中国人訪日客92万4800人という数字が示していた武漢ウイルス拡散の核心
2020年1月の中国人訪日客数が前年比22.6%増の92万4800人に達していた事実を取り上げる。新聞各紙が春節期間中の減少ばかりに注目する一方で、武漢封鎖前に大量の渡航者が日本へ入国していた点こそ、新型コロナウイルス拡散の核心だったと論じる。
2020-03-15
1月全体だと中国人訪日客数は昨年より22・6%増加し、92万4800人であった。
この数字こそ、わが国の新型コロナウイルスの拡散と、直接関係する数字といえよう。
以下は今日の産経新聞からである。
見出し以外の文中強調は私。
中国への忖度、政権も新聞も失策
元東京大学史料編纂所教授
酒井信彦
新聞に喝
観光庁は2月19日、1月の訪日外国人旅行者数を発表、翌20日の各紙朝刊に詳報が掲載された。
各紙が注目しているのは中国の春節期間、1月24日~2月2日における中国人訪日客の減少で、昨年と比較して約2割減少したという。
それは例の新型コロナウイルスによる影響のためであるが、2月以降さらに客数が減ることが心配されている。
しかし、本当に心配しなければならないのは全く逆のことである。
1月全体だと中国人訪日客数は昨年より22・6%増加し、92万4800人であった。
各紙は、この1月全体の訪日客数に少しも脅威を感じていないようだが、この数字こそ、わが国の新型コロナウイルスの拡散と、直接関係する数字といえよう。
ところで、震源地である武漢から日本への入国者はどれほどあったのか。
朝日新聞2月1日、高田正幸記者の記事によると、「第一財経は昨年12月30日~1月22日に武漢を出発した飛行機の座席数から、国外への渡航者数も予想。
最も多かったのはタイで、航空便が満席だったと仮定すると、最大2万7千人が訪問。
2位の日本は同じく約1万8千人、3番目のシンガポールは約1万1千人との結果だった」とある。
「第一財経」は中国の経済系メディアである。
武漢が封鎖されたのは1月23日であるから、感染者はそれ以前に大量に日本に入国していたのだ。
そのため、日本でも感染者が出現し、観光バス運転手の感染や屋形船での集団感染がおこった。
いずれも原因は、今から約2ヵ月も前の1月上~中旬、武漢の観光客との接触だろう。
しかし武漢からの入国者、1万8千人という数字は、ほとんど注目されなかった。
この間、日本では主にチャーター便やクルーズ船を問題にしていたが、市中感染は確実に進行していただろう。
現在イタリア、フランス、アメリカでも感染者が増えているが、感染源は春節時期の中国人観光客である疑いが強い。
安倍晋三政権は中国人の入国には諸外国と比較すると極めてルーズであった。
当の中国からさえ行動制限措置を開始されていたが、今月9日、ようやく中国全土からの入国制限強化を開始した。
中略
新聞などのメディアも、この問題に関して毎日大騒ぎする割には、政権と同じく、最も重要な点に鈍感だったと言わざるを得ない。
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さかい・のぶひこ
昭和18年、川崎市生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科滌壮課程修了。
東京大学史料編纂所で『大日本史料』の編纂に従事。