部屋間違い「ニーハオ」晴海フラッグ、下がる「生活の質」 違法民泊、白タク疑い住民疲弊
部屋間違い「ニーハオ」晴海フラッグ、下がる「生活の質」 違法民泊、白タク疑い住民疲弊 日本を守れるか 静かなる侵食③ – 産経ニュース
日本を守れるか 静かなる侵食③
「民泊トラブル」は高級マンションにも押し寄せている。東京都中央区の東京五輪選手村跡地に整備されたマンション群「晴海フラッグ」は、13万4千平方メートルの広大な敷地に、5600戸以上の分譲・賃貸住宅が立ち並ぶ。東京湾に注ぐ晴海運河に面した絶好のロケーションだが、不安を抱えて暮らす住民もいる。
「あれもそうでしょう」。住民が指さす先にはミニバンが路上に停車していた。見ていると走り去ったが、すぐに別の場所に現れた。住民によると、無許可の「白タク」が、住戸を使った無届けの「違法民泊」の客を送迎するため、待機している疑いがあるという。
たばこポイ捨て
晴海フラッグは、東京都主導の再開発で土地が安く開発業者に供給された。このため周辺の相場より価格が割安となり、分譲する際には申し込みが殺到した。令和5年2月の中層マンション販売では、抽選の最高倍率が266倍に達した。
ところが、6年に物件が引き渡されると、中国人旅行客とみられるスーツケースを引いた一団が、次々と現れるようになった。送迎するミニバンの運転手らは路上で喫煙し、たばこの吸い殻を捨てるなどマナーの悪さが目立った。
日本人の住人の一人は昨春の昼過ぎ、インターホンに応じたところ、突然、中国語で「ニーハオ」と呼びかけられ、驚いた。民泊関係者が部屋を間違えたとみられる。同様の出来事は別の部屋でも起き、住民の「生活の質」が脅かされている。
また、マンション周辺では、公道のフェンスなどに暗証番号のボタンの付いた南京錠のような形の「キーボックス」が取り付けられていたのを多くの住民が目撃。手のひらに収まるサイズで、民泊に宿泊する際のカギの受け渡しに使われていた可能性がある。
ゴミ置き場ではスーツケースが捨てられるようになり、管理会社は中国語と英語も交えて注意喚起を続けている。
敷地に面した道路では昨年2月、中国人が運転する車に3歳の男児がはねられ軽傷を負う事故が発生。住人は「いずれもっと大きな問題が起きるかもしれない」と語る。
海外に住所4・1%
マンションの登記簿を見ると中国名の人が複数戸持っていたり、中国から移った人が代表取締役を務める会社が所有したりしていることが確認できた。調査会社のトラスタート(東京都中央区)は昨年7月、中層マンション2686戸の登記情報を調査。最大で1法人が29戸を所有しており、海外に住所がある人の取得は111戸で4・1%に上った。
住人の一人は「日本人が抽選で漏れる物件を、なぜ外国人が大量に所有できるのか」と憤った。
賃上げなしの代償
不動産経済研究所によると、7年の東京23区の新築マンションの平均価格は前年比21・8%上昇の1億3613万円。建設コスト上昇などが主因だが、外国人の投機目的の売買も価格の押し上げ要因だ。港区など東京都心6区で7年1~6月に新築物件を取得した人のうち、海外に住所がある人の割合は7・5%で、前年(3・2%)の2倍以上になった。国内居住の外国人を含むと、比率はさらに膨らむ。
長期に及ぶ経済力の落ち込みや足元の円安などを背景に、外国人による日本の不動産購入が全国で相次ぐが、晴海フラッグにはその縮図がある。
政府は、外国人によるマンション取得などについて必要な対応策を検討する方針だが、明治大の市川宏雄名誉教授(都市政策)は「30年間にわたり日本人の給料を上げてこなかった代償が今、出てきている。日本人の暮らしを守るため、住居取得における外国人規制について本気で議論しなくてはいけない」と指摘している。(織田淳嗣)