習近平の中国は「ヤクザのなかのチンピラ」と化した――世界一のチンピラ国家に日本はどう対処するのか
コロナ禍を世界に拡散させながら責任を認めず、医療物資の買い占め、不良品の輸出、南シナ海や台湾海峡、尖閣諸島周辺での威圧、オーストラリアへの報復、香港への国家安全法導入を進めた中国。
石平氏が、強きに弱く、弱きに強い習近平政権を「ヤクザのなかのチンピラ」と断じ、日本が避けては通れない対中戦略の重要性を説く。
2020-06-30
習近平の中国はもはや、「ヤクザのなかのチンピラ」と化しているのである。
図体こそでかいが、心と頭はまさしくチンピラ、実に厄介な存在である。
以下は、「世界一のチンピラ国家、中国」と題して、月刊誌Hanadaに掲載された石平氏の連載コラムからである。
月刊誌Hanadaは、日本国民のみならず、世界中の人たちが必読である。
まだ購読されていない人たちは、今すぐに最寄りの書店に向かわなければならない。
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個人にしても国にしても、災難や危機に際した時こそ、その人やその国の本性がよく表れてくる、と私は以前からそう思っているが、今回のコロナ禍に際して、図らずも、私の出身国である某大陸国家の悪しき本性は余すところなく露呈した。
コロナ禍をつくり出したのは、紛れもなく中国である。
武漢でコロナウイルスの感染拡大が発生した後、中国政府が国際社会に対して情報を隠蔽して真実を隠した結果、ウイルスが世界中に拡散して爆発的な感染拡大を引き起こし、夥しい人命を奪い、人類社会に多大な被害をもたらした。
しかし、世界の人々にそれほどの大災難をもたらし、迷惑をかけまくったのに、当の中国政府は今日に至っても、国際社会に対してお詫びの一言もない。
自分たちの落ち度や責任を認めようとは一切しない。
それどころか彼らは、「ウイルスは米軍が武漢に持ち込んだ」との出鱈目を言って、他国に責任を転嫁している。
あるいは、「武漢は最初の発病地ではあるが、必ずしもウイルスの発生源ではない」との詭弁を弄して、世界の目を欺こうとしているのである。
コロナ禍が発生した初期段階では、中国は世界各地でマスクなどの医療物資を買い占めて、各国における品不足の原因をつくった。
中国発のコロナウイルスが世界中で猛威を振るい、大混乱を引き起こすと、今度は医療物資が不足する各国に、不良品のマスクや正確率30%未満の検査キットなどを送りつけ、世界の「救世主」を気取る。
言ってみればそれは、れっきとした放火犯が消防隊員に成りすまして、さらなる悪事を働くようなものである。
中国の悪辣さは、この程度にとどまることはない。
コロナ禍で世界が、特に「世界の警察」のアメリカが大混乱に陥っているなかで、中国政府はまさにこの混乱に乗じて、南シナ海で「行政区」を新設して覇権主義的拡張を加速させたり、台湾海峡に軍艦を派遣して威嚇的な行動を繰り返したり、日本の尖閣周辺の領海に侵入して、不当な領土要求を力ずくで通そうとするなど、悪さの限りを尽くした。
それは普通でいう火事場泥棒の恥ずべき所為であるが、中国の場合、自分たちが放火してから火事場泥棒をやるのだから、さらにたちが悪い。
世界各国がコロナ禍の原因究明を求めると、ウイルスを世界中にばら撒いた中国は今度、必死になって責任逃れを図ろうとしている。
そのなかでは、例えば原因と責任の究明を強く主張するオーストラリアに対しては、中国政府が同国から輸入する大麦に法外な追加関税を発動したり、中国国民にオーストラリア旅行の自粛を呼びかけるなど、全く理不尽な報復措置に打って出るのである。
その横暴さは目に余るが、一方、オーストラリア以上に中国に対する責任追及を強く主張するアメリカに対しては、決して同様の報復措置を取らない。
強きに弱く、弱きに強いというのは、まさに中国政府の一貫した習性である。
そして、コロナ禍の混乱に乗じる形で、中国政府はより一層の弱者いじめを始めた。
5月下旬に開かれた全人代で、習近平政権が「国家安全法」という悪法を香港に押しつける暴挙に出たのである。
この悪法が実施された暁には、香港の人権と自由は完全に奪われて、700万人以上の香港市民は中共政権の俎板の鯉となる。
国際社会は、到底それを許すことなどできない。
このようにして、コロナウイルスの感染拡大以来の半年足らずの間に、すでに中国政府は数え切れないほどの悪行を重ねてきている。
これらを一目見ただけで、中国という国は、まさに世界一の巨悪であることがよくわかるであろう。
彼らは、自らに落ち度があっても一向に謝らないし、罪を犯しても、それを絶対に認めない。
悪いのは他国であって、自分たちはちっとも悪くないと常に思っている。
放火も火事場泥棒も平気な顔でやるが、自分たちへの責任追及は一切許さない。
そして、いつでもどこまでも、弱い国や人々をつかまえて、思う存分いじめるのである。
そんな国のことを「ヤクザ国家」と呼びたいところだが、考えてみれば、日本のヤクザでさえ、それほど卑怯でもなければ、そこまで堕落しているわけではないだろう。
習近平の中国はもはや、「ヤクザのなかのチンピラ」と化しているのである。
図体こそでかいが、心と頭はまさしくチンピラ、実に厄介な存在である。
不幸にも、このように厄介な「チンピラ国家」を隣国に持ったのは、われら日本国である。
このような国にどう対処していくのかは、常にわれわれにとって頭痛の種であり、避けては通れない重要な課題であろう。
だからこそ、今月号から始まる私の連載は、中国に対処するための参考となる中国論や日本論を、柱の一つとして展開していきたい。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」である。