五輪と政治利用の罠—首相出席論を斬る産経抄—

平昌五輪をめぐる南北合同チーム構想と政治利用の問題を論じ、安倍首相の開会式出席論を批判。
北朝鮮の核戦略と国際政治の現実を踏まえた論考を紹介する。

安倍晋三首相に五輪開会式への出席を求める声が、与党内からも出ている。論外である。
2018-01-22
以下は1/19の産経新聞1面の産経抄からである。
これぞ正論であろう。
4年前に台湾で大ヒットした野球映画「KANO」は、実話が基になっている。
日本統治下時代の台湾では代表チームが、日本で行われる全国大会に参加していた。
といっても、出場する選手はほとんどが日本人である。
昭和6年に台湾代表として甲子園の中等学校野球大会に初出場した、嘉義農林は違った。
日本人、台湾人、台湾先住民からなる混成チームである。
「意思の疎通ができるのか」。
日本の記者から揶揄されながらも快進撃を続け、準優勝に輝いた。
来月開幕する平昌冬季五輪をめぐって、韓国と北朝鮮は、アイスホッケー女子で合同、つまり混成チームの結成で合意した。
韓国の文在寅大統領は、「歴史の名場面になる」と選手に協力を求めている。
もっとも、付け焼き刃の混成チームが五輪で活躍できるわけがない。
世界ランキングで韓国は22位、北朝鮮は25位である。
「もともとメダル圏内にあるわけではない」。
李洛淵首相の身も獣もない発言は、世論の猛反発を受けた。
出場機会を奪われる韓国選手への同情の声もある。
開会式では、「統一旗」を先頭に両国が合同入場行進も行うという。
「五輪に政治を持ち込むな」などと、建前論を主張するつもりはない。
北朝鮮が非核化に前向きの姿勢を示すならば、五輪参加に意義を認めよう。
その可能性はゼロである。
核開発の時間稼ぎと、米韓同盟にくさびを打ち込む、北朝鮮の策略に利用されるだけ。
韓国の親北勢力は納得の上だろう。
慰安婦問題の合意についての、韓国への失望だけではない。
茶番劇になりかねない平和の祭典に首相として関われば、北朝鮮の思うつぼだ。

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