WHOの中国支配は極まった状態にある

中国で鳥インフルエンザ、SARS、武漢熱が相次いだ背景には何があるのか。
WHO事務局長選挙、マーガレット・チャン氏の長期留任、そして「感染症に地域名を冠しない」という方針をめぐり、中国共産党による国際機関支配の実態を、青山繁晴氏の論文をもとに考察する。

2020-03-13
裏金に頼らない日本が、手段を選ばない中国に敗れたという見方が強かった。
中国はこのチャン事務局長をその後、10年半にわたり2017年半ばまで留任させた。

以下は日本国民のみならず世界中の人達が必読の月刊誌Hanadaに掲載された参議院議員、作家、近畿大学客員教授、東京大学自由研究ゼミナール講師である青山繁晴氏の論文の続きである。
私は中国の悪質な策略を世界中の人々に伝えるために本稿を発信する。

人間の科学の始まり

ささやかな連載コラムの本号では、限られた誌面ながら、できるだけ根っこからみなさんと一緒に考えたい。
不肖わたしは議員となった今も、東京大学教養学部と近畿大学経済学部で教鞭を執っている。
近畿大は東大阪市のキャンパスに行く時間が取れず、年に2回の特別講義になってしまって寂しいが、東大は毎週、ゼミを開いている。
ゼミを開講する春に、まず教えていることがある。
それは人間の科学の始まりだ。
人間は世のすべてを分類する、分けて考えることから科学を拓いた。
ところがひとつだけ、分類できないものがある。
それがウイルスだ。
細胞がなく代謝もないから非生物かと思えば、遺伝子があり、自分で変異する。
生物にやや近い非生物と言ってもよいが、要は人間の科学では分類できず、正体を解明しきれない。
ウイルスの本体から棘のようなものが大量に出ていて、他の生物にいわば引っかけ、おのれの遺伝子を入れて、その細胞を宿主として自分のコピーを増やす。
しかし単独で増殖することはできない。
そして、その棘を変異させて、それまでうつれなかったものにうつるようになる。
だから例えば高病原性鳥インフルエンザの毒性の極めて強いウイルスも、最初は鳥から鳥にしかうつらなかったのが、やがて鳥からヒト、そしてヒトからヒトにうつって死者が出た。
これも中国でのことである。
中国では西暦2005年5月に渡り鳥の鳥インフルエンザによる大量死が起き、その年の10月には、若い女性が鳥インフルエンザの感染で死亡。
2007年になると南京の子から父へ、つまりヒトからヒト感染が確認され、子は死亡した。
そこから6年後には、上海などで鳥インフルエンザによる2人の死者が確認されているが、以後、情報が出なくなった。
これが鳥インフルエンザの撲滅を意味するのなら幸いだが、わたしの知る限り、そう考えている専門家はいない。
むしろ鳥からいったん豚を介して、ヒトにうつりやすくなっているというのが常識だ。
なのになぜ、情報が出ないのか。

WHOの中国支配

中国は西暦2006年11月、すなわち鳥インフルエンザが中国で荒れ狂っていたさなか、WHO、世界保健機関の事務局長選挙に香港生まれの女医、マーガレット・チャンこと陳馮富珍さんを擁立した。
チャンさんは香港の衛生署長時代に、中国共産党の言いなりという批判を受けた。
SARS流行の際に病院封鎖などが遅れ、香港立法会から喚問までされた。
しかし中国共産党は、前述のWHO事務局長選で日本などが推した尾身茂WHO西太平洋地域事務局長、当時を小差で破って、当選させた。
裏金に頼らない日本が、手段を選ばない中国に敗れたという見方が強かったが、中国はこのチャン事務局長をその後、10年半にわたり2017年半ばまで留任させ、さらに後任の事務局長も中国に対して債務国であるエチオピアから当選させ、WHOの中国支配は極まった状態にある。
チャン事務局長はその任期中の2015年に、現在の「感染症に地域名を冠しない」という方針を決めた。
ではアフリカの川の名前を冠したエボラ出血熱や、ドイツの大学都市マールブルク市をそのまま名にしたマールブルク熱をはじめ、多数の感染症名はどうするのか。
チャン事務局長も、WHOも、中国も、それにはまったく関心を示さない。
名を変えようとはしない。
わたしは穿った見方をしないことを信条にする専門家の端くれだが、このことをめぐっては、「中国はやがて自国を発生源として新しい感染症が現れることを予期して、あるいは懸念して、そのリスクに備えるためにWHOを利用して、差別や偏見を防ぐという名目で、地域の名を感染症の名にしないという方針をあらかじめ作ったのではないか」と疑わざるを得ない。
すくなくとも世界で信認の厚い、前述の尾身茂さんがWHO事務局長に当選していれば、このように発生源を分からなくするような方針は打ち出さないか、あるいは、もしもそのような方針を決めていれば、エボラ出血熱などの名を変える努力を当然、したのではないだろうか。
その武漢熱の湖北省武漢市から新しいウイルスが出現したと知ったとき、ああ、やっぱりと感じた専門家は世界に数多いだろう。
どうしてか。
この稿続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください