犯罪者と権力者を隔てるものは「ネクタイ」だけなのか――高山正之・坂東忠信対談が問う法意識、残酷犯罪、そして中国共産党体制

元警視庁刑事・通訳捜査官の坂東忠信氏が語った「中国人犯罪者と中国政府幹部の違いは、ネクタイをしているかどうか」という比喩を起点に、高山正之氏と坂東氏が、日本国内で発生した中国人被疑者による重大犯罪と、中国共産党指導部の法意識、権力観、対外姿勢について論じた対談を記録する。

2020-07-06
「中国人犯罪者と中国政府の幹部との違いは何かを、私なりに考え、結論に達したことがあります。それはひと言、ネクタイをしているかどうか」
元警視庁刑事・通訳捜査官の坂東忠信氏は、このように語った。
もちろん、犯罪者と政府幹部が文字どおり同じ存在であるという意味ではない。
坂東氏が捜査現場で接した犯罪者の言動と、高山正之氏が観察してきた中国共産党指導者の言動には、嘘、傲慢さ、法や他者への軽視という点で共通するものがあるという、極めて強烈な比喩である。
国籍や民族だけで、個人の人格や犯罪性を判断することはできない。
日本人の犯罪者が日本人全体を代表しないのと同じく、中国人犯罪者が中国人全体を代表するものでもない。
一方で、特定の社会制度、教育、法の運用、権力構造が、人々の行動や価値判断に与える影響について論じることまで封じてはならない。
本稿で紹介される重大事件についても、犯罪を行った個人の責任と、その人物の国籍は明確に区別して考える必要がある。
以下は前章の続きである。
本文中の評価は、それぞれ高山正之氏、坂東忠信氏の発言として掲載する。
なお、黄文雄氏から聞いたとされる人民解放軍の教育内容については、この対談中で紹介された伝聞であり、本稿が独立に確認した事実ではない。
また、遺体損壊に関する具体的な方法の説明は掲載しない。
【ネクタイをしているかどうか】
坂東
中国人犯罪者と、中国政府の幹部との違いは何かを、私なりに考え、結論に達したことがあります。
それはひと言、ネクタイをしているかどうかです(一同爆笑)。
言っている内容や、その根底にある考え方は、何も変わりません。
高山
そうか、李鵬はネクタイをしていたな(笑)。
礼節のなさ、傲慢さとともに、残酷さも、中国人の行動原理の一つにあると私は考えている。
記憶にあるのは、2003年の福岡一家4人殺害事件だ。
中国人留学生3人が、金銭を奪う目的で、ある一家の住宅に侵入した。
坂東
一家4人が殺害されました。
そのうちの1人は、極めて残虐な方法で長時間苦痛を与えられた末に殺害されたとされています。
高山
3人はいずれも逮捕された。
そのうち2人には死刑判決が言い渡され、刑が執行されている。
愛知県蟹江町でも、2009年に母子3人殺傷事件が発生した。
犯人は、当時三重大学に在籍していた中国人留学生の男だった。
犯人は逃走する際に被害者を装ったため、捜査は難航した。
もう一つは、2002年の大分夫婦殺傷事件だ。
中国人留学生ら5人による犯行だった。
殺害された男性は、中国の学校で学んだ経験があり、その恩返しという思いも込めて、中国人留学生の世話をしていた。
周囲からは「日本のお父さん」と慕われていた。
しかし、金銭を奪う目的で殺害された。
信じ難い事件が数多くある。
坂東
2010年には、愛媛県西条市でも、中国人の造船技能実習生による刺殺事件が発生しました。
犯人は、被害者の遺体を損壊し、その一部を持ち去ったとされています。
私は黄文雄先生から、中国では、相手の身体を損壊する行為が、強い恨みや報復の意思を示すものとして受け取られる場合があるという説明を聞きました。
ただし、この説明は、私が黄文雄先生から聞いた内容です。
この稿続く。

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