香港返還二十年前の予言は的中した—金美齢が見抜いていた「一国二制度」の崩壊と中国の本質

2019年7月5日発信。
月刊誌WiLL8月号掲載、金美齢氏の論文「香港のレストランの味は一気に落ちた、『一国二制度』など形骸化する―二十年前の予言は的中した」から。
1997年の香港返還直前に「一国二制度」の形骸化を見抜いていた金美齢氏が、中国共産党の本質、中国人社会における虚言と権力拡張の体質、そして香港・台湾・沖縄へと連なる危機を論じた一篇。
香港から自由の灯が消えつつある現実を通して、日本人もまた目覚めるべき時に来ていることを訴えている。

2019-07-05
中国には領土拡大の野心を抑える自制心がないこと、中国人は平気でウソをつくことを知っていたからだ。

以下は月刊誌WiLL8月号に、香港のレストランの味は一気に落ちた、「一国二制度」など形骸化する―二十年前の予言は的中した、と題してけいさいされた金美齢さんの論文からである。
二十年前の予言 
香港が揺れている。
「逃亡犯条例」改正をめぐって、百万人規模のデモが行われた。
改正されれば、香港で拘束された身柄が中国本土に移送できるようになる。
多数の死傷者が出ているとの報道に触れ、二十年前の「予言」を思い出した。
イギリス領の香港は、東と西の文化が出合う場所だった。
ところが一九九七年、香港はイギリスから中国に返還された。 
中華文明一色に染まった香港は魅力が半減する。
そう思った私は、返還の二週間前に娘と最後の香港旅行に出かけた。
旅の名は、「say god bye to Hongkong(香港にさようなら)」。
行きつけのレストランの昧は落ちていた。
中国の一部になってしまえば、自由な生活は保障されない。
腕利きの料理人は次々と香港を去り、カナダやオーストラリアに仕事を求めたからだ。
さらに一部の富裕層は、何百万ドルもの大金を積んで同じく英語圏に移住した。
残された一般市民は、複雑な感情を抱えていた。
香港にも、中華思想は浸透している。
正式に中華圏の一部となることを喜ぶ反面、不安にも駆られていた。
「中国に編入されて、香港はどうなるのか」。
そう尋ねたタクシー運転手の不安そうな表情は忘れない。 
返還後、中国は二国二制度」を約束していた。
だが果たして、香港の自治は守られるのか。
日本の知識人たちは、楽観を述べるか、言葉を濁すかだった。
私は、いずれ一国二制度など形骸化し、政治は中国共産党に取り込まれるだろうと明言した。
中国には領土拡大の野心を抑える自制心がないこと、中国人は平気でウソをつくことを知っていたからだ。
文化大革命をもてはやしていた人たちの口から、反省の弁などほとんど聞いたことがない。
自らの発言に責任を取らない知識人たちに辟易していた私は、「予想が外れたら評論家を辞める」と言い切った。
しかし、予想は“残念ながら”当たった。
いま、香港から自由の灯が消えつつある。 
二〇〇四年、台湾総統選が行われた。
応援した民進党の陳水扇が辛くも再選した翌日、香港から来たという男性が私に感謝を述べた。
「台湾のおかげで、なんとか香港は守られています」。
チベットやウイグルと同じように、中国共産党は香港を武力で制圧したいはずだ。
しかし、台湾を手に入れるのが最終目的だから、そうはできない。
裏を返せば、台湾がしっかりしないと香港はあっという間に呑み込まれてしまう。
果たして、今の台湾で大丈夫か。
今の日本で大丈夫か。
香港が中国共産党の手に落ちれば、次は台湾だ。
その次は、沖縄かもしれない。
この項続く。

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