中国、全人代前に言論弾圧――武漢ウイルスをめぐる批判封じと相次ぐ拘束

2020年5月18日の産経新聞記事を紹介し、全人代開幕を前に中国共産党政権が学者、ジャーナリスト、詩人らを相次いで拘束している実態を論じる。武漢での感染状況を調査していた張展氏の失踪、張雪忠氏の公開書簡、言論統制、そして新型コロナ第2波への警戒を取り上げる。

2020-05-18
また、中国の人権派弁護士グループによると、湖北省武漢で感染状況を調査していた上海出身のジャーナリスト、張展氏が14日に失踪した。
警察当局に拘束されたとみられるという。
以下は、今日の産経新聞に、「中国、全人代前に言論弾圧」と題して掲載された記事からである。
相次ぎ拘束 コロナで批判警戒
【北京=西見由章】
中国の立法機関、全国人民代表大会、全人代が22日に北京で開幕するのを前に、共産党政権に批判的な学者やジャーナリストらの拘束が国内で相次いでいる。
全人代の開催時期は例年、当局による言論統制が強まるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政権への不満や批判が党内外で広がり、習近平指導部は神経をとがらせている。
感染の第2波への懸念も強く、内外の記者の現場取材を大幅に制限する「封鎖式」会議となりそうだ。
「武漢の地方政府は長期にわたり感染状況を隠し、情報を発信しようとした市民を厳しく弾圧した」
上海在住の法学者、張雪忠氏は10日、全人代の代表にあてた公開書簡をネット上で発表し、当局の対応を厳しく批判した。
張氏は、中国で国民に給付金が支給されないのは、「政府幹部が選挙で選ばれておらず、民衆の訴えを無視することがより容易だからだ」と指摘。
普通選挙の実施規則の制定を要求したほか、国家指導者の直接公選制などを明記した憲法草案を示した。
張氏は発表翌日の未明、警察当局に一時拘束された。
また、中国の人権派弁護士グループによると、湖北省武漢で感染状況を調査していた上海出身のジャーナリスト、張展氏が14日に失踪した。
警察当局に拘束されたとみられるという。
さらに香港メディアなどは、言論の自由を求めていた山東省聊城市の詩人、魯揚氏が、国家政権転覆容疑で1日に拘束されたと伝えた。
中国当局が警戒するのは、いわゆる民主派だけではない。
武漢での感染拡大の悲劇を受け、習指導部の支持基盤である保守派や左派の間でも、「今回は人災だとの主張や、多様な意見を認めるべきだとの声が広がっている」、北京の中国人ジャーナリスト、という。
さらに、全人代の開催を機に感染の第2波が拡大すれば、習指導部は大きな批判を受けかねない。
当局は通常10日以上の会期を1週間に短縮するほか、例年約3千人が参加していた内外記者の取材機会を大幅に制限し、映像配信などによる取材に切り替える方針だ。

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