文在寅氏が目指す高麗民主連邦共和国――「二度と日本に負けない」とは何を意味するのか

2019年8月9日発信。産経新聞に掲載された阿比留瑠比氏の論文を紹介。文在寅大統領の対日発言、南北経済協力、北朝鮮との「平和経済」構想、そして金日成が提唱した高麗民主連邦共和国制との関連を論じる。

2019-08-09
厳しい状況にあるわれわれの経済に困難が加わったが、二度と日本に負けない」と語っていたが、日本といつ戦い負けたというのか。
突っ込みどころは満載だが、文氏の表情は真剣だった
以下は昨日の産経新聞に「文氏が目指す高麗連邦共和国」と題して掲載された現役最高の記者の一人である阿比留瑠偉氏の論文からである。
それにしても文在寅は異常な人間である。
この人間の異常さを全く指摘しないどころか実際は肩を持ち、あろうことか日本を批判しているNHKの態様の異様さも極まっているのである。
韓国の文在寅大統領が5日、首席補佐官会議で北朝鮮との経済協力について語った言葉を聞き、文氏が本首を隠そうとしなくなったと感じるとともに、本気で高麗民主連邦共和国の実現を目指しているのだなとの印象を受けた。
南北統一を説く好機
もともと北朝鮮のエージェント(代理人)ともサーバント(召使い)ともいわれる親北派の文氏ではあるが、この日は日本による対韓輸出管理の厳格化についてこう述べていた。
「南北経済協力で平和経済が実現すれば、われわれは一気に日本の優位に追い付くことができる」「今回のことで平和経済が切実であることを再確認できた」「平和経済こそが、世界のいかなる国も持ち得ぬわれわれだけの未来だとの確信を持ち、南北が共に努力していくとき、非核化とともに朝鮮半島の平和の上に共に繁栄できる」
軍事力に特化した世界最貧国の一つと経済協力すれば、どうして日本に一気に追い付けるのか。
核・ミサイル・拉致問題で国際社会から経済制裁されている国と組んで、一緒に制裁を受ける気だろうか。
文氏がこう訴えた翌日の6日も、北朝鮮は韓国を威嚇する短距離弾道ミサイルを発射している。
ラブコールを送った相手の北側にはまるで相手にされていないようだが、それでいいのか。
2日に発表した国民向けの談話でも、文氏は「厳しい状況にあるわれわれの経済に困難が加わったが、二度と日本に負けない」と語っていたが、日本といつ戦い負けたというのか。
突っ込みどころは満載だが、文氏の表情は真剣だった。
少なくとも、文氏は本気でこのように思考しているのだと理解した方がいいのだろう。
日本が輸出管理の厳格化に乗り出したことを、国民に南北統一の必安性を説くチャンスだととらえている可能性もある。
北提案の下地は着々
1980年に北朝鮮の金日成主席(当時)が南北統一の方策として提案した「高麗民主連邦共和国制」の骨子は、その前提条件としてこう記している。
①朝鮮半島の緊張緩和
②アメリカの干渉中止
③韓国の民主化実現
親北朝鮮政権の誕生と親北政策の徹底こそが北が求めた民主化だとすると、この①~③はもうかなりの部分、実現している。
また、骨子によると統一政府の10大施政方針は次の通りである。
文氏が述べた言葉だといわれても特に違利感はない。
自主性の堅持▽民主主義と民族大団結指向▽南北経流交流と合作▽南北間の科学・文化・教育などの交流と統一的発展▽南北閧の交通・郵便手段の利用保障▽全人民の生活安定と福祉増進▽軍事的対峙状態の解消、民族連合軍隊の組織、双方の軍隊の縮小▽海外同胞たちの民族的権利保障▽両地域政府の対外活動調節と共同歩調▽対外関係において全民族を代表、非同盟・中立路線の堅持、朝鮮半島の平和地帯化―。
東洋史家の宮脇淳子氏の著書によると、1274年の最初の元寇(文永の役)では、高麗軍だけで8千人がおり、1万5千人の元軍本隊の副司令官も高麗人だった。
作家で歴史に詳しい八幡和郎氏は、高麗軍は元寇に加わっているどころかむしろ主力であり、経緯としても高麗が元をけしかけたと指摘し「元・高麗寇」と呼ぶべきだと提唱している。
もしかしたら、文氏が「二度と負けない」と語ったのは元・高麗寇のことなのかもしれない。
(論説委員兼政治部編集委員)

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