中国に操られ始めた国連人権理事会の実態
国連人権理事会に通い続けた筆者が、中国政府による国連内部への影響力拡大、人権NGOや独立系メディアへの弾圧、中国批判者への監視、そして国連内で活動する中国系NGOの実態を告発する。日本を貶める反日勢力だけでなく、国連を舞台にした中国のプロパガンダ工作に警鐘を鳴らす。
2020-04-21
そんな中、国連内で筆者にカメラやビデオカメラを向ける中国人と思われる職員か、政府関係者の存在に気が付いた。
国連に通い続けて肌で感じるのは、中国が国連人権理事会を意のままに操り始めているということだ。
と題して、1/8に発信した章を再発信する。
以下は前章の続きである。
中国NGOやメディア弾圧。
国連に通い続けて肌で感じるのは、中国が国連人権理事会を意のままに操り始めているということだ。
特に国連内部の警備部門に関しては、すでに中国の手に落ちていると言える。
その理由を、二つの実例を挙げて説明しよう。
一つ目は、中国から直接的、間接的に弾圧を受けている人たちを救うための人権NGOを排除する動きである。
筆者が所属する国連NGO「国際キャリア支援協会」の友好団体、「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ議長は、2017年4月22日、少数民族に関する人権を話し合う「国連先住民問題に関する常設フォーラム」に参加のため、ニューヨークの国連本部へ行き、国連内のカフェテリアにいるところを、私服の国連セキュリティー4人に囲まれ、理由も告げられないまま入館証を剥奪され、国連内への立ち入りを禁止された。
エイサ氏は、新疆ウイグル自治区のウイグル人への中国政府の弾圧について、国連や欧州議会を始めとする世界中の政府などへ働きかけている人権活動家だ。
中国政府にとっては、非常に都合の悪い人物なのである。
このため、中国政府は、彼に「テロリスト」のレッテルを貼り、インターポール、国際刑事警察機構、を通じて、国際指名手配、赤手配書、していたのだ。
当時のインターポールの総裁は、中国の孟宏偉氏であった。
その後、インターポールは、エイサ氏の国際指名手配を解除した。
だが、直後の2018年10月に、孟氏は突如、中国当局に拘束され、行方がわからなくなった。
釈放されたとのことだが、以後の消息は不明である。
二つ目は、国連欧州本部でのさまざまな動きを追いかけていた独立系メディア「Bolan Times」の記者、ビラル・バローチ氏も、2017年に、エイサ氏と同様に、国連への入館バッジの更新を拒否された事である。
彼は、中国の「一帯一路構想」について批判的な記事を多く書いており、理由も告げられないまま、国連への立ち入りも、取材もできない状況になっている。
人権を守るための人権理事会で、罪状も告げないままに、このような横暴が行われているのが現状なのだ。
筆者もターゲットになっている。
この6年間で、国連内で多くの日本、その他の問題を話し合うためのサイド・イベント等を開催している。
さらに、協力関係にあるNGOなどのサイド・イベントにも、スピーカーとして招かれている。
そんな中、国連内で筆者にカメラやビデオカメラを向ける中国人と思われる職員か、政府関係者の存在に気が付いた。
当然、中国を批判するサイド・イベントなどでスピーチをするわけなので、中国から厳しいマークをされるのだ。
2019年9月の第42回国連人権理事会には、筆者が香港の活動家2人を招待して、香港で起きている中国政府による市民への弾圧と人権問題を訴えるサイド・イベントを開催した。
その期間中、常に国連内で中国当局のマークを感じていた。
だが、ジュネーブの駅のバス停で、この香港からの活動家と一緒にバスを待っているときに、道路の反対側から、こちらにカメラを向ける男性を認識した。
筆者は、すぐに黙ってその男に背を向け、香港の活動家2人に「私が左を向くので、男性の動きを見てほしい」と頼んだ。
そのカメラを構える男性に背を向けた状態から、左を向くと、その男性は左側に移動した。
逆に右を向くと右へ移動し、こちらにカメラを向けていたことが確認された。
香港の活動家は「本当にこんなことがあるんですね」と非常に驚いていた様子だった。
彼らには事前に、尾行などの危険性を伝えてあったが、半信半疑だったのだ。
隠しカメラ。
筆者はジュネーブ近郊に、長ければ毎回、1ヵ月の滞在をする。
そのため、ホテルではなく、週単位で借りられるアパートや宿泊施設に泊まることが多い。
国連関連の活動をやっていると、各国のインテリジェンス関係者とも面識ができ、付き合いが生まれる。
その1人が、たまたまある日曜日に、筆者が宿泊していたアパートに遊びに来た。
だが、彼が部屋に入ってきて10分ほど経った時に、こう言い始めた。
「シュン、この部屋、何かおかしいぞ。キッチンとリビングに同じ形の時計が合計3台ある」
確かに、青いLEDの光で数字を表示する置き型のデジタル時計が、リビングに二台、キッチンに一台置いてあるのは知っていた。
彼がそう言うので、その内の一台を手に取ってカバーを開けてみると、マイクロSDカードが刺さっていた。
早速、それをパソコンに入れてみると、我々の十分間の会話と映像が、バッチリ記録されていた。
誰が仕掛けたのかは不明だが、3枚のマイクロSDカードを持って、ジュネーブの警察に被害届を出した。
後日、警察から連絡があり、犯人は逮捕され、罰金刑になったと聞いた。
だが、どのような人物かは知らされなかった。
ほかにも、この六年間で、中国の妨害であろうと思われるものに遭遇してきた。
我々の敵は、日本を貶める反日左翼だけではない。
国連内を我が物顔で闊歩している、いわゆる中国のNGOなのである。
もっとも、中国にNGOなど存在しないのは明白である。
だが、実際には、国連に中国のNGOと称する団体も多く存在する。
そのNGOが国連内で配布している小冊子などを見れば、そこには中国政府の印刷局発行であることが記されている。
中国政府の意のままに、プロパガンダを拡散しているのだ。
資金潤沢な左翼NGO。
筆者は当初、慰安婦問題を解決しようと組織された「慰安婦の真実国民運動」の国連調査団として、ジュネーブを訪問した。
その調査の際、継続的な国連での活動の必要性を痛感し、それ以降、ときには団体で、ときには個人で、各種国連の会合に参加している。
一方、部落解放同盟系の「反差別国際運動」などの左翼NGOはといえば、ジュネーブに拠点となるオフィスを持ち、スタッフも常駐している。
彼らがどこから資金を得ているのかは不明だが、国費を還流させて資金をまかなっているとも聞いている。
以前にこの団体と共同で活動したあるNGOの代表の話では、日本政府から資金が出ていたという。
国のお金で反日をしていると言って、この代表が首をかしげていたのが印象的だった。
スイスは物価が高い。
一番安価な食べ物といえる、マクドナルドのハンバーガーセットさえ1,500円程度だ。
このため、筆者はインスタントラーメンやレトルト食品を大量に持ち込んで活動している。
いつまで、今のような状況で活動が続けられるかわからない。
だが、今後も、日本を守るために継続的な活動が必要であることは明らかだ。
是非、多くの方のご参加やご支援をお願いしたい。