例えば朝日新聞論説主幹の根本清樹だ。
彼は反原発屋だ。
おまけに反原発の活動家と同じで知性もない。
だからエネルギー資源のない日本には欠かせない核燃料サイクルを憎む。
憎んで社説に「理のない国策と決別を」(5月14日)を書いた。
中で「いま日本のプルトニウムは6千発の原爆に相当する46㌧にのぼる」とある。
国内の原発の使用済み燃料から再び原発で燃やすために再処理されたプルトニウムのことだ。
ただ国内原発はみな軽水炉だ。
つまり核兵器はできない。
丸ごと嘘だ。
前後して「再処理工場必要なのか」という1㌻の大型記事が小坪遊記者の署名で載ったが、そこでも「原爆6千発分のプルトニウム」とある。
その1週間後、原子力規制委が六ヶ所村の再処理工場にGOを出したことについて科学部川田俊男記者が「核兵器に転用できるプルトニウム6千発分」と書く。
記者はみな自分が嘘を書かされているのを知っている。
多分、根本から「嫌なら交代記者はいくらでもいる」と脅されたのだろう。
嘘を恐れない。
根本は「日本のせいで我が国の技術発展が阻害されたスミダ」という文在寅とよく似ていないか。