中国に「説諭」の材料を与えた米国暴動――香港問題への煙幕として利用する中国共産党

米国の黒人暴行死事件をきっかけに広がった抗議デモと暴動を、中国共産党が香港国家安全法批判への反撃材料として利用している実態を、産経新聞の記事をもとに論じる。米国の混乱を利用して独裁体制の優位を宣伝し、香港・新疆ウイグル問題への批判をかわそうとする中国の情報戦を記録する。

2020-06-06
底知れぬ悪とまことしやかな嘘に共産党一党独裁の悪が加わっている国に「説諭」されるなどという格好の材料を与えた程に、貴方達の暴動は愚劣だったのである。
以下は今日の産経新聞からである。
見出し以外の文中強調は私。
米デモ 中国が反撃材料に「香港」に煙幕、独裁体制の優位誇示
「北京=西見由章」
黒人暴行死事件をきっかけに全米各地で抗議デモや暴動が広がった問題は、香港への国家安全法導入を非難するトランプ米政権に対して中国の習近平指導部が“意趣返し”を展開するための格好の材料になっている。
「新型コロナウイルスも自国内のデモによる混乱も制御できない米国」というような印象が中国国内で広がれば、共産党統治の優位性も宣伝できる。
内憂外患に直面している習指導部には、いわば渡りに船だ。
中国外務省の趙立堅報道官は1日の会見で、米国の混乱について「人種差別や警察の暴力的な法執行といった問題の深刻さを表している」と述べ、米政府に少数派人種の合法的な権利を保障するよう説諭した。
*米国の黒人よ、中国は、貴方達の暴動を利用して、米政府に対して説諭したのである。
これ以上の愚劣はないだろう。
底知れぬ悪とまことしやかな嘘に共産党一党独裁の悪が加わっている国に「説諭」されるなどという格好の材料を与えた程に、貴方達の暴動は愚劣だったのである*
また、同省の華舂瑩報道官もツイッターで、米当局にあらゆる人種差別をなくすよう求めたファキ・アフリカ連合(AU)委員会委員長の談話をリツイートし、「すべての命が大切だ。
われわれは断固、アフリカの友人を支持する」とアフリカと共闘する姿勢をみせた。
中国はこれまでも米国内の人権問題を、ことあるごとに自国の問題を批判されないための“弾幕”として利用してきた。
米政権が新疆ウイグル自治区内でのウイグル族弾圧や、香港での統制強化に対して批判を強めていた昨年7月、中国政府系の「中国人権研究会」は米国の人種差別問題を批判する文書を公表。
「米国は人権の守護者を自負するが、その偽りの本質が突出している」と批判した。
中国メディアは、「香港の暴力的なデモ」を支援してきたトランプ政権が、自国内のデモには軍の出動を示唆していることを、「ダブルスタンダード(二重基準)だ」などと非難。
北京のある中国人記者は、「中国の公式メディアに(米国への)攻撃の口実を与えた」と指摘している。
中国国内では3月以降、新型コロナの被害が米国や欧州で中国以上に拡大するにつれ、官製メディアによる宣伝効果もあり、中国当局への批判よりも礼賛の声がインターネット上で多数を占めるようになった。
北京の政治研究者は「米国はこんなザマか、中国に生きていてよかったというナショナリズムが高まっている」と分析し、「トランプ氏がいなければ今の(習近平)政権は大変厳しい状況だった」と語った。

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