中国はいかにWHOを掌握したか――武漢ウイルス禍が暴いた国際機関への浸潤

産経新聞は、中国が経済支援を武器に国際機関へ浸潤し、WHOを含む国連専門機関で発言力を強めてきた実態を報じた。テドロスWHO事務局長は武漢ウイルス発生当初から中国の対応を礼賛し、緊急事態宣言やパンデミック認定は遅れた。中国は一帯一路の支援を通じてアフリカ諸国を取り込み、国際機関の要職を掌握している。本稿は、WHOの中国寄りの言動と、米国が始めた反転攻勢の意味を問う。

2020-05-10

それにしても、WHOを中国が支配し出す経緯と、WHOの武漢ウイルス発生から現在に至るまでの言動は、田舎芝居そのものである。

本欄の読者の方が、WHOのテドロスと愛知県知事の大村の顔相がそっくりである事を知らしめる写真を掲載していた。
それにしても、WHOを中国が支配し出す経緯と、WHOの武漢ウイルス発生から現在に至るまでの言動は、田舎芝居そのものである。
産経新聞は、今、日本のみならず、世界においても最もまともな新聞である。
以下は、
「中国、支援で誘いWHO掌握」
と題して、今日の産経新聞に大きく掲載された記事からである。
この記事は、本物のジャーナリストに依って書かれた真の報道である。
一方、NHKを始めとしたテレビ放送局の報道は、報道どころか、WHO同様に、完全に中国の工作下にある事も明らかにしている。

米が関心ない国際機関狙う。

中国が国際機関の要職に静かに浸潤していた。
この現実を認識させてくれたのが、新型コロナウイルスをめぐる世界保健機関、WHOの動きだった。

防疫対応を礼賛。

WHOが、
「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」
を宣言するかが注目されていた1月28日。
北京に飛んだテドロスWHO事務局長は、習近平国家主席と会談し、こう語った。
「中国のように迅速で大規模な行動は、世界的にもなかなかみられない。
中国の効率性とそのシステムの強みを示した」

WHOは23日の緊急委員会で、緊急事態宣言を、
「時期尚早」
と見送っていた。
30日にようやく宣言を出したが、渡航制限を勧告することはなかった。
「パンデミック」、世界的大流行との認識を表明したのは、3月11日だった。

WHOは1月時点で、
「人から人への感染」
の可能性を軽視し、
「渡航禁止は必要ない」
と主張していた。
テドロス氏は、中国がウイルス発生源の湖北省武漢市を封鎖するなどした対応を礼賛し続けた。

米国のオブライエン大統領補佐官、国家安全保障問題担当は、3月11日の講演で、中国がウイルス確認当初に、
「隠蔽活動」
を行い、
「世界各国の対応が2ヵ月遅れた」
と非難した。
米国などは、WHOが中国に加担し、世界への感染拡大を許したとの見方を強める。

テドロス氏の出身国エチオピアは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のモデル国家とされ、鉄道や電力供給などで中国から巨額のインフラ投資を受ける。
中国は2017年のWHO事務局長選で、
「中国との協力」
の重要性を訴えていたテドロス氏を担いだ。
第二次大戦後最大の危機とされるウイルスとの戦いで、WHOの対応が後手に回った大きな理由である。

国際機関の中核である国連は、第二次大戦中から米国主導で構想された。
ハル米国務長官を中心に国連憲章の原案が作られ、米英中ソの調整で具体化していった。
集団安全保障だけでなく、世界共通の経済社会問題なども扱うという米国の方針通り、専門機関も次々と設けられ、戦後の世界秩序の基盤となった。

その一つであるWHOに、2007年、初めて中国からの事務局長が出た。
香港出身のマーガレット・チャン氏である。
ここから、国際機関への進出が始まった。

WHOは2015年、中東呼吸器症候群、MERSの名称が問題視されたのを一つの契機に、感染症の命名に際して地名を入れないとのルールを作った。
今の米国が新型コロナを、
「武漢ウイルス」
などと呼ぶことへの反論の根拠となっている。

中国の主張する、
「一つの中国」
にのっとり、台湾を排除する動きも強まった。
2017年以降、台湾はオブザーバーとしてもWHO総会に招かれていない。
もともと中華民国として国連に加盟していた台湾が、世界の公衆衛生分野で空白域となってしまった。

ルールづくり主導。

「国際機関は、貧困層支援といった現場活動を主軸とするものと、ルールや規範づくりを主軸とするものに大別される。
最近の中国は後者に関心を持ち、接近している」
国際機関に詳しい元外交官は、こう解説する。

中国がとりわけ狙ったのは、米国などがあまり関心を示さない機関だ。
加盟国による機関トップを決める選挙で、経済支援を餌にアフリカ諸国を引き寄せ、中国や中国に近い候補者を当選させる。
さらに、組織を運営するための分担金の支払いだけでなく、自発的な拠出も行い、発言力を強める。

中国は現在、15の国連専門機関のうち4機関でトップを占める。
米国を中心に築かれた砦を一つ一つ制覇し、自らの「規範」を広げつつある。
習氏が、
「人類運命共同体」
と呼ぶ中国主導の世界統治に向かっているのならば、民主主義陣営には重大な脅威である。

WHOの最大拠出国、米国は業を煮やし、荒療治に乗り出した。
トランプ政権は4月、新型コロナをめぐるWHOの取り組みを検証するとし、その間は拠出金を停止すると宣言した。

「組織が機能しないのであれば、米国はパートナー諸国とともに、WHOの本来の目的を実現できる枠組みや形態、統治モデルをつくっていく」
ポンペオ国務長官は4月23日のラジオ番組でこう述べ、別の国際保健組織を立ち上げる可能性にまで言及した。

米国の突き付けた通牒が、国際機関にどんな改革をもたらすかは、まだ見えない。
しかし、世界を襲った新型コロナが、権威主義と戦う米国の覚悟をいっそう固めたことは間違いない。

長戸雅子。
ワシントン、黒瀬悦成。

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