「ジャパノホビア」政策を打ち破れ――ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムとマッカーサー証言
2017-6-18
月刊誌、特集号Will7月号増刊歴史通、まるごと一冊永久保存版(1,000円)は日本国民全員が書店に向かい購読すべき書物である。
渡部昇一という私の故郷の隣県である山形県が生んだ、故・梅棹忠夫に並ぶ、本物の学者の論文が満載されているのである。
世界中の人たちにとっても同様なのだが、それについては、私が出来るだけ伝える事にする
以下は前章の続きである。
見出し以外の文中強調は私。
ジャパノホビア政策
若狭氏の言葉を使えば「ヒスパノホビア(スペイン嫌い)」という言葉があるそうですが、これがスペイン人の気力をなくしたそうです。
これに倣えば、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムは世界中に、そして日本人の中にも「ジャパノホビア(日本嫌い)」を作る政策であり、実際にいまそれが成功しているのではないかという恐れがあります。
その影響が一番出てはいけないところに出てしまっている例を挙げておきます。
外務省です。
日本人に知らせなければならないことを、外務省は知らせていません。
日本はイギリスと戦争をしたくてしたのではなく、イギリスが中立国の範囲を超えてシナ事変でビルマ・ルートまで作って蒋介石を援助したために、戦争をすることになった。
そのイギリスは日本と戦争をしたおかげで、イギリス海軍が日本海軍に手も足も出ないことを証明してしまったので、すっかり威信を失って全ての植民地を失うことになりました。
ですからイギリスが日本を恨むのはわかりますが、本来ならば自国のやったことが悪かったと言うべきでしょう。
しかしサンフランシスコ講和条約の時、日本がドイツと共に侵略戦争を行い、戦争責任があることを平和条約の前文に書くべきだと主張したのがイギリスでした。
しかも、日本国内の右翼団体は取り締まって連合国に協力した日本人への迫害は禁止する、つまりスパイ活動を行った者も告発してはならないということ、沖縄の主権も放棄させるとか、こういった恨みがましいことを盛り込もうとしました。
さらには、平和条約には日本の国会の批准を必要としないとまで決定しようとしたのです。
このイギリスの案をアメリカから見せてもらった吉田茂首相は、「こんな平和条約があるか。平和条約は勝者が敗者に何でも押しつけるものではない」と突っぱねて、いまの形になりました。
これは吉田茂の大きな功績の一つです。
それでもA級戦犯への判決続行を日本に約束させた第十一条が残ったのは、イギリスの主張を入れたからだそうです。
どういうことか、日本外務省はこういう経緯を秘密裏に扱っています。
外務省はイギリスと仲良く付き合いたいために、イギリスの反感を買いたくないのでしょう。
戦後の外務省は骨のある人が出世できない構図になっていることも要因の一つです。
見出し以外の文中強調は私。
マッカーサー証言を知れ
外務省は真珠湾攻撃の宣戦布告が遅れたことは、決して日本の意図ではなく、出先の外務省員が弛んでいたためだということも隠していました。
さらによくないのは、隠すだけではなく十一条を読み替えて、「A級戦犯個人個人への判決を受諾」を「日本国に対する裁判を受諾」とはじめて国会答弁したのも外務省の小和田恆氏でした。
その後、小和田恆氏は順調に出世をして、このたび、国際司法裁判所のトップに立ちました。
これは日本に有利なことを言わなかったからだと言ったらカングリでしょうか。
おそらく、外務省の中ではウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムに沿った歴史観以外を持つと、出世に差し障る雰囲気、慣習があるのではないかとさえ、推測したくなります。
このままいくと、大国スペインに急に気力がなくなったように、日本もなりかけているのではないかという恐れがある。
最近、私がぞっとしたのは、私の娘がジュネーブで日本人学校の教師をしているのですが、日本で教育を受けた子どもたちの作文の中に、「原爆を落とされたのは日本の自業自得だ」という内容のものがあったといいうことです。
ここまでいけば、ウォー・ギルド・インフォメーション・プログラムは万々歳の成功です。
また、現職の防衛大臣であった石破茂氏がウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムそっくりそのままの発言をしていることも一つの成功例でしょう。
彼の恐るべき発言は(「WILL」)○八年六月号を御参考ください。
ジャパノホビア的な発言をすれば、防衛大臣の地位も安泰で、次の内閣では農水大臣になれるという日本の凶々しい出世構造に注目してください。
我々は断固としてこれを成功させてはならない。
改めて壊さなければなりません。
ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムに背いたことを言っただけで、自衛官が即日クビになるような政府、官邸は明らかにおかしい。
彼らを遠慮無く攻撃し続けて、彼らの言論を、言論をもって打ち負かさなければならないのです。
外国から見ても「日本が侵略的な国でなかった」というほうが安心できるはずです。
東條被告は東京裁判の宣誓供述書の中で、「日本の行為はすべて受け身的であった」という主旨の主張をしています。
これは彼の思い込みではなく、彼が処刑されてから三年経つか経たないうちに、彼を処刑した東京裁判の法源であったマッカーサー自身が、アメリカ上院の公式の場で、「日本が戦争に突入したのは主として自衛のためだった」と証言し、その理由として東條被告の主張と同じ主旨のことを述べているのです。
このことを日本政府のすべての方に知ってほしいと思います。
特に外務省、防衛省の方々には。
(『WILL』二〇〇九年四月号初出)