本分を忘れたメディアと政府支援策を伝えない報道の罪

武漢ウイルス危機において、政府は雇用調整助成金、社会保険料の猶予、公共料金の延納、困窮世帯への支援など、多面的な救済策を打ち出している。にもかかわらず、新聞やテレビはそれを正確に伝えず、30万円給付の条件ばかりを批判して国民の不信を煽っている。

2020-05-03
ところが、新聞やテレビは、こうした施策をきちんと伝えず、一世帯あたり三十万円の給付に焦点を当てて取り上げ、「条件が厳しい」と批判するばかりだ。
以下は、日本国民必読の論文が満載された月刊誌WiLL今月号の巻頭を飾り、「わが国家の弱きを憂う」と題して掲載された、櫻井よしこさんの論文からである。
櫻井よしこさんは、最澄が定義した「国宝」の代表選手の一人である。
日本に対する至上の貢献でもある彼女の論説に、誰もが感謝するはずである。
同時に、正に真の国士でありジャーナリストである櫻井さんに比して、朝日などやNHK等のテレビメディアで論説委員やキャスター等と称している人間達の程度の酷さは、国に対する犯罪者と言っても全く過言ではないことを、心底からの怒りを持って思うはずである。

“優しさ”だけでなく“強さ”を持たねばならない。
憲法改正を起点として、自立できる国家に生まれ変わろう。

賢さで乗り越えるしかない。
四月七日、政府は緊急事態宣言を発した。
武漢ウイルスの感染拡大について、データを示しながら国民に協力を求めた会見からは、安倍首相の熱意と誠意を感じた。
しかし、緊急事態が宣言されても、政府にも自治体の長にも命令権はほとんど与えられない。
例外は、臨時の病院施設を作る場合、土地所有者に要請のうえ強制使用できる点にある。
朝日新聞などリベラルメディアが指摘する「私権の制限」は、主としてこの部分に由来する。
だが、これが朝日の批判するような国民への弾圧につながるとは、到底思えない。
我が国の法秩序と統治体系のどこにも、政府に強い権限を与える仕組みはない。
我が国は、政府に権力を与えない構造になっている。
国の力が非常に脆弱である以上、日本は政府と国民の賢さによって国を守るしかない。
政府は賢く洞察し、国民は各人が自制心を働かせ、利他の心で行動しなければ、日本は持たない。
万が一、旧民主党政権のように愚かな政府となり、国民が利己主義に走れば、我が国は混乱に陥り、著しく力を失っていくだろう。
国民と政府が信頼関係を築いて協力しない限り、ウイルスの脅威に打ち勝つことはできないのだ。

本分を忘れたメディア。
にもかかわらず、政府と国民をつなぐ役割を担っているはずのメディアが、事実を伝えるという本来の機能を果たしていない。
新聞や地上波テレビは、我が国が直面する危機の全体像を示すことなく、興味本位の報道に走り、歪んだ情報を垂れ流しているのではないか。
政府は、一世帯あたり布マスク二枚を配ることを決めた。
立憲民主党の蓮舫副代表は、布マスク配布にかかる費用を四百六十六億円と試算し、政策の見直しを求めた。
他の野党議員やメディアも、「税金のムダ」「もっと優先すべきことがある」などと批判した。
だが、そのような形で政府の足を引っ張ることはフェアなのか。
マスク問題を詳しく見てみよう。
これまで日本もその他の国も、中国製マスクに頼りきっていた。
それで安倍政権は多くのメーカーに増産を要求して、ようやく月産七億枚体制に近づいた。
それをまず、医療機関、高齢者及び障害者施設に優先して送付した。
次に、小学校や中学校に送った。
そこに、一般世帯には何もないのかという声が出て、一億枚を各世帯二枚ずつとして配布することを決めた。
メディアは、このような事情も伝えない。
政府がいかなる目的で何をしているかも伝えない。
あたかも政権の愚行であるかのような印象操作を行っている。

生活、すなわち経済を守り抜く。
コロナショックで打撃を受ける家庭や企業への補償について、他国に比べて日本政府の対応が不十分だと指摘されている。
しかし、批判は全く当たらない。
欧米諸国と比較しても遜色ない策を打ち出している。
業績が悪化し、やむを得ず従業員に休業を命じる企業や個人事業主に対して、政府は地方税の徴収猶予を自治体に要請し、社会保険料も納付猶予を設けた。
「雇用調整助成金」を拡大する方針も示している。
企業が従業員に休業を命じた場合、最低でも給与の六割を支払わなければならない。
だが、そのうち九割を政府が肩代わりする。
企業が給与を百パーセント支払えば、政府は九十パーセントを負担する。
西村康稔経済再生担当大臣は、櫻井さんが主宰するインターネット配信の「言論テレビ」で、全国の経営者に呼びかけた。
「どうぞ休職させる従業員に給料の全額、百パーセント払ってやってください。政府はその九十パーセントを負担します」
個人に対しても、手厚い支援を行っている。
困窮者に対しては、昨年度の予備費から、すでに一月に緊急小口資金として月額二十万円を貸し付けている。
「貸付」ではあるが、事情が厳しい場合には返済しなくてもよいものである。
加えて別の仕組みで、二人以上の世帯に月額二十万円を貸す枠がある。
両方で一月から三月の三ヵ月で、二人以上の世帯には八十万円が貸し付けられ、返済免除も設けられている。
さらに、所得が減った世帯には三十万円が給付される。
また前述したように、年金や健康保険といった社会保険料は、当面払わなくてもよいことになった。
電気、ガス、水道などの公共料金も延納できるようになった。
むろん、延滞税はつかない。
これらを総合すると、平均世帯で十二万円から十三万円の負担軽減になる。
それに加えて、単身世帯の困窮者には、五万円程度の家賃補助もある。
ちなみに、国税、地方税を含めて支払い猶予した分は、総額二十六兆円になるという。
そのうえに、無担保、無利子融資も用意されている。
これらは、経営者と従業員、両者にとって命綱ともいえる救済策だ。
ところが、新聞やテレビは、こうした施策をきちんと伝えず、一世帯あたり三十万円の給付に焦点を当てて取り上げ、「条件が厳しい」と批判するばかりだ。
政府広報に限界がある以上、メディアの協力なしに政策を周知させることは難しい。
にもかかわらず、国民の政府に対する不信感を煽っているのが現状だ。
この稿続く。

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