「犬が去ったらブタが来た」――日本統治後の台湾と蒋介石国民政府の実像
2017-6-20
以下は前章の続きである。
犬が去ったらブタが来た
また、先の戦争で日本軍に参加した台湾人が二十一万人で、三万人も亡くなったということを、番組ではいかにも悪のように述べていました。
しかし、アメリカではどうであったか。
太平洋艦隊司令長官スプールアンスの自叙伝に書いてありますが、アメリカ海軍では有色人種を兵隊にはしなかったのです。
厨房や洗濯場の下働きとして有色人種を使うことはありましたが、兵隊にはしなかった。
なぜか。
有色人種を兵隊にして功を挙げれば、出世させなくてはなりません。
有色人種を出世させれば、白人が部下になる事態が発生します。
大東亜戦争(太平洋戦争)の頃のアメリカではそんなことは許されなかったわけです。
日本は朝鮮人を将軍や隊長にしていますし、台湾人にも安心して武器を持たせていました。
安心して武器を与えることができるのは、それだけ統治がよかったからです。
番組では「日本統治が残した傷跡」という部分をことさらに強調し、日本統治は失敗であったごとく描いていましたが、とんでもないことです。
日本の統治が始まって半世紀も経たないうちに、台湾からは日本の貴族院に入る人も何人か出ました。
イギリスの上院に植民地から入った人がいたでしょうか。
日本は敗戦で台湾を放棄するよう求められていたため、放棄しました。
それを台湾人が怨みに思うのは仕方がないし、日本人もやむを得なかった状況でしたが極めて遺憾なことです。
日本は放棄を強制されましたが、中国に与える約束をしたわけではありません。
連合国は台湾を独立させてもよかったのです。
しかしその後、台湾には蒋介石がやってきました。
その時、台湾人が何と言ったか。
題字以外の文中強調は私。
「犬が去った後にブタが来た」
こう言ったのです。
これは漫画『のらくろ』が、犬の国は立派な国、ブタの国はろくでもない国と描いていたため、その影響です。
つまり、ろくでもない奴らがきたということです。
台湾の人たちはすでに一等国としての生活をしていましたから、蒋介石軍の野蛮さに耐えられなかったのです。
そして台湾に入り込んできた国民政府は、日本で高い教育を受けた人たちを三万人も虐殺しました。
このあたりこそNHKは放送すべきでした。
二、三十年前に雑誌『PHP』(PHP研究所)の英語版第一号が作られました。
その時、植民地の人たちは皆、怨みを持っているだろうという思いが白人にはあった。
自分たちがフィリピンにやったのと同じようなことを、日本がやっていたという思い込みを持っていたからです。
そこでアメリカ人の書き手が一所懸命、台湾を取材しました。
「いかに日本がひどいか」という話を集めようとしたようですが、ついに一つも集まらなかった。
そしてその企画が成り立たなかった、という実話があります。